講演情報
[ST1-04]積雪寒冷地域における下肢装具使用者の冬季移動支援に向けた靴底素材の検討
*河本 凛1、田中 羅良1、堂野 武尊1、本間 結衣1、宮田 比呂1、鈴木 英樹2、長谷川 純子2、只石 朋仁2、金田 安広3 (1. 北海道医療大学リハビリテーション科学部理学療法学科学生、2. 北海道医療大学リハビリテーション科学部理学療法学科、3. ウィンターライフ推進協議会)
キーワード:
積雪寒冷地域での生活、下肢装具使用者、地域課題の解決
【はじめに、目的】
積雪寒冷地域では冬季の凍結路面が転倒リスクを高め、歩行に不安を有する者の外出機会や社会参加を制限する要因となる。特に下肢装具使用者にとって靴底は安全な移動を支える重要な要素であるが、現在流通している冬季用靴底素材は限定的であり、使用者の特性に応じた選択肢の確保や安定供給などに課題がある。地域での生活を継続するためには、身体機能への支援のみならず、生活環境に応じた移動手段の確保が必要である。
本研究では、新たな靴底素材として発泡ゴム素材に着目し、防滑性能および歩行への影響を検証することを目的とした。
【方法】
対象は日常生活で短下肢装具を使用して歩行している成人男性2名とした。発泡ゴム素材を使用した靴底、および現在使用している既存靴底について、防滑性能評価、歩行評価、主観的評価を実施した。防滑性能は、積雪凍結路面を想定した氷盤環境を生成した自作器具を用いて、傾斜角度から静止摩擦係数を算出した。歩行評価では積雪路面に設けた5mの歩行路を5回自由歩行させ、歩行時間、歩行速度、歩数を測定した。また歩行後に、滑りやすさや不安感について聞き取り調査を実施した。
【結果】
摩擦係数について、対象1では発泡ゴム素材0.268、既存靴底0.231であり、対象2では発泡ゴム素材0.467、既存靴底0.543であった。歩行評価では、発泡ゴム素材使用時に歩行速度や歩数などの基本的歩行指標に大きな低下は認められなかった。また主観的評価では、発泡ゴム素材に関し「滑りへの不安感が少ない」「床面を掴む感じがある」など、安心感に関する肯定的意見が得られた。
【考察】
本研究の結果、発泡ゴム素材は既存靴底と比較して同程度の防滑性能を有し、歩行能力を維持した状態で使用できる可能性が示された。積雪寒冷地域では、路面環境という地域特有の環境因子が移動や社会参加を制限する場合がある。そのため地域理学療法では、個人の身体機能や動作能力への支援だけでなく、生活環境上の課題を把握し、行政や関連事業者と連携しながら解決策を提案することも重要な役割であると考えられる。
【結論】
冬季における移動支援では、地域特性を踏まえた環境調整や支援体制の構築が重要であり、地域理学療法の視点を活かして地域課題解決に関与する意義が示唆された。
【倫理的配慮、説明と同意】
本調査は北海道医療大学リハビリテーション科学研究科倫理審査委員会の承認を得て実施した(承認番号:25R280296)。
積雪寒冷地域では冬季の凍結路面が転倒リスクを高め、歩行に不安を有する者の外出機会や社会参加を制限する要因となる。特に下肢装具使用者にとって靴底は安全な移動を支える重要な要素であるが、現在流通している冬季用靴底素材は限定的であり、使用者の特性に応じた選択肢の確保や安定供給などに課題がある。地域での生活を継続するためには、身体機能への支援のみならず、生活環境に応じた移動手段の確保が必要である。
本研究では、新たな靴底素材として発泡ゴム素材に着目し、防滑性能および歩行への影響を検証することを目的とした。
【方法】
対象は日常生活で短下肢装具を使用して歩行している成人男性2名とした。発泡ゴム素材を使用した靴底、および現在使用している既存靴底について、防滑性能評価、歩行評価、主観的評価を実施した。防滑性能は、積雪凍結路面を想定した氷盤環境を生成した自作器具を用いて、傾斜角度から静止摩擦係数を算出した。歩行評価では積雪路面に設けた5mの歩行路を5回自由歩行させ、歩行時間、歩行速度、歩数を測定した。また歩行後に、滑りやすさや不安感について聞き取り調査を実施した。
【結果】
摩擦係数について、対象1では発泡ゴム素材0.268、既存靴底0.231であり、対象2では発泡ゴム素材0.467、既存靴底0.543であった。歩行評価では、発泡ゴム素材使用時に歩行速度や歩数などの基本的歩行指標に大きな低下は認められなかった。また主観的評価では、発泡ゴム素材に関し「滑りへの不安感が少ない」「床面を掴む感じがある」など、安心感に関する肯定的意見が得られた。
【考察】
本研究の結果、発泡ゴム素材は既存靴底と比較して同程度の防滑性能を有し、歩行能力を維持した状態で使用できる可能性が示された。積雪寒冷地域では、路面環境という地域特有の環境因子が移動や社会参加を制限する場合がある。そのため地域理学療法では、個人の身体機能や動作能力への支援だけでなく、生活環境上の課題を把握し、行政や関連事業者と連携しながら解決策を提案することも重要な役割であると考えられる。
【結論】
冬季における移動支援では、地域特性を踏まえた環境調整や支援体制の構築が重要であり、地域理学療法の視点を活かして地域課題解決に関与する意義が示唆された。
【倫理的配慮、説明と同意】
本調査は北海道医療大学リハビリテーション科学研究科倫理審査委員会の承認を得て実施した(承認番号:25R280296)。
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