講演情報
[O9-05]高齢者の集団運動におけるプログラム特性と相互交流・介入者の役割:ナラティブレビュー
*森 優太1,2、石垣 智也1,3、後藤 悠太1,4、横山 広樹1,5、加藤 慶紀1,6、武田 広道1,7、尾川 達也1,4、山本 泰忠1、横濱 集1、渡邊 康介1 (1. 多機関共同研究チームRE HOME、2. 名古屋学院大学 リハビリテーション学部、3. 畿央大学大学院 健康科学研究科、4. 西大和リハビリテーション病院、5. 関西医科大学くずは病院、6. 川口脳神経外科リハビリクリニック、7. 北陸大学)
キーワード:
間接支援、マネジメント、環境調整
【はじめに、目的】
高齢者における集団運動の効果は多くの報告があるが、プログラムの詳細、利用者間の「相互交流」や「介入者の役割」の実態は整理されていない。本研究の目的は、高齢者に対する集団運動の既存文献をナラティブレビューにより概観し、プログラム特性と相互交流・介入者の役割の実態を整理して今後の課題を検討することである。
【方法】
本研究はナラティブレビューである。ナラティブレビューの質評価にはScale for the Assessment of Narrative Review Articles (SANRA)を用いた。論文の取り込み基準は①65歳以上の高齢者、②施設内で2人以上の集団運動実施、③ランダム化比較試験等とした。検索は2つのデータベース(PubMed、医中誌)で行った。最終検索日は2025年1月31日であった。1次および2次スクリーニング、データ抽出は15名の理学療法士が独立して各論文をレビューした。内容に疑義が生じた場合は、コアメンバー6名で協議のうえ、文献の採用・除外を判断した。採択論文におけるデータ抽出項目は、基本情報、対象者特性に加えて集団運動の詳細(運動内容 / 相互交流の有無・内容 /介入者の役割)とした。
【結果】
1次スクリーニングの該当論文2,556件のうちで、最終的な採択件数は82件(総サンプル数, 平均年齢79.4歳, 女性比率75.8%)であり、そのうち本邦の報告は4件に留まっていた。集団運動のプログラム特性は、多要素トレーニングが58件(70.7%)で最も多かった。相互交流については、バディ制などの「明記あり」は23件(28.0%)に留まり、59件(72.0%)は交流内容が明記されていない「集団実施」であった。介入者の役割は、直接支援・監督が61件(74.4%)を占め、動機付けや交流促進などの間接支援は12件(14.6%)であった。
【考察】
多種の運動内容や相互交流、介入者の役割に関する報告がみられた。一方で、多くの研究では運動要素の効果検証が優先され、「集団性」の構造化や記述が不足している実態が浮き彫りとなった。また、相互交流が明記された研究は約3割に留まっていることから、それらを場の偶発性に委ねず、相互交流や支援を図る仕組みの設計に、集団運動の発展可能性があると考えられた。介入者の観点から、直接支援に加え、参加者が主体となる交流を促す「環境調整者」としての役割を並行して担う視点が求められる。
【結論】
高齢者の集団運動において、相互交流の促進や介入者による間接支援に関する詳細な記述や構造化は限定的な実態にあった。今後は、これら「集団性」の設計や臨床実装するための研究を重ね、間接支援のエビデンスと実践を発展させることが期待される。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究はナラティブレビューであり、厚生労働省『人を対象とする医学系研究に関する倫理指針』における倫理審査の対象外だが、研究倫理に十分配慮して実施した。
高齢者における集団運動の効果は多くの報告があるが、プログラムの詳細、利用者間の「相互交流」や「介入者の役割」の実態は整理されていない。本研究の目的は、高齢者に対する集団運動の既存文献をナラティブレビューにより概観し、プログラム特性と相互交流・介入者の役割の実態を整理して今後の課題を検討することである。
【方法】
本研究はナラティブレビューである。ナラティブレビューの質評価にはScale for the Assessment of Narrative Review Articles (SANRA)を用いた。論文の取り込み基準は①65歳以上の高齢者、②施設内で2人以上の集団運動実施、③ランダム化比較試験等とした。検索は2つのデータベース(PubMed、医中誌)で行った。最終検索日は2025年1月31日であった。1次および2次スクリーニング、データ抽出は15名の理学療法士が独立して各論文をレビューした。内容に疑義が生じた場合は、コアメンバー6名で協議のうえ、文献の採用・除外を判断した。採択論文におけるデータ抽出項目は、基本情報、対象者特性に加えて集団運動の詳細(運動内容 / 相互交流の有無・内容 /介入者の役割)とした。
【結果】
1次スクリーニングの該当論文2,556件のうちで、最終的な採択件数は82件(総サンプル数, 平均年齢79.4歳, 女性比率75.8%)であり、そのうち本邦の報告は4件に留まっていた。集団運動のプログラム特性は、多要素トレーニングが58件(70.7%)で最も多かった。相互交流については、バディ制などの「明記あり」は23件(28.0%)に留まり、59件(72.0%)は交流内容が明記されていない「集団実施」であった。介入者の役割は、直接支援・監督が61件(74.4%)を占め、動機付けや交流促進などの間接支援は12件(14.6%)であった。
【考察】
多種の運動内容や相互交流、介入者の役割に関する報告がみられた。一方で、多くの研究では運動要素の効果検証が優先され、「集団性」の構造化や記述が不足している実態が浮き彫りとなった。また、相互交流が明記された研究は約3割に留まっていることから、それらを場の偶発性に委ねず、相互交流や支援を図る仕組みの設計に、集団運動の発展可能性があると考えられた。介入者の観点から、直接支援に加え、参加者が主体となる交流を促す「環境調整者」としての役割を並行して担う視点が求められる。
【結論】
高齢者の集団運動において、相互交流の促進や介入者による間接支援に関する詳細な記述や構造化は限定的な実態にあった。今後は、これら「集団性」の設計や臨床実装するための研究を重ね、間接支援のエビデンスと実践を発展させることが期待される。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究はナラティブレビューであり、厚生労働省『人を対象とする医学系研究に関する倫理指針』における倫理審査の対象外だが、研究倫理に十分配慮して実施した。
コメント
コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン
