講演情報
[P10-07]通いの場開始時評価を用いた6か月後改善者の層別化モデルの検討
*澤入 彩佳1,6、阿部 高家1,6、久保田 圭祐2、島野 優3,6、那須 高志4,6、上田 寛人1,6、濱口 豊太2、古澤 浩生5,6、天草 弥生1 (1. リハビリテーション天草病院 リハビリ部、2. 埼玉県立大学 研究開発センター、3. 埼友クリニック、4. 越谷誠和病院 リハビリテーション科、5. リハビリテーション天草病院 リハ事業推進部、6. 越谷市リハビリテーション連絡協議会)
キーワード:
通いの場、介護予防、改善率
【はじめに】
通いの場は地域在住高齢者に対する介護予防の重要な取り組みである。越谷市の通いの場を対象とした先行研究では、6か月後の基本チェックリスト(KCL)実測値が開始時のTimed Up and Go test(TUG)および開始時KCLから予測可能であることが示されている。一方、開始時点で改善しやすい対象を把握できれば、支援の優先順位づけや個別化に有用である。本研究では、開始時の年齢、性別、TUG、片脚立位(SLS)、30-sec chair stand test(CS-30)、Life-Space Assessment(LSA)、KCL総合点および領域別得点を用いて、6か月後改善者の識別を通じた改善可能性の層別化を検討した。
【方法】
開始時および6か月後の評価が利用可能な参加者を対象とした後ろ向き予測研究とした。評価項目は6か月後KCL総合点が開始時より低下した場合をKCL改善、CS-30は増加した場合をCS-30改善、その両者が改善した場合を複合改善とした。説明変数として年齢、性別、TUG、SLS平均値、CS-30、LSA総得点、KCL総合点を用いた総合モデルと、KCL各領域得点を用いた領域別モデルを構築した。ロジスティック回帰分析およびROC解析を行い、識別能はAUCで評価した。さらに各因子のオッズ比を算出し、予測確率を3分位に分類して各群の改善率を算出した。
【結果】
解析対象は551例であった。KCL改善の識別能は総合モデルでAUC0.687、領域別モデルでAUC0.695であった。CS-30改善および複合改善の識別能は、総合モデルでそれぞれAUC0.619および0.610、領域別モデルで0.639および0.620であった。KCL改善の有意因子は、総合モデルでは開始時KCL総合点高値、領域別モデルではADLおよび運動機能領域高値であった。予測確率3群における実際の改善率はLow群9.2%、Middle群18.6%、High群35.3%であった。
【考察】
ADLおよび運動機能領域高値が改善しやすさと関連したことは、通いの場で提供される運動・交流活動との適合性を反映するとともに、領域別情報が予測に有用である可能性が示された。一方で、AUCは0.7未満であり識別能は限定的であった。しかし、High群はLow群の約3.8倍の改善率を示したことから、開始時評価は個人の改善を高精度に予測する指標というより、改善可能性の層別化に有用である可能性が示された。また、CS-30改善および複合改善に対する識別能は低く、改善予測には限界がある可能性が示された。
【結論】
開始時の運動機能、生活空間およびKCL情報を用いた6か月後改善予測モデルでは、KCL改善に対して中等度の識別能が示された。したがって、本モデルは改善可能性の層別化を通じて、通いの場における支援対象の優先順位づけに有用である可能性が示された。
【倫理的配慮、説明と同意】
所属施設の倫理審査委員会の承認を得て実施した(承認番号:25101)。対象者には研究目的、方法、自由意思による参加、拒否による不利益がないこと、および個人情報保護について説明し、書面同意を得た。
通いの場は地域在住高齢者に対する介護予防の重要な取り組みである。越谷市の通いの場を対象とした先行研究では、6か月後の基本チェックリスト(KCL)実測値が開始時のTimed Up and Go test(TUG)および開始時KCLから予測可能であることが示されている。一方、開始時点で改善しやすい対象を把握できれば、支援の優先順位づけや個別化に有用である。本研究では、開始時の年齢、性別、TUG、片脚立位(SLS)、30-sec chair stand test(CS-30)、Life-Space Assessment(LSA)、KCL総合点および領域別得点を用いて、6か月後改善者の識別を通じた改善可能性の層別化を検討した。
【方法】
開始時および6か月後の評価が利用可能な参加者を対象とした後ろ向き予測研究とした。評価項目は6か月後KCL総合点が開始時より低下した場合をKCL改善、CS-30は増加した場合をCS-30改善、その両者が改善した場合を複合改善とした。説明変数として年齢、性別、TUG、SLS平均値、CS-30、LSA総得点、KCL総合点を用いた総合モデルと、KCL各領域得点を用いた領域別モデルを構築した。ロジスティック回帰分析およびROC解析を行い、識別能はAUCで評価した。さらに各因子のオッズ比を算出し、予測確率を3分位に分類して各群の改善率を算出した。
【結果】
解析対象は551例であった。KCL改善の識別能は総合モデルでAUC0.687、領域別モデルでAUC0.695であった。CS-30改善および複合改善の識別能は、総合モデルでそれぞれAUC0.619および0.610、領域別モデルで0.639および0.620であった。KCL改善の有意因子は、総合モデルでは開始時KCL総合点高値、領域別モデルではADLおよび運動機能領域高値であった。予測確率3群における実際の改善率はLow群9.2%、Middle群18.6%、High群35.3%であった。
【考察】
ADLおよび運動機能領域高値が改善しやすさと関連したことは、通いの場で提供される運動・交流活動との適合性を反映するとともに、領域別情報が予測に有用である可能性が示された。一方で、AUCは0.7未満であり識別能は限定的であった。しかし、High群はLow群の約3.8倍の改善率を示したことから、開始時評価は個人の改善を高精度に予測する指標というより、改善可能性の層別化に有用である可能性が示された。また、CS-30改善および複合改善に対する識別能は低く、改善予測には限界がある可能性が示された。
【結論】
開始時の運動機能、生活空間およびKCL情報を用いた6か月後改善予測モデルでは、KCL改善に対して中等度の識別能が示された。したがって、本モデルは改善可能性の層別化を通じて、通いの場における支援対象の優先順位づけに有用である可能性が示された。
【倫理的配慮、説明と同意】
所属施設の倫理審査委員会の承認を得て実施した(承認番号:25101)。対象者には研究目的、方法、自由意思による参加、拒否による不利益がないこと、および個人情報保護について説明し、書面同意を得た。
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