講演情報
[P4-06]ポピュレーションアプローチによる社会資源の創出
―行政主導を補完する民間フレイル予防教室の試み―
*林野 翔太1、髙木 智博2 (1. 株式会社祥ファクトリ さかいリハ訪問看護ステーション・横浜、2. 株式会社祥ファクトリ さかいリハ訪問看護ステーション・横浜 保土ヶ谷支所)
キーワード:
フレイル予防、ポピュレーションアプローチ、介護予防教室
【はじめに】
地域包括ケアシステムの推進において、行政主導の地域支援事業は介護予防における重要な取り組みの一つであるが、療法士への依頼業務中心のため単発支援に留まりやすい。フレイルリスクの高い地域在住高齢者へのポピュレーションアプローチには、行政主導に依存しない持続可能な民間サービスの創出も選択肢となる。当団体は理学療法士を中心とした専門職チームを構成し、実施費を徴収する介護予防教室を立ち上げた。今回、当団体におけるフレイル予防活動の実践からその需要と有用性を報告する。
【実践内容または活動内容】
横浜市内6箇所の地域包括支援センターと協働し、行政のフレイル予防指針(運動・口腔・栄養・社会参加)に準拠した講話や体力測定、運動指導を地域住民による通いの場へ提供した。2024年度の試験的開始を通じて、参加者からは「継続して実施してほしい」といった意見が寄せられ、地域住民におけるフレイル予防や介護予防に対する潜在的ニーズが存在していた可能性が示唆された。一方で従来の行政主導による介護予防教室では、開催頻度の拡大に限界がみられた。そこで2025年度は、独自のチラシ作成や保健師への周知依頼し、地域広報に取り組み、定期的かつ多数の教室開催を推進した。終了後には任意で満足度・理解度(選択式)および意見(自由記載)のアンケートを実施した。
【成果や課題】
2024年度は8件(延べ123名)であったが、2025年度は27件(前年比3.4倍)、延べ374名(前年比3.0倍)へ大幅増加した。75歳以上の割合は68.4%から82.3%へ増え、最多年齢層は75〜79歳から80〜84歳へ移行した。アンケート(回収226名)では満足度89.8%、理解度97.7%であった。一方、体操強度に対して「やや不満」が1.3%生じた。以上より本活動は高齢者に受容されやすく、特に80歳以上の高齢者の潜在的ニーズを顕在化できたと考えられる。今後の課題は、本活動の拡大に伴って予想される参加者の身体機能に応じた集団体操の強度等の個別性への配慮の必要性に対し、支援体制を整備することである。
【今後の展望または結論】
本実践は、現在のところ行政主導が主流の地域支援事業が、通いの場単位で実施費を徴収する介護予防教室としても展開可能であり、制度を補完する社会資源になり得る可能性を示した。理学療法士を中心とした専門職チームによるポピュレーションアプローチは、行政の財政負担に依存せず健康寿命延伸に貢献できる一手段となり得る。今後は、地域活動における有用な効果判定の指標を見出し、介護予防における新たな選択肢としての有用性を検証したい。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究はヘルシンキ宣言の趣旨に則り、対象者に活動趣旨と個人情報の取り扱いを説明し同意を得た。データは匿名化し、写真は本人らの公開許諾を得ている。
地域包括ケアシステムの推進において、行政主導の地域支援事業は介護予防における重要な取り組みの一つであるが、療法士への依頼業務中心のため単発支援に留まりやすい。フレイルリスクの高い地域在住高齢者へのポピュレーションアプローチには、行政主導に依存しない持続可能な民間サービスの創出も選択肢となる。当団体は理学療法士を中心とした専門職チームを構成し、実施費を徴収する介護予防教室を立ち上げた。今回、当団体におけるフレイル予防活動の実践からその需要と有用性を報告する。
【実践内容または活動内容】
横浜市内6箇所の地域包括支援センターと協働し、行政のフレイル予防指針(運動・口腔・栄養・社会参加)に準拠した講話や体力測定、運動指導を地域住民による通いの場へ提供した。2024年度の試験的開始を通じて、参加者からは「継続して実施してほしい」といった意見が寄せられ、地域住民におけるフレイル予防や介護予防に対する潜在的ニーズが存在していた可能性が示唆された。一方で従来の行政主導による介護予防教室では、開催頻度の拡大に限界がみられた。そこで2025年度は、独自のチラシ作成や保健師への周知依頼し、地域広報に取り組み、定期的かつ多数の教室開催を推進した。終了後には任意で満足度・理解度(選択式)および意見(自由記載)のアンケートを実施した。
【成果や課題】
2024年度は8件(延べ123名)であったが、2025年度は27件(前年比3.4倍)、延べ374名(前年比3.0倍)へ大幅増加した。75歳以上の割合は68.4%から82.3%へ増え、最多年齢層は75〜79歳から80〜84歳へ移行した。アンケート(回収226名)では満足度89.8%、理解度97.7%であった。一方、体操強度に対して「やや不満」が1.3%生じた。以上より本活動は高齢者に受容されやすく、特に80歳以上の高齢者の潜在的ニーズを顕在化できたと考えられる。今後の課題は、本活動の拡大に伴って予想される参加者の身体機能に応じた集団体操の強度等の個別性への配慮の必要性に対し、支援体制を整備することである。
【今後の展望または結論】
本実践は、現在のところ行政主導が主流の地域支援事業が、通いの場単位で実施費を徴収する介護予防教室としても展開可能であり、制度を補完する社会資源になり得る可能性を示した。理学療法士を中心とした専門職チームによるポピュレーションアプローチは、行政の財政負担に依存せず健康寿命延伸に貢献できる一手段となり得る。今後は、地域活動における有用な効果判定の指標を見出し、介護予防における新たな選択肢としての有用性を検証したい。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究はヘルシンキ宣言の趣旨に則り、対象者に活動趣旨と個人情報の取り扱いを説明し同意を得た。データは匿名化し、写真は本人らの公開許諾を得ている。
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