講演情報

[O3-05]CBAを用いた予後予測に基づく段階的目標設定がADL拡大と心理的安定に与えた影響

*伊藤 真哉1 (1. みんなのかかりつけ訪問看護ステーション有松)
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キーワード:

CBA(Cognitive-related Behavioral Assessment)、目標設定、訪問リハビリテーション

【目的】在宅生活におけるリハビリでは、身体の改善のみならず、本人の希望する生活の実現や介護者支援を含めた包括的な介入が求められる。CBA(Cognitive-related Behavioral Assessment)は認知機能を生活場面での行動特性として評価し。残存能力を活かした支援方略の立案に有用である。CBAを用いた予後予測に基づく段階的目標設定により、ADLの拡大に加え、本人および介護者の心理面に良好な変化が認められた症例を報告する。【症例紹介】70歳代男性。妻と二人暮らし。2025年1月に階段から転落し、腰椎圧迫骨折を受傷した。入院は希望されず、同年5月より訪問リハビリを開始した。当初は疼痛および活動量低下に伴う筋力低下を認め、生活範囲はベッド周囲に限定されていた。役割喪失感や将来への不安が強く、妻に対する攻撃的な言動がみられた。主介護者である妻は就労をしており、介護負担の増大と夫婦関係の悪化が在宅生活継続の阻害因子となっていた。【介入内容・結果】介入初期にCBAを実施し、23点で軽度に分類され、指示理解や病識は保たれていると判断した。そこで本人の希望である「自分でタバコを買いに行きたい」を基に長期目標を設定し、本人および妻と共有した。リハビリでは基本動作練習、下肢・体幹筋力強化練習、歩行練習を実施した。また、状態の変化に応じて2週間ごとに短期目標を設定し、その達成状況を本人・妻と共有した。併せて自主練習指導や福祉用具の選定を行い、生活範囲の拡大を支援した。その結果基本動作能力および歩行能力が向上し、ADLは拡大した。最終的に歩行器を使用して近隣のコンビニへタバコを買いに行くという長期目標を達成した。本人は回復過程を具体的にイメージできるようになり、不安の軽減が認められた。妻からは「リハビリを始めてから穏やかになった」との発言が聞かれ、攻撃的な言動は減少した。さらに介護負担の軽減や夫婦関係の改善がみられた。【考察】本症例では、CBAにより本人の目標達成に向けた能力が保たれていることを把握し、具体的かつ達成可能な目標設定が可能となった。受傷後の活動制限や予後への不安は心理的負担を増大させ、攻撃的な言動として表出していた可能性が考えられる。予後予測に基づく目標を本人および妻と共有したことで、回復の見通しを持つことができ、安心感の獲得に繋がったと考えられる。段階的な目標設定の積み重ねは自己効力感の向上を促し、ADLの向上だけでなく心理的安定にも寄与した可能性がある。本人の精神的安定は妻の介護負担や心理的負担の軽減に繋がり、夫婦関係の改善にも影響したことが示唆された。以上より、CBAを活用した予後予測と目標共有は、ADL向上のみならず利用者および介護者の心理的支援を含めた生活再建に有用である可能性が示唆された。【倫理的配慮】本症例報告は目的、内容および個人情報保護について説明し、本人および家族から同意を得て実施した。

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