講演情報

[O11-04]地域在住高齢者における通いの場参加と個人・環境因子の関連-JAGES2019横断研究-

*那須 高志1,2、井手 一茂3、久保田 圭佑4、対馬 栄輝5、近藤 克則3 (1. 越谷誠和病院リハビリテーション科、2. 弘前大学大学院保健学研究科総合リハビリテーション領域博士後期課程、3. 千葉大学予防医学センター、4. 埼玉県立大学研究開発センター、5. 弘前大学大学院保健学研究科)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

通いの場、環境因子、フレイル

【はじめに、目的】
通いの場は介護予防の施策として全国で展開されている.高齢者の行動は個人因子と環境因子との相互作用により規定されることが知られているが,通いの場参加に関連する環境因子については十分に検討されていない.環境因子を明らかにすることは,通いの場参加促進施策の検討に有用である.本研究の目的は,通いの場への定期的参加に関連する個人因子および環境因子を明らかにすることである.
【方法】
日本老年学的評価研究2019年横断データを用いた.対象は59市区町村に居住する要介護認定を受けていない地域在住高齢者143,032名とした.アウトカムは通いの場への週1回以上の参加とした.説明変数は年齢,性別,基本チェックリスト(KCL)得点,友人数,外出頻度,等価所得,学歴とした.環境因子は市区町村単位の平均気温,降水量,高齢者人口密度とした.市区町村をランダム効果としたマルチレベルロジスティック回帰分析を実施し,KCL得点と各環境因子との交互作用を検討した.さらに85歳以上においても同様に解析した.有意な交互作用は単純傾斜分析を行った.
【結果】
週1回以上の通いの場参加者は10,812名(7.6%)であった.全対象者のKCL得点は3.9±3.2点であった.85歳以上の対象者は9,075名,そのうち参加者は831名(9.2%)であり,KCL得点は6.3±4.0点であった.主効果モデルでは,高齢,女性,低KCL得点,友人数の多さ,外出頻度の高さ,中・高学歴が参加と有意に関連した.一方,中・高等価所得は参加と負の関連を示した.環境因子では平均気温が高い地域ほど参加と関連した.交互作用モデルではKCL得点と平均気温との負の交互作用が認められた.単純傾斜分析では,平均気温と参加との関連はKCL 0~9点で有意であり,KCL得点の上昇に伴い平均気温のオッズ比は低下した.一方,85歳以上では平均気温およびKCL得点と平均気温の交互作用は有意ではなく,友人数との関連を認めた.
【考察】
通いの場参加には個人因子に加え,平均気温が関連していた.平均気温の影響はフレイル状態によって異なり,フレイル傾向の低い高齢者ほど温暖な気候の恩恵を受けやすい可能性が示唆された.KCLスコアの上昇に伴い平均気温のオッズ比は低下していた.85歳以上では平均気温との関連を認めず,友人数との関連を認めたことから,超高齢者では物理的環境よりも友人ネットワークなどの社会的要因が通いの場参加に重要である可能性が示唆された.
【結論】
通いの場参加には個人因子に加え,平均気温が関連していた.また,平均気温とフレイル状態との交互作用が認められた.超高齢者では物理的環境より友人ネットワークなどの社会的要因が重要である可能性が示唆された.
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は筆頭演者の所属機関倫理審査委員会の承認を得て実施した.

コメント

コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン