講演情報
[P6-05]施設入居高齢者における集団活動参加頻度と下腿周囲長の縦断的変化
*岡本 彬1、荒牧 康子1、浦本 秀志2、土井 篤3 (1. にしくまもと病院 サービス付き高齢者向け住宅(特定施設)ホスピタウンハウス、2. にしくまもと病院 呼吸器内科、3. (株)レクタス 訪問看護ステーション ラピレス)
キーワード:
施設入居高齢者、下腿周囲長、レクリエーション
【目的】
施設入居高齢者は身体機能低下やサルコペニア有病率の高さが報告されており、その身体機能低下予防には、施設入居高齢者が積極的に施設内活動へ参加することが特に重要だと考えられる。しかしながら、施設内での集団活動参加状況と身体機能変化との関連を検討した報告は少ない。それ故、本研究の目的は、施設入居高齢者における集団体操およびレクリエーション(レク)参加状況と身体機能指標との関連を明らかにすることとした。
【対象と方法】
対象は、2024年7月〜2026年3月に当施設へ入居し、下腿周囲長、握力、5回椅子立ち上がりテストを月1回評価した高齢者47名のうち、データ欠損を除外した44名(88.23 ± 5.46歳)とした。対象を集団体操およびレクそれぞれにおいて高参加群と低・中参加群の2群に分け、まず年齢、性別、要介護度、観察期間、サルコペニア疑いの有無を2群間で比較した。さらに、下腿周囲長、握力、5回椅子立ち上がりテストの初回値と最終値の差を変化量として算出し、2群間比較を行った。統計解析にはMann–Whitney U検定、χ²検定及び群間差の大きさを評価するために効果量(Cohen’s d)を算出した。有意水準は5%未満とし、統計学的解析にはEZRを使用した。尚、高参加群は「ほぼ毎回参加」、低・中参加群は「ほとんど参加しないレベルから月2〜3回程度参加」と定義した。
【結果】
背景比較では、集団体操高参加群に女性が有意に多かった(p<0.05)。また、要介護度はレク高参加群(1.41 ± 1.29)が低・中参加群(2.30 ± 1.41)と比較して有意に低かった(p=0.05)。なお、レク高参加群の観察期間は14.76 ± 6.34か月、低・中参加群は11.70 ± 6.95か月であり、群間差は認めなかった(p=0.235)。サルコペニア疑いは44名中40名に認められた。下腿周囲長変化量の比較では、レク高参加群(-0.29 ± 1.47 cm)が、低・中参加群(-1.02 ± 2.35 cm)と比較して低下量の小さい傾向(p=0.09)と中等度の効果(d=0.47)を認めた。一方、握力変化量では2群間に明らかな差を認めなかった。5回椅子立ち上がりテストについては、実施可能であった対象者が4名と少数であったため統計学的解析は実施しなかった。
【考察】
下腿周囲長は、施設でも簡便に測定可能であり、筋量のみならず身体機能とも関連するサルコペニア評価指標である。本研究では、レク高参加群で下腿周囲長の低下が小さい傾向を認めたことから、継続的なレク参加が筋量や身体機能低下の抑制に寄与した可能性がある。しかしながら、レク高参加群はレク低・中参加群と比較して介入前の要介護度が低く、その影響は否定できない。今後は背景因子を考慮し、下腿周囲長とADL・身体機能との関連について検討する必要がある。
【まとめ】
施設入居高齢者において、集団活動への参加頻度が高い者では下腿周囲長低下が小さい傾向を認めた。
【倫理的配慮、説明と同意】
当院倫理委員会の承認を得て実施した。
施設入居高齢者は身体機能低下やサルコペニア有病率の高さが報告されており、その身体機能低下予防には、施設入居高齢者が積極的に施設内活動へ参加することが特に重要だと考えられる。しかしながら、施設内での集団活動参加状況と身体機能変化との関連を検討した報告は少ない。それ故、本研究の目的は、施設入居高齢者における集団体操およびレクリエーション(レク)参加状況と身体機能指標との関連を明らかにすることとした。
【対象と方法】
対象は、2024年7月〜2026年3月に当施設へ入居し、下腿周囲長、握力、5回椅子立ち上がりテストを月1回評価した高齢者47名のうち、データ欠損を除外した44名(88.23 ± 5.46歳)とした。対象を集団体操およびレクそれぞれにおいて高参加群と低・中参加群の2群に分け、まず年齢、性別、要介護度、観察期間、サルコペニア疑いの有無を2群間で比較した。さらに、下腿周囲長、握力、5回椅子立ち上がりテストの初回値と最終値の差を変化量として算出し、2群間比較を行った。統計解析にはMann–Whitney U検定、χ²検定及び群間差の大きさを評価するために効果量(Cohen’s d)を算出した。有意水準は5%未満とし、統計学的解析にはEZRを使用した。尚、高参加群は「ほぼ毎回参加」、低・中参加群は「ほとんど参加しないレベルから月2〜3回程度参加」と定義した。
【結果】
背景比較では、集団体操高参加群に女性が有意に多かった(p<0.05)。また、要介護度はレク高参加群(1.41 ± 1.29)が低・中参加群(2.30 ± 1.41)と比較して有意に低かった(p=0.05)。なお、レク高参加群の観察期間は14.76 ± 6.34か月、低・中参加群は11.70 ± 6.95か月であり、群間差は認めなかった(p=0.235)。サルコペニア疑いは44名中40名に認められた。下腿周囲長変化量の比較では、レク高参加群(-0.29 ± 1.47 cm)が、低・中参加群(-1.02 ± 2.35 cm)と比較して低下量の小さい傾向(p=0.09)と中等度の効果(d=0.47)を認めた。一方、握力変化量では2群間に明らかな差を認めなかった。5回椅子立ち上がりテストについては、実施可能であった対象者が4名と少数であったため統計学的解析は実施しなかった。
【考察】
下腿周囲長は、施設でも簡便に測定可能であり、筋量のみならず身体機能とも関連するサルコペニア評価指標である。本研究では、レク高参加群で下腿周囲長の低下が小さい傾向を認めたことから、継続的なレク参加が筋量や身体機能低下の抑制に寄与した可能性がある。しかしながら、レク高参加群はレク低・中参加群と比較して介入前の要介護度が低く、その影響は否定できない。今後は背景因子を考慮し、下腿周囲長とADL・身体機能との関連について検討する必要がある。
【まとめ】
施設入居高齢者において、集団活動への参加頻度が高い者では下腿周囲長低下が小さい傾向を認めた。
【倫理的配慮、説明と同意】
当院倫理委員会の承認を得て実施した。
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