講演情報
[O4-04]入院関連機能障害リスクスコアの開発−歩行開始時期を組み込んだスコアリングシステム−
*足立 遥香1,2、玄 安季1、辻中 椋1、井戸田 玄1、松浦 道子1、藤本 恵輔1、樋口 由美1 (1. 大阪公立大学大学院 リハビリテーション学研究科、2. 市立池田病院 医療技術部 リハビリテーション科)
キーワード:
入院関連機能障害、歩行開始時期、スコアリングシステム
【はじめに、目的】急性期に入院する高齢患者では、疾患が軽快したにもかかわらず日常生活動作が低下する入院関連機能障害(Hospitalization-Associated Disability:HAD)を約3割に発症する。我々は入院中の歩行開始遅延がHADと関連することを報告するとともに、歩行開始時期を含むHAD予測モデルを構築した。しかし、その知見を臨床で簡便に活用できる評価指標は整備されていない。本研究の目的はHAD予測モデルを基に簡易スコアリングシステムを作成し、その予測性能およびリスク層別化の有用性を検討することである。
【方法】急性疾患により入院した70歳以上の患者300例を対象とした後方視的観察研究である。HADは退院時Barthel Index(BI)が入院前より5点以上低下した場合と定義した。HAD予測モデルで採用された歩行開始時期、入院前BI、認知症および緊急入院を用いてロジスティック回帰分析を行い、HADリスクスコアを作成した。各因子の基準カテゴリを0点とし、回帰係数に基づいて各カテゴリの点数を整数化した。歩行開始時期は4点:歩行遅延、5点:歩行不能、入院前BIは2点:40-79点、3点:80点以上、認知症は2点、緊急入院は1点とし、理論上の総得点は0〜11点であった。ROC曲線により識別能を評価し、総得点に基づき低リスク群(0–4点)、中リスク群(5–7点)、高リスク群(8点以上)に分類した。リスク群とHAD発症率の傾向はCochran-Armitage傾向検定で評価した。
【結果】本研究の対象者におけるHADリスクスコアの総得点は2~11点であった。ROC曲線下面積(AUC)は0.870(95%CI:0.827–0.912)であり、6点以上を最適カットオフとした場合、感度87.1%、特異度79.4%であった。低リスク群157例、中リスク群59例、高リスク群84例に分類され、HAD発症率はそれぞれ5.7%、47.5%、76.2%であった。低リスク群を基準としたHAD発症オッズ比は中リスク群で14.9(95%CI:6.6–36.3)、高リスク群で52.6(95%CI:23.8–129.0)であり、スコア上昇に伴いHAD発症率は有意に増加した(P for trend <0.001)。
【考察】本スコアは入院前ADL、認知症、緊急入院および歩行開始時期を統合した簡便な評価指標であり、良好な識別能を示した。特に歩行開始時期は強い予測因子であったが、他の因子と組み合わせることで歩行指標単独では捉えられない多面的なリスク評価が可能となり、入院早期の介入対象選定に有用である可能性が示唆された。
【結論】入院前BI、緊急入院、認知症および歩行開始時期から構成されるHADリスクスコアを開発した。本スコアは急性期入院患者におけるHADの早期リスク評価およびリスク層別化に有用である可能性が示された。
【倫理的配慮、説明と同意】本研究は大阪公立大学および所属施設の倫理審査委員会の承認(2023-121、3492)を得て実施した。対象者にはオプトアウト方式による情報公開を行い、研究参加拒否の機会を保障した。
【方法】急性疾患により入院した70歳以上の患者300例を対象とした後方視的観察研究である。HADは退院時Barthel Index(BI)が入院前より5点以上低下した場合と定義した。HAD予測モデルで採用された歩行開始時期、入院前BI、認知症および緊急入院を用いてロジスティック回帰分析を行い、HADリスクスコアを作成した。各因子の基準カテゴリを0点とし、回帰係数に基づいて各カテゴリの点数を整数化した。歩行開始時期は4点:歩行遅延、5点:歩行不能、入院前BIは2点:40-79点、3点:80点以上、認知症は2点、緊急入院は1点とし、理論上の総得点は0〜11点であった。ROC曲線により識別能を評価し、総得点に基づき低リスク群(0–4点)、中リスク群(5–7点)、高リスク群(8点以上)に分類した。リスク群とHAD発症率の傾向はCochran-Armitage傾向検定で評価した。
【結果】本研究の対象者におけるHADリスクスコアの総得点は2~11点であった。ROC曲線下面積(AUC)は0.870(95%CI:0.827–0.912)であり、6点以上を最適カットオフとした場合、感度87.1%、特異度79.4%であった。低リスク群157例、中リスク群59例、高リスク群84例に分類され、HAD発症率はそれぞれ5.7%、47.5%、76.2%であった。低リスク群を基準としたHAD発症オッズ比は中リスク群で14.9(95%CI:6.6–36.3)、高リスク群で52.6(95%CI:23.8–129.0)であり、スコア上昇に伴いHAD発症率は有意に増加した(P for trend <0.001)。
【考察】本スコアは入院前ADL、認知症、緊急入院および歩行開始時期を統合した簡便な評価指標であり、良好な識別能を示した。特に歩行開始時期は強い予測因子であったが、他の因子と組み合わせることで歩行指標単独では捉えられない多面的なリスク評価が可能となり、入院早期の介入対象選定に有用である可能性が示唆された。
【結論】入院前BI、緊急入院、認知症および歩行開始時期から構成されるHADリスクスコアを開発した。本スコアは急性期入院患者におけるHADの早期リスク評価およびリスク層別化に有用である可能性が示された。
【倫理的配慮、説明と同意】本研究は大阪公立大学および所属施設の倫理審査委員会の承認(2023-121、3492)を得て実施した。対象者にはオプトアウト方式による情報公開を行い、研究参加拒否の機会を保障した。
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