講演情報
[O12-03]生活支援コーディネーターを担う理学療法士のまちづくり -多様な主体と協働する4年間の実践と成果-
*杉浦 徹1,2、泉 奈美3 (1. 合同会社MARUDOT、2. marudOT、3. 鳥羽市 健康福祉課 地域包括支援センター)
キーワード:
生活支援コーディネーター、まちづくり、介護予防
【はじめに】
生活支援コーディネーター(以下、生活支援Co)は、地域の多様な主体をつなぎ、介護予防の基盤を整えるコーディネート機能を担う。この役割は、理学療法士(以下、PT)の専門性と高い親和性を有するが、PTが生活支援Coとして参画する実践報告は限られる。本報告では、三重県鳥羽市において、PTが第1層生活支援Co(市全域)を担う実践と成果を報告する。
【実践】
鳥羽市は、4つの有人離島を含む地域であり、介護予防の参加機会に地理的な偏在がある。そこで、第1層生活支援Coを担うPTとして、行政・地域包括支援センター(以下、包括)・ショッピングセンター・旅館・カフェ等をつなぐコーディネートを図り、日常生活動作(買い物・更衣・入浴等)に紐づく、自由で、誰がいても不自然ではない介護予防企画「ついでに健康増進!シリーズ」を2023年より展開。包括のPTが運動内容を担う体制を構築し、離島からのリピーターも存在する仕組みを実現した。
【成果】
2026年6月時点で、以下の2企画に延べ543名(実人数120名、平均年齢77.5±7.5歳、参加者満足度96.6%)が参加している。
1)お買い物ついでに健康増進!(全39回)
ショッピングセンターを会場に月1回開催。直近1年の参加者数は平均16名/回で、常連層を中核に増加傾向にある。常連の一部は卒業して、地域の運動グループ立ち上げ・参加へ移行し、新たな参加者を迎えながら継続している。
2)温泉ついでに健康増進!(全5回)
旅館を会場に不定期開催。運動後に温泉へ入浴できる動線をつくることで、参加障壁を下げ、男性の個人参加も促した。旅館社長と館内スイートルーム等を巡るウォーキング企画では、企業と住民の交流も生まれた。
3)公的評価の獲得
本実践は、2025年の厚生労働省主催「第14回健康寿命をのばそう!アワード(介護予防・高齢者生活支援分野:企業部門)」にて、厚生労働省老健局長優良賞を受賞した。
【考察】
地域リハビリテーション(以下、リハ)において、PTは専門職として派遣・介入する役割を担うことが多いが、本実践はその枠外に出ることで、異なる作用を生んだ。PTがコーディネーターとして役割を拡張することで、専門性の作用範囲は個人から地域システム全体へ広がり、PTの専門性が「ひと」だけではなく「まち」に届く経路となる。PTが生活支援Coを担うことは、地域リハの枠組みを拡張する新たな実践モデルとなる。一方、直近2大会の本学会抄録では、PTが生活支援Coを担う実践報告は存在せず、PTが担う実践事例の蓄積は課題といえる。
【結論】
PTが生活支援Coとして、多様な主体をつなぐことで、地域資源を活用した介護予防の持続的実装が可能となった。本実践は、地域理学療法における新たなロールモデルの一つとなる。
【倫理的配慮、説明と同意】
本報告は地域活動の実践内容を整理したものであり、個人が特定される情報は含まれていない。発表に際しては関係機関へ説明を行い、同意を得た。
生活支援コーディネーター(以下、生活支援Co)は、地域の多様な主体をつなぎ、介護予防の基盤を整えるコーディネート機能を担う。この役割は、理学療法士(以下、PT)の専門性と高い親和性を有するが、PTが生活支援Coとして参画する実践報告は限られる。本報告では、三重県鳥羽市において、PTが第1層生活支援Co(市全域)を担う実践と成果を報告する。
【実践】
鳥羽市は、4つの有人離島を含む地域であり、介護予防の参加機会に地理的な偏在がある。そこで、第1層生活支援Coを担うPTとして、行政・地域包括支援センター(以下、包括)・ショッピングセンター・旅館・カフェ等をつなぐコーディネートを図り、日常生活動作(買い物・更衣・入浴等)に紐づく、自由で、誰がいても不自然ではない介護予防企画「ついでに健康増進!シリーズ」を2023年より展開。包括のPTが運動内容を担う体制を構築し、離島からのリピーターも存在する仕組みを実現した。
【成果】
2026年6月時点で、以下の2企画に延べ543名(実人数120名、平均年齢77.5±7.5歳、参加者満足度96.6%)が参加している。
1)お買い物ついでに健康増進!(全39回)
ショッピングセンターを会場に月1回開催。直近1年の参加者数は平均16名/回で、常連層を中核に増加傾向にある。常連の一部は卒業して、地域の運動グループ立ち上げ・参加へ移行し、新たな参加者を迎えながら継続している。
2)温泉ついでに健康増進!(全5回)
旅館を会場に不定期開催。運動後に温泉へ入浴できる動線をつくることで、参加障壁を下げ、男性の個人参加も促した。旅館社長と館内スイートルーム等を巡るウォーキング企画では、企業と住民の交流も生まれた。
3)公的評価の獲得
本実践は、2025年の厚生労働省主催「第14回健康寿命をのばそう!アワード(介護予防・高齢者生活支援分野:企業部門)」にて、厚生労働省老健局長優良賞を受賞した。
【考察】
地域リハビリテーション(以下、リハ)において、PTは専門職として派遣・介入する役割を担うことが多いが、本実践はその枠外に出ることで、異なる作用を生んだ。PTがコーディネーターとして役割を拡張することで、専門性の作用範囲は個人から地域システム全体へ広がり、PTの専門性が「ひと」だけではなく「まち」に届く経路となる。PTが生活支援Coを担うことは、地域リハの枠組みを拡張する新たな実践モデルとなる。一方、直近2大会の本学会抄録では、PTが生活支援Coを担う実践報告は存在せず、PTが担う実践事例の蓄積は課題といえる。
【結論】
PTが生活支援Coとして、多様な主体をつなぐことで、地域資源を活用した介護予防の持続的実装が可能となった。本実践は、地域理学療法における新たなロールモデルの一つとなる。
【倫理的配慮、説明と同意】
本報告は地域活動の実践内容を整理したものであり、個人が特定される情報は含まれていない。発表に際しては関係機関へ説明を行い、同意を得た。
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