講演情報
[P8-03]越谷市における高齢者人口密度が低い地域で発足した通いの場の特徴
*阿部 高家1,7、濱田 萌加2,7、島野 優3,7、久保田 圭祐4、濱口 豊太4、北畠 義典5、古澤 浩生6,7、那須 高志2,7 (1. リハビリテーション天草病院 リハビリ部、2. 越谷誠和病院 リハビリテーション科、3. 埼友クリニック リハビリテーション科、4. 埼玉県立大学 研究開発センター、5. 埼玉県立大学 保健医療福祉学部、6. リハビリテーション天草病院 リハ事業推進部、7. 越谷市リハビリテーション連絡協議会)
キーワード:
通いの場、Social Capital、高齢者人口密度
【はじめに】
我々は先行研究において、越谷市の通いの場は高齢者人口密度の高い地域(平均2609.5/km2)に発足する傾向があることを報告した。しかし、高齢者人口密度が低い地域においても通いの場が発足している事例が存在する。本報告では、高齢者人口密度が低いにも関わらず通いの場が発足した地域の特徴について検討した。
【活動内容】
越谷市内で通いの場が存在する町丁目について高齢者人口密度を算出した。次に高齢者人口密度の低い順に順位づけし、特にその下位5地区を抽出した。対象地区の人口密度、高齢化率、持ち家率などの地区特性を確認するとともに、その地区に通いの場を開設した方が介護予防リーダー養成講座を受講した理由、そして通いの場の運営支援を通じて把握した地域住民のつながりについて整理した。
【成果】
高齢者人口密度が最も低かった増林三丁目(76.9人/km²)では、老人福祉センターで健康体操クラブを主催していた住民が介護予防リーダーとなり、既存活動を通いの場へ移行した。同住民は大杉地区(598人/km²)でも同様の活動を展開しており、同地区でも既存活動を通いの場へ移行した。大字増森地区(315人/km2)は高齢化率33%、持ち家率94%と高く、長期居住者が多い。新たに開設された通いの場の参加者間に親戚関係もみられた。さらにその参加者の1人が地元地区の中島一丁目(494.9人/km2)にも通いの場を立ち上げた。一方、レイクタウン九丁目(552.4人/km²)は高齢化率5.4%の新興住宅地であり、住民同士のつながりづくりを目的として通いの場が発足した。これらは①既存団体の活用、②既存人的ネットワークの活用、③新たな人的ネットワーク形成の3パターンに整理できた。これらの結果は、社会的ネットワークや信頼が地域活動を促進するというPutnamのSocial Capital(社会関係資本)論と整合しており、通いの場はSocial Capitalの結果として発足するだけでなく、Social Capital形成の契機となる可能性が示唆された。
【結論】
高齢者人口密度が低い地域においても、既存コミュニティの活用や人的ネットワーク形成を契機として通いの場が発足していた。特に、既存のコミュニティが通いの場へ移行する事例が複数認められた。今後、通いの場を地域へ展開するためには、高齢者人口などの地域特性のみならず、地域内の人的ネットワークやキーパーソンを把握し、その活動を支援する視点が重要であると考えられた。
【倫理的配慮、説明と同意】
本報告は筆頭演者が所属する施設の研究倫理審査委員会にて承認を受けた(承認番号251201)。個人が特定される情報は含まれていない。
我々は先行研究において、越谷市の通いの場は高齢者人口密度の高い地域(平均2609.5/km2)に発足する傾向があることを報告した。しかし、高齢者人口密度が低い地域においても通いの場が発足している事例が存在する。本報告では、高齢者人口密度が低いにも関わらず通いの場が発足した地域の特徴について検討した。
【活動内容】
越谷市内で通いの場が存在する町丁目について高齢者人口密度を算出した。次に高齢者人口密度の低い順に順位づけし、特にその下位5地区を抽出した。対象地区の人口密度、高齢化率、持ち家率などの地区特性を確認するとともに、その地区に通いの場を開設した方が介護予防リーダー養成講座を受講した理由、そして通いの場の運営支援を通じて把握した地域住民のつながりについて整理した。
【成果】
高齢者人口密度が最も低かった増林三丁目(76.9人/km²)では、老人福祉センターで健康体操クラブを主催していた住民が介護予防リーダーとなり、既存活動を通いの場へ移行した。同住民は大杉地区(598人/km²)でも同様の活動を展開しており、同地区でも既存活動を通いの場へ移行した。大字増森地区(315人/km2)は高齢化率33%、持ち家率94%と高く、長期居住者が多い。新たに開設された通いの場の参加者間に親戚関係もみられた。さらにその参加者の1人が地元地区の中島一丁目(494.9人/km2)にも通いの場を立ち上げた。一方、レイクタウン九丁目(552.4人/km²)は高齢化率5.4%の新興住宅地であり、住民同士のつながりづくりを目的として通いの場が発足した。これらは①既存団体の活用、②既存人的ネットワークの活用、③新たな人的ネットワーク形成の3パターンに整理できた。これらの結果は、社会的ネットワークや信頼が地域活動を促進するというPutnamのSocial Capital(社会関係資本)論と整合しており、通いの場はSocial Capitalの結果として発足するだけでなく、Social Capital形成の契機となる可能性が示唆された。
【結論】
高齢者人口密度が低い地域においても、既存コミュニティの活用や人的ネットワーク形成を契機として通いの場が発足していた。特に、既存のコミュニティが通いの場へ移行する事例が複数認められた。今後、通いの場を地域へ展開するためには、高齢者人口などの地域特性のみならず、地域内の人的ネットワークやキーパーソンを把握し、その活動を支援する視点が重要であると考えられた。
【倫理的配慮、説明と同意】
本報告は筆頭演者が所属する施設の研究倫理審査委員会にて承認を受けた(承認番号251201)。個人が特定される情報は含まれていない。
コメント
コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン
