講演情報
[P6-04]軸索型ギラン・バレー症候群における生活行為を利用したADL改善に関する報告
*増田 裕里1、中田 亜珠沙1、原 ゆかり1、加藤 友香1、椿野 由佳1、大平 敬子1 (1. 介護老人保健施設ウエルハウス協和 リハビリテーション科)
キーワード:
ギラン・バレー症候群、生活行為、手指機能
【はじめに、目的】
軸索型ギラン・バレー症候群(以下、GBS)は重度の運動障害や易疲労性を呈し、回復期リハビリテーション病棟を退院後もADL低下が遷延する場合がある。しかし、生活期リハビリテーションでは介入時間が限られ生活行為そのものを活用した機能改善が重要と考えられる。今回、維持期の軸索型GBS症例に対し、易疲労性に配慮しながら食事動作を利用した上肢・手指使用機会拡大を図り、ADL改善を認めたためここに報告する。
【症例紹介、評価結果と問題点】
症例紹介:70歳代女性、病前ADLは全て自立。X日下痢症状あり、X+16日体動困難となり救急搬送、その後人工呼吸器、気管切開による呼吸管理を実施。X+28日人工呼吸器離脱、X+110日ゼリー食開始、その後気切カニューレ抜去、EDチューブ抜去し、X+226日ミキサー食から軟菜食へ変更。X+235日当施設へ入所。
評価:両肩および手関節、手指、足関節の全方向に著明な制限あり。手指機能は母指掌側/橈側外転及び第2〜5指MP/PIP/DIPともに屈曲/伸展/外転ほぼ可動性認めず。僅かに側腹つまみ可能。Medical Research Council Scoreは44/60点。移動や食事動作は全介助、トイレ動作は下衣操作と清拭に介助を要し、バーセルインデックス(以下、BI)は25/100点であった。加えて低栄養、易疲労性、嚥下障害を認めた。
問題点:ADL改善においては介入時間の制限、低栄養による廃用進行に加え、易疲労性による増悪リスクが問題点として挙げられた。
【介入内容と結果】
理学療法は主に手指関節の可動域練習や神経筋再教育を中心に実施した。また、疲労状態を評価しながら理学療法内容、活動内容、栄養管理を適宜変更し、手指機能や食形態の改善に合わせて食事の自己摂取を早期より導入し、生活行為での反復的な上肢・手指使用を促進した。食事動作などの生活行為を機能練習として活用することで日常的な上肢使用量増加を図った結果、手指機能の可動域制限や筋力低下は残存しているが3点つまみが可能となった。移動や食事動作、トイレ動作は修正自立となり、BIは70/100点へ改善を認めた。
【考察】
本症例では、疲労管理により増悪を回避しながら継続的なADL改善が可能であった。また、低栄養に配慮し活動強度が低くかつ導入が行いやすい食事動作などから上肢・手指使用量増加を図ったことが、ADL改善に繋がった可能性が考えられた。さらに、食事の自己摂取を早期に導入し手指使用量増加の内発的な動機付けが継続して行えたことで、退所後の移動および排泄動作自立に向けた機能改善の基盤形成に寄与した可能性が示唆された。
【倫理的配慮、説明と同意】
本症例および家族に対して、自由意志に基づくインフォームド・コンセントを実施し書面にて本報告における個人情報の取り扱いおよび発表について理解および同意を得た。
軸索型ギラン・バレー症候群(以下、GBS)は重度の運動障害や易疲労性を呈し、回復期リハビリテーション病棟を退院後もADL低下が遷延する場合がある。しかし、生活期リハビリテーションでは介入時間が限られ生活行為そのものを活用した機能改善が重要と考えられる。今回、維持期の軸索型GBS症例に対し、易疲労性に配慮しながら食事動作を利用した上肢・手指使用機会拡大を図り、ADL改善を認めたためここに報告する。
【症例紹介、評価結果と問題点】
症例紹介:70歳代女性、病前ADLは全て自立。X日下痢症状あり、X+16日体動困難となり救急搬送、その後人工呼吸器、気管切開による呼吸管理を実施。X+28日人工呼吸器離脱、X+110日ゼリー食開始、その後気切カニューレ抜去、EDチューブ抜去し、X+226日ミキサー食から軟菜食へ変更。X+235日当施設へ入所。
評価:両肩および手関節、手指、足関節の全方向に著明な制限あり。手指機能は母指掌側/橈側外転及び第2〜5指MP/PIP/DIPともに屈曲/伸展/外転ほぼ可動性認めず。僅かに側腹つまみ可能。Medical Research Council Scoreは44/60点。移動や食事動作は全介助、トイレ動作は下衣操作と清拭に介助を要し、バーセルインデックス(以下、BI)は25/100点であった。加えて低栄養、易疲労性、嚥下障害を認めた。
問題点:ADL改善においては介入時間の制限、低栄養による廃用進行に加え、易疲労性による増悪リスクが問題点として挙げられた。
【介入内容と結果】
理学療法は主に手指関節の可動域練習や神経筋再教育を中心に実施した。また、疲労状態を評価しながら理学療法内容、活動内容、栄養管理を適宜変更し、手指機能や食形態の改善に合わせて食事の自己摂取を早期より導入し、生活行為での反復的な上肢・手指使用を促進した。食事動作などの生活行為を機能練習として活用することで日常的な上肢使用量増加を図った結果、手指機能の可動域制限や筋力低下は残存しているが3点つまみが可能となった。移動や食事動作、トイレ動作は修正自立となり、BIは70/100点へ改善を認めた。
【考察】
本症例では、疲労管理により増悪を回避しながら継続的なADL改善が可能であった。また、低栄養に配慮し活動強度が低くかつ導入が行いやすい食事動作などから上肢・手指使用量増加を図ったことが、ADL改善に繋がった可能性が考えられた。さらに、食事の自己摂取を早期に導入し手指使用量増加の内発的な動機付けが継続して行えたことで、退所後の移動および排泄動作自立に向けた機能改善の基盤形成に寄与した可能性が示唆された。
【倫理的配慮、説明と同意】
本症例および家族に対して、自由意志に基づくインフォームド・コンセントを実施し書面にて本報告における個人情報の取り扱いおよび発表について理解および同意を得た。
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