講演情報

[P2-06]移動販売車を利用する地域在住高齢者における精神的ウェルビーイングの実態および関連要因

*田辺 将也1、塩浦 宏祐2、柳澤 海志2、大塩 裕太2、狩野 裕大2、小島 美咲2、櫻井 佳那子3、髙田 樹3 (1. 群馬パース大学リハビリテーション学部理学療法学科、2. 榛名荘病院、3. 介護老人保健施設あけぼの苑)
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キーワード:

買い物弱者、社会的孤立、フレイル

【はじめに、目的】地域在住高齢者の買い物困難は,外出,社会的孤立,フレイル等と関連する地域課題である。移動販売車は買い物機会を補完し,販売員や近隣住民との接点となり得るが,利用者の精神的ウェルビーイングとの関連は十分に検討されていない。本研究は,移動販売車を利用する高齢者の精神的ウェルビーイングの実態を明らかにし,知覚された社会的支援,健康自己評価,生活の楽しみとの関連を検討した。
【方法】群馬県内2市で移動販売サービスを利用する65歳以上の高齢者102名を対象に横断調査を行った。精神的ウェルビーイングは日本語版Mental Health Continuum-Short Form(MHC-SF-J),知覚された社会的支援は多次元ソーシャルサポート尺度日本語版(MSPSS)で評価した。MHC-SF-J合計得点に関連する要因を階層的重回帰分析で検討し,低ウェルビーイング状態を示すLanguishingを目的変数とした二項ロジスティック回帰分析を行った。
【結果】対象者の年齢は81.4±6.7歳であった。MHC-SF-J合計得点は34.1±16.2点,Languishingは23名(22.5%)であった。Languishing群では非Languishing群と比較し,MSPSS合計得点が有意に低く,同居家族なし,生活満足なし,生活の楽しみなしの割合が有意に高かった。重回帰分析では,MSPSS合計得点(β=.282,p=.002),健康自己評価(β=.229,p=.009),生活の楽しみ(β=.318,p<.001)がMHC-SF-J合計得点と独立して関連した。ロジスティック回帰分析では,MSPSS合計得点が10点高いほどLanguishingのオッズは低く(OR=0.508,95%CI:0.334-0.774,p=.002),生活の楽しみがある者はない者に比べて低かった(OR=0.241,95%CI:0.082-0.704,p=.009)。
【考察】本研究のLanguishingの割合は地域在住高齢者の先行研究と同程度であり,移動販売車利用者にも低ウェルビーイング状態の者が一定数存在することが示された。精神的ウェルビーイングには社会的側面が含まれ,高齢者の活動参加やソーシャル・キャピタルは主観的幸福感と関連することが報告されている。本研究では,知覚された社会的支援の低さや生活の楽しみの乏しさがLanguishingと関連していた。交流の質は直接測定していないため断定はできないが,移動販売車は買い物支援に加え,低ウェルビーイング状態の高齢者を把握し,必要な支援へつなぐ地域の接点となる可能性が示唆された。
【結論】移動販売車を活用した地域支援では,買い物機会の確保に加え,社会的支援や生活の楽しみを支える視点が重要である。
【倫理的配慮、説明と同意】本研究は所属施設の研究倫理審査委員会の承認を得て実施した。対象者には研究目的,参加の自由,個人情報保護について説明し,文書同意を得た。

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