講演情報

[O9-02]集団リハビリテーションにおけるピアサポートが身体活動量の維持に寄与したパーキンソン病患者の1例

*加藤 慶紀1、横山 広樹2、平田 康介1、寺岡 優希1、石垣 智也1,3、壹岐 伸弥1、知花 朝恒1、川口 琢也1 (1. 川口脳神経外科リハビリクリニック、2. 関西医科大学くずは病院、3. 畿央大学大学院 健康科学研究科)
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キーワード:

パーキンソン病、ピアサポート、通所リハビリテーション

【はじめに】
パーキンソン病(PD)患者では、症状進行の抑制や生活機能の維持のため、継続的な身体活動が重要となる。一方、症状進行や健康状態の悪化に伴う活動意欲の低下により、身体活動量が低下することがある。近年、PD患者に対するピアサポート(PS)は、経験の共有や励まし合いを通じて活動への動機づけを高め、運動を含む身体活動の継続に寄与するとされるが、リハビリテーション(リハ)領域における具体的な報告は少ない。本報告の目的は、集団リハに参加したPD患者の長期経過から、身体活動量に対するPSの役割を考察することである。
【事例紹介】
事例は通所リハを利用する70歳代男性のPD患者であり、Hoehn & Yahr(H&Y) stageは3であった。事例はPD患者5名で構成される集団リハ(男性2名、年齢の中央値77.0歳[範囲71–88 ]、H&Y stage中央値2[範囲1–3])に参加していた。PSの評価にはPS機能評価尺度(PS機能)を用い、初回評価は合計39/60点(サポート提供 20/30点、情緒的サポート受容 13/18点、情報的サポート受容 6/12点[高値ほど良好])であった。集団リハでは、他者へ積極的に声をかけ、相互交流を促す場面がみられた。身体活動の評価には身体活動量計(Active style Pro HJA-750C、オムロンヘルスケア社)を用い、1.6~2.9 METsの軽強度活動時間は148分/日であった。
【介入内容と結果】
集団リハは1回60分、週1回の頻度で19ヶ月間継続した。内容は集団体操、マシントレーニングと運動が中心であった。療法士はPS機能の評価結果を基に、集団内での役割に配慮した座席設定や声かけを行い、参加者同士の交流や経験共有を促した。事例は他者に対して、自身の症状への対処や運動方法の共有を継続した。開始9ヶ月後には転倒により鎖骨骨折を受傷し、医師の指示により3ヶ月間リハを中止した。受傷後は趣味活動への参加が制限されたが、散歩や自主練習などの身体活動は継続していた。開始19ヶ月後の再評価では、PS機能は合計45点に向上し、特にサポート提供の向上(24点)が特徴的であった。軽強度活動は140分/日であり、著明な低下は認めなかった。また、「他の誰かの喜びのために役に立ちたい」「良い成果をみんなで分かち合いたい」と集団内の相互利益に関する発言があった。
【考察】
リハを一時中断したものの、PS機能のうちサポート提供が向上し、軽強度活動時間は維持されていた。本事例では、「誰かの役に立ちたい」という利他的なPSが活動への動機づけを支え、身体活動量の維持に寄与した可能性がある。集団リハでPSを活用するためには、参加者間の相互支援を促す支援方略の体系化が求められる。
【倫理的配慮】
本報告にあたり、個人情報の保護とプライバシーに配慮し、十分な説明のうえ、口頭および書面で同意を得た。

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