講演情報
[P7-09]段階的離床支援により行動変容が認められた褥瘡患者の一症例
*堀 智成1、柳本 健介1、濱本 莉奈2、鹿林 まなみ2 (1. 医療法人社団生和会福山リハビリテーション病院 リハビリテーション部、2. 医療法人社団生和会福山リハビリテーション病院 看護部)
キーワード:
段階的離床、行動変容、NPWT
【はじめに】褥瘡治療においてNPWT(Negative Pressure Wound Therapy)は創傷環境改善や肉芽形成促進に有効とされるが、除圧の確保もまた治療の根幹である。しかし、精神疾患の既往や廃用による活動意欲の低下を有する症例では、体位変換・離床への拒否が持続し、除圧確保が困難となる場合がある。今回、段階的離床による行動変容を通じて除圧機会を創出し、褥瘡の改善が得られた症例を経験したため報告する。
【症例紹介】50歳代後半の女性。誤嚥性肺炎、廃用症候群にて入院。既往に双極性障害を有する。仙骨部に褥瘡を認め、NPWTが33日間施行された。初期評価はDESIGN-R30点、褥瘡面積121cm2であった。Braden Scaleは12〜13点、OHスケールは3〜4点で推移し、褥瘡リスクが継続して存在していた。日中の大半をベッドで過ごし、車椅子離床は1日40分程度に留まり、体位変換・離床への拒否的言動が認められた。問題点として、①持続的圧負荷、②離床機会の不足、③活動意欲および治療受容性の低下を抽出した。
【介入内容・結果】除圧の重要性を繰り返し説明するとともに、患者の受容度や心理状態を確認しながらティルトテーブルの使用や車椅子にて離床時間の漸次延長を図った。介入当初は離床や体位変換の拒否が認められたが、経過中には「今日は○分まで起きてみる」「頑張ってみようか」などの前向きな発言が聴取されるようになった。結果として褥瘡面積は121cm2から12.25cm2へ縮小し、DESIGN-Rは30点から17点へ改善した。また、NPWT施行期間中に仙骨部褥瘡の良好な肉芽形成を認めた。
【考察】褥瘡診療ガイドラインでは、除圧は褥瘡治療の基本であり、体位変換や離床による圧負荷軽減が重要とされている。本症例では、体位変換や離床への拒否による持続的圧負荷がNPWTの効果を十分に発揮できない一因となっていた可能性がある。また、既往の双極性障害が活動意欲や治療受容性に影響していた可能性も考えられた。理学療法による段階的離床介入は、除圧機会確保および離床に対する受容性向上に寄与した可能性がある。さらに、断続的な対話を通じて前向きな発言が認められたことから、患者の認識や行動に変化が生じた可能性が示唆された。段階的な離床経験の蓄積がNPWTによる創傷環境改善と相乗的に作用し、褥瘡改善につながったと考える。褥瘡管理において理学療法は除圧・離床支援のみにならず、患者の認識や行動変容を支援する役割を担うことが重要であり、本症例はその有用性を示す一例であると考えられた。
【倫理的配慮・説明と同意】症例本人は研究内容の十分な理解が困難であった。入院中の各種説明および同意取得についても家族を介して実施されていたため、本報告に際しては家族へ発表の目的および内容を説明し同意を得た。なお、個人情報保護に十分配慮し、所属施設の倫理的手続きに則り実施した。
【症例紹介】50歳代後半の女性。誤嚥性肺炎、廃用症候群にて入院。既往に双極性障害を有する。仙骨部に褥瘡を認め、NPWTが33日間施行された。初期評価はDESIGN-R30点、褥瘡面積121cm2であった。Braden Scaleは12〜13点、OHスケールは3〜4点で推移し、褥瘡リスクが継続して存在していた。日中の大半をベッドで過ごし、車椅子離床は1日40分程度に留まり、体位変換・離床への拒否的言動が認められた。問題点として、①持続的圧負荷、②離床機会の不足、③活動意欲および治療受容性の低下を抽出した。
【介入内容・結果】除圧の重要性を繰り返し説明するとともに、患者の受容度や心理状態を確認しながらティルトテーブルの使用や車椅子にて離床時間の漸次延長を図った。介入当初は離床や体位変換の拒否が認められたが、経過中には「今日は○分まで起きてみる」「頑張ってみようか」などの前向きな発言が聴取されるようになった。結果として褥瘡面積は121cm2から12.25cm2へ縮小し、DESIGN-Rは30点から17点へ改善した。また、NPWT施行期間中に仙骨部褥瘡の良好な肉芽形成を認めた。
【考察】褥瘡診療ガイドラインでは、除圧は褥瘡治療の基本であり、体位変換や離床による圧負荷軽減が重要とされている。本症例では、体位変換や離床への拒否による持続的圧負荷がNPWTの効果を十分に発揮できない一因となっていた可能性がある。また、既往の双極性障害が活動意欲や治療受容性に影響していた可能性も考えられた。理学療法による段階的離床介入は、除圧機会確保および離床に対する受容性向上に寄与した可能性がある。さらに、断続的な対話を通じて前向きな発言が認められたことから、患者の認識や行動に変化が生じた可能性が示唆された。段階的な離床経験の蓄積がNPWTによる創傷環境改善と相乗的に作用し、褥瘡改善につながったと考える。褥瘡管理において理学療法は除圧・離床支援のみにならず、患者の認識や行動変容を支援する役割を担うことが重要であり、本症例はその有用性を示す一例であると考えられた。
【倫理的配慮・説明と同意】症例本人は研究内容の十分な理解が困難であった。入院中の各種説明および同意取得についても家族を介して実施されていたため、本報告に際しては家族へ発表の目的および内容を説明し同意を得た。なお、個人情報保護に十分配慮し、所属施設の倫理的手続きに則り実施した。
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