講演情報

[S1-04]要支援・要介護高齢者を対象とした座位行動中断スコア(SB-IQ)の開発:多施設研究

*清水 夏生1,2、石垣 智也2、尾川 達也2,3、木下 篤2、柳澤 雄大2,4、池田 圭介2、増田 裕里2,5、久保田 良6、木田 亮輔7、宮田 一弘2 (1. 埼玉医科大学、2. Japanese Stroke & Physical activity mUltiple center Research Team (J-SPURT)、3. 西大和リハビリテーション病院、4. 初台リハビリテーション病院、5. ウェルハウス協和、6. 関西医科大学香里病院、7. 板橋リハビリ訪問看護ステーション)
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キーワード:

要支援・要介護高齢者、座位行動、行動変容

【はじめに、目的】 長時間連続する座位行動(SB)は総死亡リスクと関連し、要介護高齢者は日中の75%以上をSBに費やしている。介護保険領域の理学療法で要介護高齢者の長時間連続するSBの中断を支援するには、その阻害要因を行動学的に評価し、状態に応じた方略を選択する必要がある。本研究はCOM-Bモデルを理論的背景に、要介護高齢者の長時間SBの中断に関する行動要因(能力・機会・動機)を評価する座位行動中断スコア(SB-IQ)を開発し、構造的・併存的妥当性を検証することとした。

【方法】 
Huijgらの文脈に応じて改変可能な質問紙を「日中、自宅で60分以上連続するSBを中断すること」を標的行動とした文脈で改変し、この行動における能力・機会・動機の3領域に関する83項目を英語で作成した。順翻訳・逆翻訳にて日本語版に変換し、研究者3名による表面的妥当性の検討と、専門家8名のDelphi法による内容的妥当性の検討を経て、3領域40項目の試作版を抽出した(7件法)。2023年9月から2025年3月に10施設で、認知機能が良好な要支援・要介護高齢者129名(年齢 79歳、Rivermead Mobility Index [RMI] 11点)を調査した。構造的妥当性はRasch分析にて領域内の不適合項目を探索し、1次元性が認められない領域は探索的因子分析にて再分類した。併存的妥当性は、身体活動量計(OMRON HJA-750C)を装着した57名 (年齢 79歳、RMI 10点) の各領域得点と60分以上連続するSB bout数との関連をSpearman相関係数にて検討した。

【結果】 
Rasch分析の結果、能力領域5項目、機会領域8項目が抽出された。動機領域は1次元性が認められず、探索的因子分析によって結果への期待3項目、目標4項目、自信5項目、セルフモニタリング3項目の4領域に再分類された(RMSEA=0.048)。最終版SB-IQは6領域28項目で構成され、全領域で不適合項目はなく、1次元性が認められた。併存的妥当性では、自信領域(rho=-0.348)およびセルフモニタリング領域(rho=-0.349)が60分以上のSB bout数と有意な負の相関を示した。

【考察】 
能力・機会・結果への期待・目標・自信・セルフモニタリングの6領域28項目で構成される最終版SB-IQの構造的妥当性が認められた。また、自信およびセルフモニタリング領域の併存的妥当性が支持された。本研究は、経験則に依存していた要介護高齢者の連続的なSBに関する行動要因を定量評価可能にした点で、臨床的意義と新規性を有すると考えられる。

【結論】 
要介護高齢者の連続的なSBの中断に関する行動要因を定量化するSB-IQの良好な構造的妥当性と部分的な併存的妥当性が確認された。今後は信頼性を含む追加検証と項目間の関連構造について検証し、臨床実装に向けて尺度特性をさらに明らかにする必要がある。

【倫理的配慮、説明と同意】 埼玉医科大学倫理審査委員会の承認(大2022-022)を得た。対象者にはヘルシンキ宣言に基づき研究の内容や個人情報保護の遵守について説明し、書面にて同意を得た。

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