講演情報

[P2-05]理学療法士養成校における地域人材供給機能の変化―22年間の就職動向から―

*西井 琢馬1 (1. 多摩リハビリテーション学院専門学校 理学療法学科)
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キーワード:

地域人材供給、理学療法士養成教育、地域貢献

【はじめに、目的】
理学療法士養成校には国家試験合格者の養成だけでなく、地域社会へ継続的に専門職人材を供給する役割が求められている。本校は「地域の医療福祉に貢献する人材の育成」を建学の精神として掲げ、地域に根差した理学療法士の養成に取り組んできた。本研究の目的は、本校卒業生の就職先の経年変化を分析し、地域人材供給機能の実態とその変化を明らかにすることである。
【方法】
対象は2004~2025年度に本校理学療法学科を卒業した711名とした。卒業台帳および就職記録を用いて初回就職先を調査した。就職地は多摩地域、埼玉西部地域、その他地域に分類し、多摩地域および埼玉西部地域を法人圏内として集計した。法人圏内就職率の経年変化を検討するため、卒業年度と法人圏内就職率との関連をPearsonの積率相関係数により分析した。また、2004~2014年度を前期群、2015~2025年度を後期群として法人圏内就職割合をχ²検定により比較した。
【結果】
対象711名のうち、多摩地域への就職は345名(48.5%)、埼玉西部地域131名(18.4%)、その他地域235名(33.1%)であった。法人圏内就職者は476名(67.1%)であった。法人圏内就職率は2004年度45.9%から2025年度88.2%へ上昇した。卒業年度と法人圏内就職率との間には有意な正の相関を認めた(r=0.61,95%信頼区間:0.25–0.82,p=0.003)。また、前期群の法人圏内就職率は58.0%(214/369名)、後期群は76.6%(262/342名)であり、後期群で有意に高かった(χ²(1)=26.9,p<0.001)。
【考察】
本校卒業生の約7割が法人圏内へ就職しており、「地域の医療福祉に貢献する人材の育成」という建学の精神に沿った人材供給が行われていることが示された。また、卒業年度と法人圏内就職率との間に中等度の正の相関が認められ、さらに、前期群と比較して後期群で地域定着率が有意に高かったことから、近年になるほど地域定着率が向上していることが明らかとなった。養成校が地域へ専門職人材を継続的に供給することは、地域包括ケアシステムを支える人的基盤の維持・強化に重要であると考えられる。しかし、本研究は単一養成校を対象とした後方視的調査であり、就職先選択に影響する個人要因や社会情勢については検討できていない。
【結論】
本校卒業生の法人圏内就職率は近年になるほど地域定着率は向上していた。理学療法士養成校は地域医療・福祉を支える人材供給機関として重要な役割を担っており、地域との連携を基盤とした教育は地域人材確保に寄与する可能性が示唆された。【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は筆頭演者が所属する施設の研究倫理審査委員会にて承認を受けた(承認番号2025-3)。

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