講演情報
[ST1-08]乳児の全般的な発達および日常生活動作と運動の獲得月齢との関連
*栁澤 葵1、長井 祐子2、正木 光裕1 (1. 高崎健康福祉大学保健医療学部、2. 高崎健康福祉大学健康福祉学部)
キーワード:
乳児、発達、運動の獲得月齢
【はじめに、目的】
地域での乳児を対象とした健診は今後の発達を経時的に追跡することで、早期からの乳児、両親への支援や助言につながるため重要である。3歳児健診後において、フォローアップの対象となった幼児は対象とならなかった幼児よりも、運動や認知、対人関係、日常生活動作が低下していることが報告されている (重島, 2025)。本研究の目的は、地域での健診を受けた乳児を対象に、全般的な発達および日常生活動作と母子健康手帳の記載に基づいた運動の獲得月齢との関連を検討することとした。
【方法】
対象は乳児17名 (年齢: 10.1 ± 0.4ヵ月) と母親 (年齢: 30.6 ± 5.1歳) とした。全般的な発達の評価として、Kinder Infant Development Scale (KIDS) 乳幼児発達スケールのTYPE A (1~11ヵ月用) を用いて、運動、操作、理解言語、表出言語、対成人社会性、食事の領域得点について点数化した。日常生活動作の評価として、Pediatric Evaluation of Disability Inventory (PEDI) を用いて、機能的スキルのセルフケア、移動、社会的機能について点数化した。母子健康手帳の記載に基づいた乳児の定頸・寝返り・肘這い移動・(介助・上肢支持なしでの)座位といった過去の運動の獲得月齢、年齢、身長、体重、性別、出生時体重、また母親の年齢について質問紙を用いて評価した。
乳児の全般的な発達および日常生活動作と定頸、寝返り、肘這い移動、座位といった運動の獲得月齢との関連について、年齢、身長、体重、性別、出生時体重を調整変数としたステップワイズ法による重回帰分析を行った。
【結果】
重回帰分析の結果、KIDS乳幼児発達スケールの運動には年齢 (β = 0.64) が有意に関連した。PEDIの移動には座位の獲得月齢 (β = -0.55)、年齢 (β = 0.47) が有意に関連した。全般的な発達および日常生活動作のその他の領域においては、どの項目とも有意な関連がみられなかった。
【考察、結論】
乳児において、年齢が高いほど、KIDS乳幼児発達スケールの運動が高かった。座位の獲得月齢が早い、また年齢が高いほど、PEDIの移動領域が高いことが示された。座位の獲得には、頭頸部・体幹・股関節筋の筋力や立ち直り反応の向上が必要となる。座位の獲得による頭頸部・体幹・股関節の姿勢制御の向上がその後の立位や伝い歩き、独歩の獲得に寄与すると考えられる。
本研究の結果より、介助・上肢支持なしでの座位を一般的に獲得する時期、またはより早い時期に獲得することが、乳児のその後の日常生活動作 (移動) の発達に重要となっている可能性がある。そのような適切な時期に座位を獲得するために、理学療法士や保健師といった専門職による乳児、両親への効果的な支援や助言が必要である。
【倫理的配慮、説明と同意】
乳児が未成年のため、母親に研究内容についての説明を書面および口頭で行い、書面にて同意を得た。なお、本研究は大学における研究倫理委員会の承認を得て実施した。
地域での乳児を対象とした健診は今後の発達を経時的に追跡することで、早期からの乳児、両親への支援や助言につながるため重要である。3歳児健診後において、フォローアップの対象となった幼児は対象とならなかった幼児よりも、運動や認知、対人関係、日常生活動作が低下していることが報告されている (重島, 2025)。本研究の目的は、地域での健診を受けた乳児を対象に、全般的な発達および日常生活動作と母子健康手帳の記載に基づいた運動の獲得月齢との関連を検討することとした。
【方法】
対象は乳児17名 (年齢: 10.1 ± 0.4ヵ月) と母親 (年齢: 30.6 ± 5.1歳) とした。全般的な発達の評価として、Kinder Infant Development Scale (KIDS) 乳幼児発達スケールのTYPE A (1~11ヵ月用) を用いて、運動、操作、理解言語、表出言語、対成人社会性、食事の領域得点について点数化した。日常生活動作の評価として、Pediatric Evaluation of Disability Inventory (PEDI) を用いて、機能的スキルのセルフケア、移動、社会的機能について点数化した。母子健康手帳の記載に基づいた乳児の定頸・寝返り・肘這い移動・(介助・上肢支持なしでの)座位といった過去の運動の獲得月齢、年齢、身長、体重、性別、出生時体重、また母親の年齢について質問紙を用いて評価した。
乳児の全般的な発達および日常生活動作と定頸、寝返り、肘這い移動、座位といった運動の獲得月齢との関連について、年齢、身長、体重、性別、出生時体重を調整変数としたステップワイズ法による重回帰分析を行った。
【結果】
重回帰分析の結果、KIDS乳幼児発達スケールの運動には年齢 (β = 0.64) が有意に関連した。PEDIの移動には座位の獲得月齢 (β = -0.55)、年齢 (β = 0.47) が有意に関連した。全般的な発達および日常生活動作のその他の領域においては、どの項目とも有意な関連がみられなかった。
【考察、結論】
乳児において、年齢が高いほど、KIDS乳幼児発達スケールの運動が高かった。座位の獲得月齢が早い、また年齢が高いほど、PEDIの移動領域が高いことが示された。座位の獲得には、頭頸部・体幹・股関節筋の筋力や立ち直り反応の向上が必要となる。座位の獲得による頭頸部・体幹・股関節の姿勢制御の向上がその後の立位や伝い歩き、独歩の獲得に寄与すると考えられる。
本研究の結果より、介助・上肢支持なしでの座位を一般的に獲得する時期、またはより早い時期に獲得することが、乳児のその後の日常生活動作 (移動) の発達に重要となっている可能性がある。そのような適切な時期に座位を獲得するために、理学療法士や保健師といった専門職による乳児、両親への効果的な支援や助言が必要である。
【倫理的配慮、説明と同意】
乳児が未成年のため、母親に研究内容についての説明を書面および口頭で行い、書面にて同意を得た。なお、本研究は大学における研究倫理委員会の承認を得て実施した。
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