講演情報
[P1-08]地域リハビリテーション活動支援事業への参画
~評価を通して見えた多面的課題~
*村松 優仁1、片山 弘紀1、野口 光1、坪井 歩1、久野 智彦2 (1. すずかけヘルスケアホスピタル リハビリテーション技術部 、2. すずかけヘルスケアホスピタル 医局)
キーワード:
地域リハビリテーション活動支援事業、フレイル、リハビリテーション専門職
【はじめに】
地域リハビリテーション活動支援事業として磐田市では2023年度よりリハビリテーション専門職(以下,リハ専門職)が,地域包括支援センター職員と自宅を訪問し,専門的な知見からケアマネジメントへの助言や指導を支援している.当院は事業開始時より参画してきたが,リハ専門職としては事業対象者の実態を明らかにできていない.本報告ではアセスメント同行訪問におけるフレイルの実態とリハ専門職による評価結果を報告し,考察を交え今後の課題を述べる.
【対象と方法】
2025年6月~2026年6月の期間に地域リハビリテーション活動支援事業において同行訪問を実施し基本チェックリストが提出された者.32名(男性9名,女性23名)を対象とした.調査は年齢,介護度,基本チェックリスト(KihonCheckList;KCL)内訳,支援提案結果.身体機能評価は握力, 下腿周囲長,5回椅子立ち上がりテスト(5CS),片脚立位時間とした.各項目について平均値,標準偏差,中央値,割合等を算出し,対象者の特徴を記述的に分析した.
【結果】
年齢82.5±5.4歳.事業対象者:20名(62.6%)要支援1:9名(28.1%)要支援2:3名(9.4%) KCL10.8±3.5点, KCL8点以上26名(81.2%),KCLによるフレイル分類は運動器機能23名(71.9%)低栄養3名(6.3%)口腔機能12名(37.5%)閉じこもり5名(15.6%)認知機能17名(53.1%)うつ傾向19名(59.4%).握力右:19.3±6.3kg,左:18.0±6.7kg.下腿周囲長右:319.4±36.8mm,左:321.4±37.8mm.5CS:12.4 sec(IQR13.6-10.6).片脚立位時間右:3.8 sec(IQR6.8-1.6)左:3.5 sec(IQR7.7-1.7).支援提案の結果はセルフケア6名(18.8%),短期集中予防事業17名(53.1%),医療機関受診9名(28.1%)介護予防サービス0名(0%).
【考察】
フレイルと判定された者(KCL8点以上)は約8割を占め,運動器機能に加え,認知機能およびうつ傾向の課題を併せ持つ者が多く認められ,身体機能評価については片脚立位時間が左右共に3 secと短い結果となった.先行研究ではうつ傾向,認知機能低下は転倒リスクを高める要因として報告されており,認知機能面と心理面の課題を併せ持つ多面的なフレイル集団かつ,転倒ハイリスク集団である可能性が示唆された.また,閉じこもりは15.6%と少ない値であり,利用者の課題に合った社会参加が成されていない可能性がある.
【課題】
現時点では転倒歴や転倒不安感までは把握しておらず,精神心理面における転倒リスクの考察が不十分である.また,フレイルの多面的な要素に合わせた社会参加支援が成されているのか不明である.今後より具体的な特徴を捉え,リハ専門職が支援に生かすために多面的な要素に起因した転倒リスクの分析と,社会参加の状況について追跡調査が必要である.
【倫理的配慮】
本研究は筆頭演者が所属する施設の研究倫理審査委員会にて承認を受けた.
地域リハビリテーション活動支援事業として磐田市では2023年度よりリハビリテーション専門職(以下,リハ専門職)が,地域包括支援センター職員と自宅を訪問し,専門的な知見からケアマネジメントへの助言や指導を支援している.当院は事業開始時より参画してきたが,リハ専門職としては事業対象者の実態を明らかにできていない.本報告ではアセスメント同行訪問におけるフレイルの実態とリハ専門職による評価結果を報告し,考察を交え今後の課題を述べる.
【対象と方法】
2025年6月~2026年6月の期間に地域リハビリテーション活動支援事業において同行訪問を実施し基本チェックリストが提出された者.32名(男性9名,女性23名)を対象とした.調査は年齢,介護度,基本チェックリスト(KihonCheckList;KCL)内訳,支援提案結果.身体機能評価は握力, 下腿周囲長,5回椅子立ち上がりテスト(5CS),片脚立位時間とした.各項目について平均値,標準偏差,中央値,割合等を算出し,対象者の特徴を記述的に分析した.
【結果】
年齢82.5±5.4歳.事業対象者:20名(62.6%)要支援1:9名(28.1%)要支援2:3名(9.4%) KCL10.8±3.5点, KCL8点以上26名(81.2%),KCLによるフレイル分類は運動器機能23名(71.9%)低栄養3名(6.3%)口腔機能12名(37.5%)閉じこもり5名(15.6%)認知機能17名(53.1%)うつ傾向19名(59.4%).握力右:19.3±6.3kg,左:18.0±6.7kg.下腿周囲長右:319.4±36.8mm,左:321.4±37.8mm.5CS:12.4 sec(IQR13.6-10.6).片脚立位時間右:3.8 sec(IQR6.8-1.6)左:3.5 sec(IQR7.7-1.7).支援提案の結果はセルフケア6名(18.8%),短期集中予防事業17名(53.1%),医療機関受診9名(28.1%)介護予防サービス0名(0%).
【考察】
フレイルと判定された者(KCL8点以上)は約8割を占め,運動器機能に加え,認知機能およびうつ傾向の課題を併せ持つ者が多く認められ,身体機能評価については片脚立位時間が左右共に3 secと短い結果となった.先行研究ではうつ傾向,認知機能低下は転倒リスクを高める要因として報告されており,認知機能面と心理面の課題を併せ持つ多面的なフレイル集団かつ,転倒ハイリスク集団である可能性が示唆された.また,閉じこもりは15.6%と少ない値であり,利用者の課題に合った社会参加が成されていない可能性がある.
【課題】
現時点では転倒歴や転倒不安感までは把握しておらず,精神心理面における転倒リスクの考察が不十分である.また,フレイルの多面的な要素に合わせた社会参加支援が成されているのか不明である.今後より具体的な特徴を捉え,リハ専門職が支援に生かすために多面的な要素に起因した転倒リスクの分析と,社会参加の状況について追跡調査が必要である.
【倫理的配慮】
本研究は筆頭演者が所属する施設の研究倫理審査委員会にて承認を受けた.
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