講演情報

[P11-04]通勤が困難であった脳卒中後遺症症例への復職支援
~訪問リハでの実通勤ルート同行から外来への継続支援~

*村岡 聖世1、秋元 健太郎1、佐藤 義文1 (1. 札幌渓仁会リハビリテーション病院)
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キーワード:

復職、地域、継続支援

【はじめに、目的】
脳卒中後の復職率は40〜60%とされる。先行研究において、復職の促進要因はセルフケア・歩行の自立、阻害要因は重度片麻痺や高次脳機能障害が報告されている。また復職支援は、職業的目標設定・職場調整・個別的配慮が有効と報告され、作業耐久性と作業効率といった多因子に配慮する必要がある。
今回、当院退院時の歩行能力から、病前の通勤ルートでの復職は困難と予測された症例に対し、予後予測に基づき訪問リハで実通勤ルート同行を含む積極的介入を行い復職に至った一例を報告する。
【症例紹介、評価結果と問題点】
40歳代男性。心原性脳塞栓症。両親と同居。病前ADLは自立。徒歩・JR・地下鉄を乗り継いで通勤。職業は塾講師。
①急性期
A病院へ救急搬送、入院中に心停止・大腿神経麻痺を呈す。
②当院回復期リハビリテーション病棟(X+70〜220日)
入院時は起き上がり・座位保持中等度介助、車椅子移乗2名介助。退院時は片ロフストランド杖で自宅退院し屋内歩行自立・屋外歩行見守り。FIM:44→118、FBS:3→39、6分間歩行:不可→100m、10m歩行:不可→23.5秒。
【介入内容と結果】
③当院短期集中訪問リハ(X+221〜302日)週3回・約3ヶ月実施。開始時は近隣スーパー(約500m)まで片道約25分、傾斜面や段差昇降は介助を要した。復職希望があったが通勤手段・業務変更に難色を示した。屋外歩行が見守りであり、病前通勤ルートの自立は困難と予測。一方で年齢・認知機能・復職意欲は促進的因子であり移動能力改善と環境調整で復職可能と判断。屋外歩行・エスカレーター乗降・階段昇降練習を実施し、実通勤ルートを同行し、所要時間や疲労を実環境で本人と共有。職場への情報共有を支援し通勤手段を徒歩・JRに変更、時短勤務で復職。終了時はスーパーまで片道約15分で到達し、外来リハへ移行。
④当院外来リハ(X+315日〜)
片ロフストランド杖で通院(約650m)、開始後約2か月でフルタイム勤務となった。FBS:51、6分間歩行:350m、10m歩行:12.9秒。
【考察】
脳卒中後遺症症例の復職は、通勤の可否が条件となり、先行研究でも歩行能力が復職可否を左右する因子である。本症例は、退院時に屋外歩行が見守りで、病前の通勤ルートの自立は困難と予測されたが、予後予測に基づき訪問リハで動作練習と実通勤ルート同行を行い、移動の負担を実環境で共有し、職場との課題共有を通じて復職に至った。これは、職務遂行の前提となる【職場へ到達する能力】に対する介入であり、地域で行うリハビリテーションが復職支援に寄与しうる一機序を示すと考える。また外来リハで、継続した支援を行うことで、就業への定着・勤務時間の拡大を達成出来たと考える。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は筆頭演者が所属する施設の研究倫理審査委員会にて承認を受け、対象者には口頭と紙面を用いて同意を得た。

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