講演情報

[P4-07]地域でフレイルチェック会の参加者を増やすための施策と実践

*須藤 敏行1、堀内 隆仁2、児玉 謙太郎3 (1. 東京都立大学 プレミアム・カレッジ、2. 東京都立大学 健康福祉学部、3. 東京都立大学 大学教育センター)
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キーワード:

フレイル予防、地域実践活動、社会参加

【はじめに・目的】近年、高齢化に伴い心身機能の著明な低下が見られることを示す「フレイル」が注目されている。フレイルを予防する活動が全国で実施されており、東京都X市でもフレイルチェック会(以下FC会)が実施されている。しかし、X市のFC会は参加者が多いとは言えない。そこで、FC会の集客に関して調査・考察し、その結果を実践してみることとした。
【方法】調査の対象は、2023年度に実施された東京都区内(X市、Y区、Z市)のFC会、X市の特定健診とがん検診、X市の地域サークル向け体力測定会や関連イベントなどの参加者数や募集方法とし、ホームページ、アンケートなどを組み合わせて調査したうえで、マーケティング手法を用いて考察した。
【結果】調査結果より、X市FC会の年間参加者数は192人であったが、他自治体のY区は746人、Z市が450人とX市FC会よりも多かった。また、X市の特定健診は5,305人、がん検診は6,682人とFC会よりも多かった。募集方法は、広報誌が1番多かった。また、特定の対象者に案内を郵送することや、イベント相互でPRすること、さらにキャッチフレーズが重要であるなどの回答があった。
【考察】本研究では、FC会を1つの商品・サービスと捉え、マーケティングの3つの方法論に基づき考察した。1つ目は『売り物』である。FC会は「科学的にフレイルを測定する物」で、最大の特徴は行政や専門職に加えて市民ボランティアが主体で運営していること。市民ボランティアの「情緒的な価値」が差別化要因である。2つ目は『セグメンテーション』である。同じ自治体でも地域により住民の特性が異なるため、X市の「介護予防・日常生活圏域ニーズ調査実施報告書」をもとに、高齢者特有の思考特性、行動変容などの心理的特性も考慮して、X市地域別のFC会顧客像(80代夫婦で夫は閉じこもりがちなど)を設定した。3つ目は『どのようにして価値を届けるか』である。顧客像に響く“ナッジ”と呼ばれる“そっと背中を押す言葉”が重要であり、FC会の価値を“ナッジ“としてチラシに載せる。宣伝手段として、参加人数の多い特定健診の案内にチラシを同封することや、薬局など市内で実施されている事業と連携してPRすることが有効であることが判った。
【結論】本研究は、フレイル予防に有効なフレイルチェック会(FC会)の集客に関して調査・考察した。その内容を2025年度にX市FC会で実践したところ、2025年度の参加者は217人となった。これは、2023年度の192人に比べて25人増加(1.13倍)、2024年度の179人に比べて38人増加(1.21倍)となり、一定の成果がみられた。しかしながら、施策別の効果は算出できなかったため、今後は、施策別の効果算出方法も加えて検証していきたい。
【倫理的配慮、説明と同意】アンケートは、東京都立大学プレミアム・カレッジの倫理審査に基づいて実施した。

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