講演情報
[P7-08]入院中の中等度パーキンソン病患者の身体活動量の特徴と運動機能及び精神・認知機能の関連
*藤本 恵輔1,2、辻中 椋2、玄 安季2、足立 遥香2、井戸田 弦2、松浦 道子2、森 将貴1、樋口 由美2 (1. 兵庫中央病院 リハビリテーション科、2. 大阪公立大学大学院 リハビリテーション学研究科)
キーワード:
パーキンソン病、身体活動量、医療療養型病棟
【はじめに、目的】パーキンソン病(Parkinson’s Disease: PD)は病態の進行に伴い、運動症状や非運動症状が出現し、身体活動量が低下することが報告されており、身体活動量に関連する臨床的特徴を明らかにすることは重要である。PD患者の身体活動量を評価した先行研究の多くは地域在住者を対象としており、入院中のPD患者を対象とした報告は少ない。入院中は行動範囲に制約を受けるため、身体活動量がより低下するとともに、地域在住PD患者とは異なる要因が身体活動量に関連する可能性がある。本研究の目的は、入院中の中等度PD患者における身体活動量の特徴を明らかにし、身体活動量と運動機能及び精神・認知機能との関連を検討することである。【方法】対象は当院に入院中の65歳以上のPD患者とし、選定基準はHoehn & Yahr分類Ⅲ以上、病棟内歩行が可能なものとした。調査項目は基本属性(年齢、性別、BMI)、発症からの年数、レボドパ製剤の投与量、H&Y分類、FIMとした。運動機能の評価にはTUG、UPDRS PartⅢ、精神・認知機能の評価にはUPDRS PartⅠの下位項目より抜粋した8項目、MMSEを用いた。身体活動量は身体活動量計(Active Style Pro HJA-750C,オムロン)を使用した。強度別に座位行動時間(SB)、軽強度身体活動時間(LPA)を記録した。身体活動量計は7日間装着し、6時から24時までの活動時間の平均値を解析に用いた。身体活動量と運動機能、精神・認知機能及びその他因子との関連性を検証するためにSpearmanの順位相関係数を算出した。有意水準は5%とした。【結果】対象者は12名(平均年齢74.0±4.99歳)であった。各評価項目の中央値(四分位範囲)は、FIMは95(17.5)点、TUGは20.05(4.88)秒、UPDRS PartⅢは33(8.25)点、MMSEは27(3)点、UPDRS PartⅠは6.5(4.75)であった。1日あたりの身体活動時間の中央値はそれぞれSB646.6(83.6)分、LPA170.0(109.8)分であった。SBはレボドパ製剤投与量(ρ=0.64p=0.036)と、LPAにおいてはUPDRS PartⅠ下位項目の不安感(ρ= 0.59,p=0.046 )と有意な相関を認めたが、SB、LPAともにTUG、UPDRS PartⅢ、MMSE、UPDRS PartⅠとは有意な相関を認めなかった。【考察および結論】地域在住PD患者における先行研究と比較してSBが長く、LPAが短い特徴を示した。また先行研究では運動症状、非運動症状が身体活動量と関連していたが、入院PD患者の本研究の結果では、有意な相関はなかった。一方でSBはレボドパ製剤投与量と、LPAは不安感と関連する可能性が示唆された。レボドパ製剤投与量は病状進行に伴い増加することから、入院PD患者のSBは症状の進行を反映した可能性がある。また入院PD患者においても地域在住PD患者と同様に精神症状はLPAに関連する重要な要因である可能性がある。【倫理的配慮、説明と同意】本研究は所属施設における倫理審査委員会の承認(受付番号:25-04)を受け、対象者には同意を得たうえで実施した。
コメント
コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン
