講演情報
[O11-05]高齢化が進む大規模住宅団地におけるフレイル予防プログラムの構築と効果検証:産官学連携による実践
*上出 直人1,2、安藤 雅峻1,2、河村 晃依1,2 (1. 北里大学医療衛生学部、2. 北里大学大学院医療系研究科)
キーワード:
フレイル、予防プログラム、産官学連携
【はじめに、目的】高度経済成長期に建設された大規模住宅団地では人口の高齢化が進展しており,高齢住民の健康増進が急務の課題である.今回,高齢化の進む大規模団地にて高齢住民のフレイル予防プログラムを構築し,その効果について検証した結果を報告する.
【方法】対象団地は,神奈川県相模原市にある2526戸の団地で,プログラム開始時点で人口4202人,高齢化率50.3%の団地であった.当該団地にて,団地の管理会社(産),地域包括支援センター(官),大学(学)が協働し,2021年から高齢住民のフレイル予防プログラムを実施した.フレイル予防プログラムとして,団地内の空きスペースを活用し,高齢住民を対象に①フレイルに関する評価と結果のフィードバック,②フレイルに関するミニレクチャー,③簡単な運動指導の3点を実施するフレイルチェック会を月2回実施した.また,フレイルの評価結果に基づいて,公的支援が必要と判断された住民には地域包括支援センターが相談援助を行い,フレイルリスクの低い住民には地域の通いの場への紹介などを行った.効果の検証として,要介護認定がない65歳以上の団地住民全員を対象としたアンケート調査を2021年から2025年まで毎年(全5回)実施し,FRAIL Scaleを用いてフレイルの割合を経時的に評価・分析した.
【結果】2021年9月から2025年12月までの期間で122回のフレイルチェック会を実施し,延べ857人が参加した.アンケート調査では平均401.2±65.8名から有効回答を得た.調査結果から高齢住民におけるフレイル割合の推移を分析した結果,後期高齢者では,2021年27.5%,2022年23.0%,2023年23.7%,2024年19.6%,2025年19.7%と推移し,統計学的有意な経年低下を示した(p for trend = 0.014).また,低下トレンドは,年齢・性別で調整した場合でも有意であり,1年間あたりのフレイル減少オッズは0.89(95%CI:0.81-0.97, p<0.01)であった.一方,前期高齢者では明確な低下傾向は認められなかった.
【考察】本プログラムの実施期間において,後期高齢住民のフレイル割合は有意に減少した.フレイル評価とフィードバック,健康教育,地域資源の活用を組み合わせた包括的な介入が,フレイル割合の低下に寄与した可能性が考えられた.
【結論】高齢化が進む団地において構築・実践した産官学連携型フレイル予防プログラムは,特にフレイルリスクの高い75歳以上の高齢住民のフレイル予防に有用である可能性が示唆された.
【倫理的配慮、説明と同意】本調査に関しては,所属機関の研究倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号2021-026-3).研究内容は調査票とともに説明文書を配布し,調査票の返送をもって同意とすることを文書にて説明した.
【方法】対象団地は,神奈川県相模原市にある2526戸の団地で,プログラム開始時点で人口4202人,高齢化率50.3%の団地であった.当該団地にて,団地の管理会社(産),地域包括支援センター(官),大学(学)が協働し,2021年から高齢住民のフレイル予防プログラムを実施した.フレイル予防プログラムとして,団地内の空きスペースを活用し,高齢住民を対象に①フレイルに関する評価と結果のフィードバック,②フレイルに関するミニレクチャー,③簡単な運動指導の3点を実施するフレイルチェック会を月2回実施した.また,フレイルの評価結果に基づいて,公的支援が必要と判断された住民には地域包括支援センターが相談援助を行い,フレイルリスクの低い住民には地域の通いの場への紹介などを行った.効果の検証として,要介護認定がない65歳以上の団地住民全員を対象としたアンケート調査を2021年から2025年まで毎年(全5回)実施し,FRAIL Scaleを用いてフレイルの割合を経時的に評価・分析した.
【結果】2021年9月から2025年12月までの期間で122回のフレイルチェック会を実施し,延べ857人が参加した.アンケート調査では平均401.2±65.8名から有効回答を得た.調査結果から高齢住民におけるフレイル割合の推移を分析した結果,後期高齢者では,2021年27.5%,2022年23.0%,2023年23.7%,2024年19.6%,2025年19.7%と推移し,統計学的有意な経年低下を示した(p for trend = 0.014).また,低下トレンドは,年齢・性別で調整した場合でも有意であり,1年間あたりのフレイル減少オッズは0.89(95%CI:0.81-0.97, p<0.01)であった.一方,前期高齢者では明確な低下傾向は認められなかった.
【考察】本プログラムの実施期間において,後期高齢住民のフレイル割合は有意に減少した.フレイル評価とフィードバック,健康教育,地域資源の活用を組み合わせた包括的な介入が,フレイル割合の低下に寄与した可能性が考えられた.
【結論】高齢化が進む団地において構築・実践した産官学連携型フレイル予防プログラムは,特にフレイルリスクの高い75歳以上の高齢住民のフレイル予防に有用である可能性が示唆された.
【倫理的配慮、説明と同意】本調査に関しては,所属機関の研究倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号2021-026-3).研究内容は調査票とともに説明文書を配布し,調査票の返送をもって同意とすることを文書にて説明した.
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