講演情報
[P15-07]短時間通所リハ利用者の運動習慣定着とバス旅実現:行動変容ステージに応じた支援の介入報告
*三笘 雅史1、川門 奈名恵1 (1. 大浜第二病院 リハビリテーション科)
キーワード:
行動変容、通所リハビリ、運動の習慣化
【はじめに、目的】
不活動な高齢者は運動の必要性を自覚しつつも、方法への困惑や自己効力感の低下から定着に難渋しやすい。今回、運動の開始や継続を阻む心理的・環境的要因に着目し、短時間通所リハビリテーション(以下、通所リハ)利用者へ行動変容ステージモデルに応じた段階的な支援や小目標設定、成功体験の積み重ねを取り入れた介入を行った。結果、主体的運動習慣の定着と生活空間の拡大を経て、長期目標である「バス旅」の実現に至った症例を報告する。
【症例紹介】
軽費老人ホーム入所中の80代女性、要支援1。既往は両変形性膝関節症、右変形性肩関節症。移動は1本杖自立だが歩行は緩慢で、生活範囲はホーム内に留まっていた。近隣に知人がおらず、膝肩の関節痛と閉じこもりによる生活空間の狭小化と歩行への不安を訴え通所リハを開始。初期評価は、Timed Up & Goテスト(以下、TUG)17.1秒、Short Physical Performance Battery(以下、SPPB)5点、Life-Space Assessment(以下、LSA)31点、膝肩の疼痛Numerical Rating Scale(以下、NRS)4〜5点。短期目標は「膝肩痛の軽減」、長期目標は「バス旅の実現」とした。
【介入内容と結果】
週1回の通所リハを実施。介入当初の「関心期」は、他者の成功体験提示やバス旅実現に繋がるイメージ共有した。1ヶ月目の「準備期」には、疼痛軽減に向け居室環境を多職種協働で調整し、自主トレ資料の作成と小目標設定をすることで運動の定着を図った。また、バスのステップ昇降練習や屋外歩行など、目標に直結する実動作練習を行った。さらに自主トレ場所を共有スペースへ移行し、他入居者や職員から応援される環境を整え意欲向上と交流増加を認めた。5ヶ月目に初のバス旅が実現。事後に成果と課題を言語化させたことで課題と目標が明確となり「維持期」へ移行した。その後、自ら階段昇降練習やスマートウォッチによる歩数管理など主体的に運動に取り組むことが定着。10ヶ月目の評価ではTUG 12.8秒、SPPB 10点、LSA 69点、NRS 1〜2点となり、身体機能向上、疼痛緩和、生活空間の拡大を認めた。12ヶ月目現在、さらなる活動性向上に向けて次のバス旅を計画中である。
【考察】
本症例は疼痛や歩行への不安から自己効力感の低下があったが、生活導線に組み込んだ小目標設定と具体的動作練習により成功体験を積み重ねたことで自主トレおよび主体的運動が定着した。膝肩の疼痛(NRS)が4~5点から1~2点に軽減、身体能力(SPPB)が5点から10点に向上、生活空間(LSA)が31点から69点と向上を認めた。また、本人の希望である「バス旅」に焦点を当てた段階的介入とバス旅後の経験を言語化することで目標が明確となり、自己効力感の向上、生活範囲の拡大、運動の習慣化に繋がったと考える。
【倫理的配慮、説明と同意】
対象者に本報告の趣旨を書面にて十分に説明し、同意を得た。
不活動な高齢者は運動の必要性を自覚しつつも、方法への困惑や自己効力感の低下から定着に難渋しやすい。今回、運動の開始や継続を阻む心理的・環境的要因に着目し、短時間通所リハビリテーション(以下、通所リハ)利用者へ行動変容ステージモデルに応じた段階的な支援や小目標設定、成功体験の積み重ねを取り入れた介入を行った。結果、主体的運動習慣の定着と生活空間の拡大を経て、長期目標である「バス旅」の実現に至った症例を報告する。
【症例紹介】
軽費老人ホーム入所中の80代女性、要支援1。既往は両変形性膝関節症、右変形性肩関節症。移動は1本杖自立だが歩行は緩慢で、生活範囲はホーム内に留まっていた。近隣に知人がおらず、膝肩の関節痛と閉じこもりによる生活空間の狭小化と歩行への不安を訴え通所リハを開始。初期評価は、Timed Up & Goテスト(以下、TUG)17.1秒、Short Physical Performance Battery(以下、SPPB)5点、Life-Space Assessment(以下、LSA)31点、膝肩の疼痛Numerical Rating Scale(以下、NRS)4〜5点。短期目標は「膝肩痛の軽減」、長期目標は「バス旅の実現」とした。
【介入内容と結果】
週1回の通所リハを実施。介入当初の「関心期」は、他者の成功体験提示やバス旅実現に繋がるイメージ共有した。1ヶ月目の「準備期」には、疼痛軽減に向け居室環境を多職種協働で調整し、自主トレ資料の作成と小目標設定をすることで運動の定着を図った。また、バスのステップ昇降練習や屋外歩行など、目標に直結する実動作練習を行った。さらに自主トレ場所を共有スペースへ移行し、他入居者や職員から応援される環境を整え意欲向上と交流増加を認めた。5ヶ月目に初のバス旅が実現。事後に成果と課題を言語化させたことで課題と目標が明確となり「維持期」へ移行した。その後、自ら階段昇降練習やスマートウォッチによる歩数管理など主体的に運動に取り組むことが定着。10ヶ月目の評価ではTUG 12.8秒、SPPB 10点、LSA 69点、NRS 1〜2点となり、身体機能向上、疼痛緩和、生活空間の拡大を認めた。12ヶ月目現在、さらなる活動性向上に向けて次のバス旅を計画中である。
【考察】
本症例は疼痛や歩行への不安から自己効力感の低下があったが、生活導線に組み込んだ小目標設定と具体的動作練習により成功体験を積み重ねたことで自主トレおよび主体的運動が定着した。膝肩の疼痛(NRS)が4~5点から1~2点に軽減、身体能力(SPPB)が5点から10点に向上、生活空間(LSA)が31点から69点と向上を認めた。また、本人の希望である「バス旅」に焦点を当てた段階的介入とバス旅後の経験を言語化することで目標が明確となり、自己効力感の向上、生活範囲の拡大、運動の習慣化に繋がったと考える。
【倫理的配慮、説明と同意】
対象者に本報告の趣旨を書面にて十分に説明し、同意を得た。
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