講演情報

[P4-08]大型商業施設を活用したフレイル予防体力測定会参加者の特徴と通いの場への展開可能性

*川口 香容1、龍神 正導2、兼田 絵美3、上城 憲司4、氏次 啓太5、小西 明未6 (1. 訪問看護ステーションはやしもと、2. 龍神整形外科、3. 東京医療保健大学、4. 宝塚医療大学、5. 伏虎リハビリテーション病院、6. 和歌山市健康局保険医療部地域包括支援課)
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キーワード:

フレイル予防、通いの場、商業施設

【目的】
近年,介護予防における通いの場の重要性が示されているが,既存の介護予防活動と接点を持たない高齢者も少なくない.本発表の目的は,大型商業施設で実施したフレイル予防体力測定会(以下,測定会)参加者の特徴を把握し,通いの場への参加支援および自主グループ形成への展開可能性を検討することである.
【方法】
対象は2026年にX市の大型商業施設で実施した測定会参加者とした.測定会ではInBodyによる骨格筋量測定,握力測定,立ち上がりテスト等を実施し,併せて参加者への自記式アンケート調査(年齢,性別,運動習慣,身体機能変化,長距離歩行困難等の移動の困りごと,運動意向,体操参加希望,地域活動の認知度等)を行った.統計解析にはSpearmanの順位相関係数を用いた.
【結果】
測定会の参加者は約200名であり,アンケート回答数は159名であった(回収率80%).このうち,60歳以上の137名(女性98名,男性39名)を解析対象とした.身体機能変化は,特にない55名の一方,歩行速度低下45名,疲れやすい38名など,衰えを自覚する者が多く認められた.地域の体操グループの未認知者は81名(59%)であったが,体操への参加希望者は123名(90%)に上った.相関分析の結果,年齢は歩行速度低下(ρ=.260)および長距離歩行困難(ρ=.241)と有意に関連していた.また,運動開始意向と体操参加希望に中等度の正の相関が認められた(ρ=.487).
【考察】
身体機能の変化について「特にない」と回答した自覚的な変化のない高齢者が存在する一方で,歩行速度低下や疲れやすさを自覚する者も認められた.このことから,測定会には機能低下の自覚がない層に加え,身体機能低下の兆候を有する高齢者も参加していたと考えられた. このような高齢者を早期に把握し,介護予防活動への参加につなげることが重要である. また,地域の体操グループを知らない参加者が約6割を占めた一方で,約9割が参加希望を示していたことから,地域活動の情報が届いていない高齢者へのアプローチの機会として,大型商業施設での測定会が有効である可能性が考えられた。運動開始意向と体操参加希望には中等度の正の相関が認められ,測定会は介護予防活動への参加意欲を有する高齢者を把握し,地域活動へつなぐ接点となる可能性が示唆された。 本取り組みでは,測定会を契機として同施設でフレイル予防スクールを実施し,終了後には自主グループ「つれもて健康体操」の立ち上げを予定している.今後は,自主グループへの移行状況を追跡し,本モデルの有効性を検証したい.
【結論】
大型商業施設でのフレイル予防体力測定会は,地域活動に関する情報が届いていない高齢者へのアプローチおよび通いの場への参加の契機となる可能性が示された.
【倫理的配慮】
アンケートは匿名で実施し,個人が特定されない形で分析を行った.発表にあたり不利益が生じないよう十分配慮した.

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