講演情報

[O15-05]地域へのリハビリテーション専門職派遣数と高齢者の地域組織参加:JAGESマルチレベル縦断研究

*井手 一茂1、野口 秦司2、飯塚 玄明1、渡邉 良太1,3、永井 宏達4、辻 大士5、山口 佳小里6、近藤 克則1,7、中込 敦士1 (1. 千葉大学、2. 浜松医科大学、3. 愛知淑徳大学、4. 兵庫医科大学、5. 筑波大学、6. 国立保健医療科学院、7. 医療経済研究機構)
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キーワード:

攻めの予防医療、ソーシャルキャピタル、地域リハビリテーション活動支援事業

【はじめに、目的】
近年、介護予防の機能強化に向けて、通いの場や地域ケア会議等へのリハビリテーション(以下、リハ)専門職の関与が推進されてきたがそのエビデンスは十分ではない。本研究は、リハ専門職を地域へ派遣している市町ほど、高齢者の地域組織参加数が多いかを明らかにすることを目的とした。
【方法】
厚生労働省の介護予防・日常生活支援総合事業等実施状況と日本老年学的評価研究(JAGES)データを用いた縦断研究である。対象は、要介護認定を受けておらず、JAGES2019・2022年度調査に回答した49市町の高齢者99,885人である。目的変数は2022年度の個人レベルの8種類(ボランティア、スポーツ、趣味、学習教養、特技伝達、通いの場、町内会、老人クラブ)の地域組織参加数(年数回以上)とした。説明変数は、2020年度の高齢者人口1,000人あたりの市町村からのリハ専門職(PT、OT、ST)派遣数とし、派遣先全体、通いの場、地域ケア会議の各派遣数を4分位(分位が高いほど派遣数が多い)に分類した。PTのみの追加分析も実施した。派遣先全体には、個人宅、事業所、通いの場、地域ケア会議、その他、派遣先不明を含めた。調整変数は2019年度の個人レベルの性、年齢、就労、地域組織参加数など13変数、市町レベルの都市度など4変数とした。統計学的分析は、マルチレベル線形回帰分析(レベル1:個人、レベル2:市町村)を用いた。
【結果】
高齢者人口1,000人あたりのリハ専門職派遣数の平均は、全体2.64回/1,000人、通いの場0.48回/1,000人、地域ケア会議0.48回/1,000人であった。分析の結果、地域ケア会議へのリハ専門職派遣数のみ正の関連がみられ、派遣数が最も少ない第1分位を参照群とした地域組織参加数の非標準化係数B(95%信頼区間,p値)は、第3分位0.10(0.02-0.17, 0.011)、第4分位0.22(0.11-0.31, <0.001)であった。PTでは、通いの場・地域ケア会議派遣数と地域組織参加数に正の関連がみられた。
【考察】
地域へのリハ専門職派遣数が多い市町村では、その後の高齢者の地域組織参加数が多かった。通いの場や地域ケア会議での地域課題・地域資源把握やネットワーク構築過程にリハ専門職が関わることで、地域組織に参加しやすい環境整備が進み、その市町に住む高齢者の地域組織参加が増加した可能性がある。
【結論】
PTをはじめ、リハ専門職による通いの場、地域ケア会議への関与は、高齢者の地域組織参加を促進する地域づくりに寄与する可能性がある。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は、ヘルシンキ宣言に則り、所属施設の倫理審査委員会の承認を受け、人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針を順守して実施した。対象者には、研究内容について説明し、参加同意を得ている。

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