講演情報

[P15-09]通所リハビリテーション利用者における孤独感の変化の関連要因
-社会的・情緒的側面に着目した事例間比較-

*後藤 悠太1,6、武田 広道2、森 優太3、平川 雄太4、横山 広樹5、尾川 達也1、石垣 智也6 (1. 西大和リハビリテーション病院 リハビリテーション部、2. 北陸大学 医療保健学部、3. 名古屋学院大学 リハビリテーション学部 理学療法学科、4. JA愛知厚生連 介護老人保健施設あおみ、5. 関西医科大学 くずは病院 リハビリテーション科、6. 畿央大学大学院 健康科学研究科)
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キーワード:

通所リハビリテーション、孤独感、ピアサポート

【はじめに】
加齢や障害による生活機能の低下は、孤独感を生じる要因の1つとなる。一方、通所リハビリテーション(以下、通所リハ)は類似性ある者同士の相互支援(ピアサポート:PS)の機会を有し、孤独感の緩和に寄与する可能性がある。しかし、その作用は一様なものではなく、孤独感を構成する多様な要因により異なると考えられる。本報告では、通所リハ利用者における孤独感の変化に関連する要因について、対照的な経過を示した事例間比較から考察する。
【事例紹介】
事例Aは80歳代の女性(要支援2)であり、長女と2人暮らしで屋外歩行は自立であった。事例Bは60歳代の女性(要介護2)であり、独居で屋外歩行は修正自立であった。両事例とも利用開始日(X日)-7か月に大腿骨転子部骨折を受傷し、入院を経て通所リハの利用に至った。利用開始時の孤独感は、UCLA孤独感尺度短縮版(高値ほど孤独感が強い)で事例A 18/24点、事例B 17/24点であった。ピアサポート(PS)は、PS機能評価尺度(高値ほどPSが良好)で事例A 18/60点、事例B 13/60点であった。孤独感に対する内省では、事例A「気軽に話をする人はおらず、家族は忙しく話す機会がなく虚しい」、事例B「家族と死別し、古い友人と交流がある程度で寂しさを感じることがある。人との交流はよいが、自分のことはあまり聞かれたくない」とあった。
【介入内容と結果】
事例間での直接的な交流はないが、それぞれ他の利用者と自然発生的な交流が生まれ、その程度や頻度に大きな差はなかった。生活面では事例Aに著変なく、事例BはX+1か月に親しい友人が転居した。X+3か月の孤独感は事例Aで8点と低下し、事例Bは20点と増加した。PS機能は両事例とも向上したが、事例Bは限定的であった(事例A:34点、事例B:18点)。内省として事例A「他の利用者と共通の話題があり楽しみになった」、事例B「友人が引っ越してしまったため寂しい。他の利用者には自分のことは深く聞かれたくないから表面上の会話をしているが、気分転換になる」とあった。
【考察】
孤独感は社会的つながりの希薄さに起因する社会的孤独感と、親密な関係性の乏しさに起因する情緒的孤独感に大別される。両事例とも、通所リハの対人交流により社会的つながりは得られていた。しかし、事例AはPSの向上から情緒的な孤独感の緩和に至り、事例BではPSの変化は限定的で、親しい友人の転居に伴う喪失感という情緒的側面の影響により孤独感が増強したと考える。つまり、通所リハ利用者の孤独感の変化には、量的な社会的側面だけでなく、質的な情緒的側面も関連する可能性がある。通所リハで孤独感の緩和を図る際、社会的および情緒的側面の特徴を考慮した個別的な支援が求められるものと考えた。
【説明と同意】
本報告にあたり、個人情報の保護とプライバシーに配慮したうえで、対象者に十分な説明を行い、文書と口頭で同意を得た。

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