講演情報

[P6-07]地域要支援・要介護高齢者の生活空間レベル狭小化に関与する因子~COVID-19の影響からの検討~

*矢野 秀典1、竹村 美鈴2 (1. 目白大学 保健医療学部 理学療法学科、2. 自宅)
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キーワード:

生活空間レベル、要支援・要介護高齢者、COVID-19

【はじめに、目的】高齢者の場合,生活空間の制限は身体活動量や生活活動の低下を引き起こす.2020年からの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行は,我々の行動や生活に大きな制限をもたらした.本研究では,この要支援・要介護高齢者の生活空間レベル低下がどのような因子と関連しているのかを明らかにすることを目的とした.
【方法】デイサービス利用者の家族を対象として,利用者の行動や生活に関する質問紙調査を実施した.調査項目は,基本属性およびBakerらが開発したLife Space Assessment(LSA)の各項目とした.生活空間レベル維持・向上群と低下群の2群に分類し,性別,年齢,居住形態,要介護度,COVID-19罹患への恐怖心に関して比較検討した.そして,単変量解析で差を認めた項目を説明変数,生活空間レベル変化を目的変数としてロジスティック回帰分析尤度比減少法を実施した.
【結果】COVID-19流行前後ともにLSA活空間レベルが算出可能であった411名を分析対象者とした.性別は男性117名,女性285名,不明9名,平均年齢85.6歳であった.COVID-19の流行前後の各生活空間レベルの人数は,それぞれ,レベル0(寝室内)28名,38名,レベル1(寝室以外の住居内)16名,68名,レベル2(居住空間のごく近くの空間)18名,42名,レベル3(自宅近隣)44名,38名,レベル4(町内)62名,61名,レベル5(町外)243名,164名であった.生活空間レベル維持・向上者は251名,低下者は160名であった.年齢(平均±標準偏差)は維持・向上群84.9±6.8歳,低下群86.8±6.9歳で,低下群で有意に高齢であった.居住形態では,低下群に比べ維持・向上群で有意に独居者が多かった.要介護度に関しては低下群の介護度が有意に高かった.性別およびCOVID-19罹患への恐怖心には両群に差を認めなかった.ロジスティック回帰分析では説明変数3項目とも生活空間レベルに有意な関連性を示し年齢,要介護度,居住形態の順にオッズ比が高かった.
【考察】本研究分析対象者はデイサービスを利用する高齢者であるが,COVID-19流行前は町外レベルのレベル5が約6割を占めていた.その生活空間レベルは,COVID-19流行後に約40%のもので狭小化が認められ,この生活空間レベル狭小化に関与する因子として,年齢,居住形態および要介護度が抽出された.そのため,これらの生活空間レベル狭小化に関連する因子を持つ高齢者を対象として,生活空間レベルの維持や再拡大を主眼とした施策を講じる必要があると示唆された.
【結論】COVID-19流行によるデイサービスを利用者の生活空間レベル狭小化に関与する因子は年齢,居住形態および要介護度後であることが明らかになった.
【倫理的配慮、説明と同意】研究の意義等を十分に説明し同意を得られたものに限り研究対象とした.電子記録データは,すべて暗号化して処理した.本研究は筆頭演者が所属する施設の研究倫理審査委員会の承認を受け実施した.

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