講演情報

[P2-04]地域連携事業に参加した理学療法士および作業療法士養成校の学生における社会人基礎力の変化とその要因

*金子 巧1、若菜 翔哉1、長島 裕子1、知名 規人2、西倉 尊1 (1. 新潟リハビリテーション大学 医療学部 リハビリテーション学科 理学療法学専攻、2. 新潟リハビリテーション大学 医療学部 リハビリテーション学科 作業療法学専攻)
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キーワード:

社会人基礎力、地域連携事業、質的評価

【はじめに、目的】社会人基礎力の育成において教育機関は実社会の課題解決につながる体験を学生に提供することが求められている。理学・作業療法士養成校に在籍する学生において、正課外活動への参加が社会人基礎力を向上させる可能性が示唆されている。しかし、これまでの報告は量的評価に留まっていた。本研究の目的は、養成校の学生が正課外活動として開催されている地域連携事業に参加することで社会人基礎力がどのように変化するかを量的および質的側面から明らかにすることである。
【方法】対象はA大学に在籍し2つの地域連携事業(健康づくり活動研修会、転倒予防教室)のいずれかに参加した理学・作業療法学専攻の学生51名とした。学生はこれらの事業内で地域在住高齢者に対する身体測定を担当し、参加前後で独自のアンケートを用いて社会人基礎力(12要素)について4段階(1~4点)で自己評価を実施し、その理由の質的な記載も求めた。社会人基礎力は3つの能力要素ごとに点数を算出した。統計解析には改変Rコマンダー(ver. 4.5.0)を使用し、参加前後における点数の差を検定するためにWilcoxonの検定を実施した。有意水準はp<0.05とした。また、質的な記載が参加前後で揃っていた29名の結果をテキストマイニングソフト(KH Coder, Version3.03a official-package)用いて頻出語の抽出を実施した。
【結果】事業への参加前後を比較した結果、参加後において社会人基礎力の自己評価合計点数が有意に高かった(36 vs. 42, p<0.01)。また、社会人基礎力を構成するすべての能力要素において、参加後の点数が有意に高かった(p<0.01)。質的分析では、参加前は「意識」「ルール」「目標」「グループ」など、活動の枠組みや内面的な課題に関する語が特徴的であった。一方、参加後は「測定」「説明」「話す」「対応」など、具体的な実践行動や対象者とのコミュニケーションを示す語が抽出された。
【考察】地域連携事業へ参加した学生は社会人基礎力の自己評価が有意に高かった。質的分析から、参加前には活動に対する内面的な意識やルールに目が向いていたが、実社会での体験を通じて、「測定」「説明」といった他者への具体的な働きかけや積極的なコミュニケーションを実践するようになったことが示された。大学内の学びにとどまらず、実際の現場といった外部環境と直接的なやり取りを経験したことが、学生の主体的な行動を引き出し、社会人基礎力という汎用的な能力の成長に大きくつながったと考えられる。
【結論】理学・作業療法士養成校の学生が地域連携事業のような正課外活動に参加することは、社会人基礎力の向上に有用である可能性が量的および質的な側面から示唆された。
【倫理的配慮、説明と同意】本研究は筆頭演者が所属する施設の倫理委員会にて承認を受けた(承認番 号:255)。対象者には口頭および文書で説明を行い、書面による同意を得て実施した。

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