講演情報
[O9-03]通所介護利用者におけるQOLとサービス満足度の関連-事業所特性に着目した探索的検討-
*山口 純汰1、久保田 圭祐1、島田 直宜1、熊谷 竜徳1、金村 尚彦2、上田 尚学3、久良木 遼3、山田 恵子4,5,6 (1. 埼玉県立大学研究開発センター、2. 埼玉県立大学保健医療福祉学部理学療法学科、3. 株式会社 Rehab for Japan、4. 埼玉県立大学共通教育科、5. 東京都立大学健康福祉学部理学療法学科、6. 東京大学医学部附属病院リハビリテーション部)
キーワード:
通所介護、Quality of Life、利用者満足度
【はじめに、目的】
介護現場では人材不足が深刻化しており、介護業務支援ソフトなどの介護テクノロジー導入による業務効率化が期待されている。業務効率化により利用者への直接的ケアやコミュニケーション時間が増加すれば、利用者満足度やQuality of Life(QOL)の向上につながる可能性がある。一方、利用者満足度はQOLのみで規定されるものではなく、事業所特性などの影響を受ける可能性がある。本研究の目的は、通所介護利用者におけるQOLとサービス満足度との関連を明らかにし、事業所別の関連の違いを探索的に検討することである。
【方法】
対象は通所介護事業所10施設を利用する高齢者153名とした。QOL評価にはWHO-QOL26を用い、逆転項目を処理した上で合計得点を算出した。サービス満足度は、職員対応、介助、送迎、機能訓練、施設環境等に関する10項目からなるSAT10を用い、合計得点を算出した。QOL26合計点とSAT10合計点の関連について、全対象者を統合した解析および事業所別解析を行い、Spearmanの順位相関係数を算出した。
【結果】
全対象者を統合した解析では、QOL26合計点とSAT10合計点との間に中等度の正の相関を認めた(ρ=0.475,N=153)。事業所別解析では、事業所1のみ有意な正の相関を認めた(ρ=0.756,p=0.003,n=13)。その他の事業所では有意な関連を認めなかったが、事業所5、7、8、9では正の相関傾向を示した。なお、事業所3および10は対象者数が少なく解釈に注意を要した。
【考察】
全体解析では、QOLが高い利用者ほどサービス満足度も高い傾向が示され、QOLと満足度が一定の関連を有する可能性が示唆された。一方、事業所別では関連の強さは一様でなく、有意な関連を認めたのは事業所1のみであった。事業所1は比較的軽度者が多く、午前・午後の2単位制で入浴サービスを有しない事業所であり、利用者が自身の身体機能や活動状況を自覚しやすく、QOLが満足度に反映されやすい可能性がある。しかし、類似した特徴を有する事業所でも有意な関連を認めず、事業所特性のみで説明することは困難であった。
【結論】
通所介護利用者においてQOLとサービス満足度には関連が認められたが、その関連の強さは事業所によって異なった。利用者満足度はQOLのみでなく、サービス内容や利用者背景など多面的要因の影響を受ける可能性がある。介護テクノロジー導入効果の検証では、全体評価に加え事業所特性を踏まえた検討が重要である。今後は介護業務支援ソフト導入前後の縦断的評価を行い、業務効率化が利用者QOLおよび満足度に及ぼす影響を検証する必要がある。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は倫理審査委員会の承認を得て実施した。対象者には研究目的等を説明し同意を得た。データは匿名化し、個人が特定されないよう配慮した。
介護現場では人材不足が深刻化しており、介護業務支援ソフトなどの介護テクノロジー導入による業務効率化が期待されている。業務効率化により利用者への直接的ケアやコミュニケーション時間が増加すれば、利用者満足度やQuality of Life(QOL)の向上につながる可能性がある。一方、利用者満足度はQOLのみで規定されるものではなく、事業所特性などの影響を受ける可能性がある。本研究の目的は、通所介護利用者におけるQOLとサービス満足度との関連を明らかにし、事業所別の関連の違いを探索的に検討することである。
【方法】
対象は通所介護事業所10施設を利用する高齢者153名とした。QOL評価にはWHO-QOL26を用い、逆転項目を処理した上で合計得点を算出した。サービス満足度は、職員対応、介助、送迎、機能訓練、施設環境等に関する10項目からなるSAT10を用い、合計得点を算出した。QOL26合計点とSAT10合計点の関連について、全対象者を統合した解析および事業所別解析を行い、Spearmanの順位相関係数を算出した。
【結果】
全対象者を統合した解析では、QOL26合計点とSAT10合計点との間に中等度の正の相関を認めた(ρ=0.475,N=153)。事業所別解析では、事業所1のみ有意な正の相関を認めた(ρ=0.756,p=0.003,n=13)。その他の事業所では有意な関連を認めなかったが、事業所5、7、8、9では正の相関傾向を示した。なお、事業所3および10は対象者数が少なく解釈に注意を要した。
【考察】
全体解析では、QOLが高い利用者ほどサービス満足度も高い傾向が示され、QOLと満足度が一定の関連を有する可能性が示唆された。一方、事業所別では関連の強さは一様でなく、有意な関連を認めたのは事業所1のみであった。事業所1は比較的軽度者が多く、午前・午後の2単位制で入浴サービスを有しない事業所であり、利用者が自身の身体機能や活動状況を自覚しやすく、QOLが満足度に反映されやすい可能性がある。しかし、類似した特徴を有する事業所でも有意な関連を認めず、事業所特性のみで説明することは困難であった。
【結論】
通所介護利用者においてQOLとサービス満足度には関連が認められたが、その関連の強さは事業所によって異なった。利用者満足度はQOLのみでなく、サービス内容や利用者背景など多面的要因の影響を受ける可能性がある。介護テクノロジー導入効果の検証では、全体評価に加え事業所特性を踏まえた検討が重要である。今後は介護業務支援ソフト導入前後の縦断的評価を行い、業務効率化が利用者QOLおよび満足度に及ぼす影響を検証する必要がある。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は倫理審査委員会の承認を得て実施した。対象者には研究目的等を説明し同意を得た。データは匿名化し、個人が特定されないよう配慮した。
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