講演情報
[P4-10]地域における義足スポーツチーム活動報告の実践
―14年間にわたる活動からみた成果と理学療法士の役割―
*堀田 貴弘1、渡邉 良太2、加藤 弘明3 (1. 介護老人保健施設銀花、2. 愛知淑徳大学健康医療科学部、3. 日下病院・三重北医療センター菰野厚生病院 整形外科)
キーワード:
義足スポーツチーム、医療と地域の連携、ピアサポート
【はじめに】
近年、障がい者スポーツの重要性が指摘されている。下肢切断者の約30%が走行を望んでいる一方で、実際にスポーツ用義足を使用して走るのは3%程度にとどまることが報告されており、希望と実際の活動に乖離がある。また、医療現場から地域スポーツ活動への接続も十分とはいえない。我々は2012年より三重県桑名市を中心に下肢切断者を対象としたスポーツチームを立ち上げ、走行の場づくりに取り組んできた。本報告では14年間の活動の成果と課題を整理し、理学療法士の役割について検討する。
【活動内容】
本活動は2012年に開始し、感染症流行の影響による一時休止を経て継続している。屋外の無料で利用できる陸上競技場で月1回実施し、ストレッチ・筋力トレーニング・歩行練習、走行練習を行っている。走行動作が難しいとされる大腿義足ユーザーを中心に、体験用スポーツ義足を活用し、走行指導の体制を整えた。
【成果や課題】
14年間の活動の中で、下腿義足15名(延べ166名)、大腿義足32名(延べ234名)、股義足5名(延べ50名)、両下腿義足2名(延べ13名)、計54名(延べ463名)の下肢切断者が参加した。活動の継続に伴い認知が広がり、他県からの参加もみられた。希望者全員がスポーツ用義足を体験し、走る経験を得た。参加者の目的は走行技術の獲得に限らず、同じ立場の人とつながることや楽しみ・交流など多様であり、本活動は走る人・走らない人を問わず集える場としてピアサポートの役割を有していた。参加のきっかけは、義足ユーザーの担当義肢装具士・他団体・既参加者等の活動関係者を通じた紹介が50名(93%)、このうち医療機関の理学療法士からの紹介は2名(4%)を占め、他はSNS・ラジオ等のメディア経由の4名(7%)であった。なかには切断から十年単位が経過してはじめて本活動を知り、自ら走ろうと試みながらも実現できなかったが、初回参加当日に走ることができた参加者もみられた。
【結論】
本活動はスポーツ用義足で走る機会の提供に加え、ピアサポートの場として機能し、交流や社会参加を支えている。14年間にわたり、このような場を創出・維持してきたことの意義が示された。一方、先行研究においても理学療法士からの紹介は6%にとどまっており、本活動においても医療から地域活動への接続は不十分であることが示された。理学療法士がこうした地域活動の存在を知り、入院期から地域へつなぐ視点をもち、今後は情報発信を強化していくことが求められる。
【倫理的配慮、説明と同意】
本報告は、既存の活動記録に基づき集計して整理したものであり、倫理審査は不要と判断した。記載にあたっては個人情報の保護に配慮し、個人が特定されないよう十分留意した。
近年、障がい者スポーツの重要性が指摘されている。下肢切断者の約30%が走行を望んでいる一方で、実際にスポーツ用義足を使用して走るのは3%程度にとどまることが報告されており、希望と実際の活動に乖離がある。また、医療現場から地域スポーツ活動への接続も十分とはいえない。我々は2012年より三重県桑名市を中心に下肢切断者を対象としたスポーツチームを立ち上げ、走行の場づくりに取り組んできた。本報告では14年間の活動の成果と課題を整理し、理学療法士の役割について検討する。
【活動内容】
本活動は2012年に開始し、感染症流行の影響による一時休止を経て継続している。屋外の無料で利用できる陸上競技場で月1回実施し、ストレッチ・筋力トレーニング・歩行練習、走行練習を行っている。走行動作が難しいとされる大腿義足ユーザーを中心に、体験用スポーツ義足を活用し、走行指導の体制を整えた。
【成果や課題】
14年間の活動の中で、下腿義足15名(延べ166名)、大腿義足32名(延べ234名)、股義足5名(延べ50名)、両下腿義足2名(延べ13名)、計54名(延べ463名)の下肢切断者が参加した。活動の継続に伴い認知が広がり、他県からの参加もみられた。希望者全員がスポーツ用義足を体験し、走る経験を得た。参加者の目的は走行技術の獲得に限らず、同じ立場の人とつながることや楽しみ・交流など多様であり、本活動は走る人・走らない人を問わず集える場としてピアサポートの役割を有していた。参加のきっかけは、義足ユーザーの担当義肢装具士・他団体・既参加者等の活動関係者を通じた紹介が50名(93%)、このうち医療機関の理学療法士からの紹介は2名(4%)を占め、他はSNS・ラジオ等のメディア経由の4名(7%)であった。なかには切断から十年単位が経過してはじめて本活動を知り、自ら走ろうと試みながらも実現できなかったが、初回参加当日に走ることができた参加者もみられた。
【結論】
本活動はスポーツ用義足で走る機会の提供に加え、ピアサポートの場として機能し、交流や社会参加を支えている。14年間にわたり、このような場を創出・維持してきたことの意義が示された。一方、先行研究においても理学療法士からの紹介は6%にとどまっており、本活動においても医療から地域活動への接続は不十分であることが示された。理学療法士がこうした地域活動の存在を知り、入院期から地域へつなぐ視点をもち、今後は情報発信を強化していくことが求められる。
【倫理的配慮、説明と同意】
本報告は、既存の活動記録に基づき集計して整理したものであり、倫理審査は不要と判断した。記載にあたっては個人情報の保護に配慮し、個人が特定されないよう十分留意した。
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