講演情報
[P14-10]重度脳卒中症例における離床の難渋要因と克服の実践報告~新人PTの間接支援を軸とした多職種連携の過程~
*佐久間 俊輔1、瀧本 美月1、遠藤 朝子1、鈴木 祥吾1、坂口 光晴1、金原 一宏2、住吉 信一1、北澤 浩1 (1. 二川病院、2. 聖隷クリストファー大学大学院)
キーワード:
慢性期、重度脳卒中、間接支援
【背景】慢性期重度脳卒中患者の廃用予防やQOL向上に離床促進は重要だが、経験の浅い新人理学療法士(以下、新人PT)は介助技術や急変への不安から離床へのアプローチに難渋しやすい。今回、全身管理の観点から前医での離床機会確保が困難であった重度脳卒中患者に対し、新人PTが抱く難渋感を認知・技術・心理の3側面に整理し、先輩PTによる間接支援(同行指導)と多職種連携により安全な生活拡大へ至った教育的プロセスを経験したので報告する。
【方法】患者は脳室内出血を呈し、気管切開・経管栄養管理となった40歳代女性。初期評価はBRS右上下肢Ⅰ、GCS7、FIM18点。担当は新人PT(2年目、慎重だが自信が乏しい性格)。指導・介入のプロセスは、①新人PT単独での介入から開始、②離床の処方後、新人の難渋感を3側面(認知面:予後不良の先入観、技術面:体格差と従命不能による介助不安、心理面:留置デバイスやバイタル変動への過度な恐怖)に整理、③リスク管理教育として離床前後のバイタル計測の徹底と中止基準(発熱、心拍数50以下・120以上、収縮期血圧80以下・200以上等)の遵守、異変時の即時帰床の徹底、④ギャッジアップから長座位・端座位の介助・見守りへと支持基底面を段階的に減少させる過程の構築、⑤全身を使い面で支える介助の意識、膝のロッキングとてこの原理を利用した移乗の技術指導、⑥立位時は先輩PTが先行介入して支持性を確認することとした。
【結果】初期、新人PTは認知面の先入観から介入を制限していたが、かすかな随意性向上や覚醒良好などの反応を捉え、離床処方を得た。離床時には明確な中止基準と異変時はすぐ戻す事の共有によりリスク面の恐怖が軽減。さらに、面で支える身体介助、てこの原理等の技術指導と立位時の先輩の先行介入により、体格差や従命不能に伴う技術面の障壁も克服され、安全に30分間の座位保持を獲得した。この成功体験は新人の自己効力感を高め、病棟連携のもと座位での経管栄養施行へとADLが拡大した。
【考察】新人PTの離床の難渋感に対し、課題を認知・技術・心理面に構造化したことが、その後の具体的な間接支援の起点となった。客観的中止基準の明示や身体介助法の指導の細分化と段階づけが、新人の慎重な性格と親和し、高い心理的安全性をもたらした。また、実践可能な技術の獲得(成功体験)が自己効力感を高め、多職種との生活拡大を主体的に実践する姿勢を引き出した。
【結論】先輩PTは、患者への直接介入だけでなく、新人PTの特性を加味しつつ、難渋感を多面的に評価・整理し、リスク管理の方法と技術指導による間接支援を行うことで、新人の臨床実践力と多職種連携への主体性を引き出す役割を担うべきである。
【倫理的配慮、説明と同意】本発表に際し、症例本人および家族に対し書面および口頭にて十分な説明を行い、同意を得た。
【方法】患者は脳室内出血を呈し、気管切開・経管栄養管理となった40歳代女性。初期評価はBRS右上下肢Ⅰ、GCS7、FIM18点。担当は新人PT(2年目、慎重だが自信が乏しい性格)。指導・介入のプロセスは、①新人PT単独での介入から開始、②離床の処方後、新人の難渋感を3側面(認知面:予後不良の先入観、技術面:体格差と従命不能による介助不安、心理面:留置デバイスやバイタル変動への過度な恐怖)に整理、③リスク管理教育として離床前後のバイタル計測の徹底と中止基準(発熱、心拍数50以下・120以上、収縮期血圧80以下・200以上等)の遵守、異変時の即時帰床の徹底、④ギャッジアップから長座位・端座位の介助・見守りへと支持基底面を段階的に減少させる過程の構築、⑤全身を使い面で支える介助の意識、膝のロッキングとてこの原理を利用した移乗の技術指導、⑥立位時は先輩PTが先行介入して支持性を確認することとした。
【結果】初期、新人PTは認知面の先入観から介入を制限していたが、かすかな随意性向上や覚醒良好などの反応を捉え、離床処方を得た。離床時には明確な中止基準と異変時はすぐ戻す事の共有によりリスク面の恐怖が軽減。さらに、面で支える身体介助、てこの原理等の技術指導と立位時の先輩の先行介入により、体格差や従命不能に伴う技術面の障壁も克服され、安全に30分間の座位保持を獲得した。この成功体験は新人の自己効力感を高め、病棟連携のもと座位での経管栄養施行へとADLが拡大した。
【考察】新人PTの離床の難渋感に対し、課題を認知・技術・心理面に構造化したことが、その後の具体的な間接支援の起点となった。客観的中止基準の明示や身体介助法の指導の細分化と段階づけが、新人の慎重な性格と親和し、高い心理的安全性をもたらした。また、実践可能な技術の獲得(成功体験)が自己効力感を高め、多職種との生活拡大を主体的に実践する姿勢を引き出した。
【結論】先輩PTは、患者への直接介入だけでなく、新人PTの特性を加味しつつ、難渋感を多面的に評価・整理し、リスク管理の方法と技術指導による間接支援を行うことで、新人の臨床実践力と多職種連携への主体性を引き出す役割を担うべきである。
【倫理的配慮、説明と同意】本発表に際し、症例本人および家族に対し書面および口頭にて十分な説明を行い、同意を得た。
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