講演情報

[P8-04]通いの場参加者の心身機能における長期軌跡と良好経過予測因子の検討
―3時点縦断データを用いた分析―

*上田 寛人1,5、阿部 高家1,5、原田 理恵1,5、那須 高志2,5、久保田 圭祐3、濱口 豊太3、古澤 浩生4,5、天草 弥生1 (1. リハビリテーション天草病院 リハビリテーション部、2. 越谷誠和病院 リハビリテーション科、3. 埼玉県立大学 研究開発センター、4. リハビリテーション天草病院 事業推進部、5. 越谷市リハビリテーション連絡協議会)
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キーワード:

通いの場、基本チェックリスト、3時点評価

【はじめに・目的】
越谷市の通いの場では、6か月間の参加により、基本チェックリスト(KCL)および30-sec chair stand test(CS-30)が改善することが報告されている。また、長期参加者では比較的良好な機能維持も報告されている。しかし、これらの報告の多くは2時点評価に基づくものであり、長期経過の過程は十分に明らかになっていない。そこで本研究では、開始時、6か月後、4~5年後の3時点データを用いて長期軌跡を分類し、2時点評価では捉えられない通いの場参加者の経過パターンを明らかにするとともに、良好な経過を示す対象者の特徴および予測可能性について検討した。
【方法】
開始時、6か月後、4~5年後の3時点データを有する通いの場参加者を対象とした後ろ向き縦断研究とした。アウトカムはKCL総合点、TUG、片脚立位平均時間、CS-30とした。各アウトカムについて3時点の変化を検討した後、改善維持群、改善低下群、長期低下群、遅延改善群、その他群の5群に軌跡分類した。さらに、2022年度評価時点で開始時以上を維持した者を長期良好群と定義した。長期良好群および改善維持群を目的変数とし、KCL総合点モデルと領域別データを含むモデルを構築し、ROC解析で識別能を評価した。
【結果】
症例数はKCL95例、TUG74例、片脚立位103例、CS-30 100例であった。長期良好群の割合はKCL38.9%、TUG27.0%、片脚立位34.0%、CS-30 51.0%、改善維持群はそれぞれ17.9%、20.3%、23.3%、 38.0%であった。軌跡分類では、TUGにおいて改善低下群(37.8%)および長期低下群(28.4%)が多く、CS-30では改善維持群(38.0%)が最も多かった。予測解析では、KCL領域別データを含むモデルが総合点モデルより高い識別能を示し、AUCは0.766~0.904であった。
【考察】
本研究では、3時点評価により、通いの場参加者の長期経過は一様ではなく、改善低下群や長期低下群を含む多様な軌跡を示すことが明らかとなった。特にTUGでは改善低下や長期低下が多く、CS-30では改善維持群が多かった。また、良好な軌跡を示す参加者は開始時のデータから一定程度識別可能であることが示唆された。
【結論】
3時点評価により、2時点評価では捉えられない通いの場参加者の多様な長期軌跡が明らかとなった。また、KCL領域別データは長期良好群および改善維持群の識別に有用であり、良好な経過をたどる対象者の特徴把握に寄与する可能性が示唆された。
【倫理的配慮、説明と同意】
所属施設における倫理審査会で承認後に実施した(承認番号:25101)。また、研究協力者には書面及び口頭にて研究目的や方法について説明し、自由意志のもと、書面で同意を得た。

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