講演情報

[O15-04]質問誘導型対話AIによるフレイル判定の一致性と関連要因について

*林 尊弘1、井上 愛子2、森田 佳乃⼦3、吉田 ⿇⾥⼦3、堀 涼4、田中 大喜3、銭本 友樹3、浦田 真由3、東中 竜一郎3 (1. 愛知医療学院大学 リハビリテーション学部、2. 名古屋大学未来社会創造機構 予防早期医療創成センター、3. 名古屋⼤学⼤学院 情報学研究科、4. 椙山女学園大学 人間学・ジェンダー研究センター)
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キーワード:

質問誘導型対話AI、フレイル、基本チェックリスト

【目的】
フレイルの包括的評価として基本チェックリスト(KCL)が広く用いられるが、多くの質問項目を含む質問紙への回答は高齢者にとって負担となり得る。本研究では、自由な雑談を基本とし、対話の流れに応じて必要な質問へ誘導する質問誘導型対話AIシステムを開発した。同システムによる評価と質問紙KCL評価の一致性を検討し、項目一致率に関連する対象者特性を明らかにすることを目的とした。
【方法】
対象は、K市在住の60歳以上で、要介護認定を受けていない地域在住者とした。介護予防事業参加者や保健連絡員等から募集し、タブレットを貸与した者のうち、AI対話ログと別途実施した質問紙KCLの照合が可能であった58名とした。開発した対話AIがKCL関連質問を行い、OpenAI API(GPT-4o)でその質問に対する対象者の回答をリアルタイムで記録・質問紙KCLの回答選択肢に分類した。BMI項目を除くKCL24項目について項目別および全体一致率を算出した。25項目得点およびフレイル判定は判定可能な55名で比較し、関連要因解析は比較可能項目数が少ない15名を除いた43名で行った。対象者特性として年齢、教育歴、認知・遂行機能(MoCA-J、TMT-A/B)、身体機能(SPPB、握力)、QOL(WHO-QOL5)等を用い、項目一致率との関連をSpearman順位相関係数で検討した。
【結果】
KCL24項目の全体一致率は77.7%であった。項目別では、週1回以上の外出、転倒経験、物忘れなどで一致率が高く(88.9〜93.3%)、バスや電車での外出、友人宅訪問、電話利用などのIADL項目で一致率が低かった(43.2〜60.0%)。フレイル判定の一致は55名中26名(47.3%)であった。AIのプレフレイル以上判定は35名、質問紙では19名で、25項目KCL得点差は平均1.56点であり、AIは質問紙より高リスクに判定する傾向を示した。43名における関連要因解析では、項目一致率はSPPB総得点(rs=0.381)、教育歴(rs=0.363)、握力(rs=0.339)、WHO-QOL5得点(rs=0.313)と正の相関を示し、TMT-B間違い数(rs=-0.358)とは負の相関を示した。
【考察】
開発した対話AIによるKCL判定は一定の一致率を示したが、IADL項目では質問紙よりリスクありに判定しやすく、質問誘導や回答解釈に課題があると考えられた。身体機能や遂行機能の低い者ではIADL状況の正確な言語化が困難であったり、回答に不整合が生じたりしやすく、それがAIの誘導や解釈の誤りにつながった可能性が示唆される。
【結論】
開発した質問誘導型対話AIによるKCL評価は地域高齢者のフレイルスクリーニングに応用可能性を有するが、実用化には低一致項目への質問設計と対象者特性に応じた対話支援の改善が必要である。
【倫理的配慮,説明と同意】
本研究は演者所属施設における研究倫理審査委員会の承認を受けて実施した。対象者へ研究目的、方法、個人情報保護、撤回の自由を対面にて説明し、書面にて同意を得た。

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