講演情報

[P8-05]訪問リハビリテーションから通いの場への移行支援について-移行群と非移行群との比較検討-

*岡﨑 和輝1、尾形 恵1、清水 真弓1、畑林 大貴1、横田 祥吾1 (1. 洛和会音羽リハビリテーション病院 医療介護サービスセンター 訪問リハビリテーション)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

通いの場、社会参加、訪問リハビリテーション

【はじめに、目的】
厚生労働省は高齢者の介護予防および社会参加の促進を目的として「通いの場」への参加やその拡充を推進している。身体機能の低下が通いの場への参加に関連することが報告されているが、臨床現場では身体機能が一定水準以上であっても通いの場への移行に至らない利用者を経験する。今回、当院訪問リハビリテーション利用者で通いの場への移行群と非移行群を比較し、身体機能以外の移行関連要因を検討した。
【方法】
対象は当院訪問リハビリテーション利用者で、移行群と非移行群それぞれ2例ずつの4例である。対象選定は、先行研究に基づきSPPB6点以上、FIMの歩行項目6点以上の条件を満たす症例とした。調査項目は年齢、疾患、興味関心チェックシート(以下、チェックシート)およびICFの環境因子、個人因子とした。加えて、Walk Score®︎(住所入力で商業施設などの近隣施設まで、徒歩で通える程度を100点満点で評価するサービス)を算出し、移行群と非移行群の特徴を比較検討した。
【結果】
移行群はいずれも家族が通いの場へ同行していた。Walk Score®︎は80点と68点であった。1例のチェックシートは他者との交流、歌を歌う、など複数の活動に関心を示した。もう1例はカラオケを趣味とし、過去に地域のカラオケサークルへ参加経験があり、2例とも音楽関連の通いの場へ移行した。
非移行群の1例はWalk Score®92点であった。友人と食事、買い物など外出意欲は認められたが、「他人との交流が苦手」との発言がみられた。もう1例は独居で家族支援が得られず、Walk Score®は48点であった。またチェックシートにおける関心項目は認められなかった。
【考察】
移行群では家族支援に加え、多様な興味関心や地域活動経験が認められた。また、周辺環境に通いの場があるなどの環境因子も移行を促進したと考えられた。
先行研究では、自宅周辺に通いの場や活動機会となる地域資源が乏しい場合、社会参加が制限されやすいことが報告されている。本検討においても、Walk Score®48点で独居かつ家族支援が得られなかった症例では移行に至らなかった。
一方、Walk Score®92点と地域環境に恵まれ、外出意欲もある症例においては移行に至らなかった。対人交流への抵抗があり、加えて本人の興味関心に合う通いの場が地域内で見出せなかった。これらの結果から、通いの場の移行には身体機能といった要因に加え、興味関心や参加意欲などの個人因子、さらに家族支援を含む環境因子が複合的に関与することが示唆された。
【結論】
通いの場への移行支援において、身体機能や地域環境の評価に加え、利用者の興味関心を把握し、個々の特性に応じた選定・提案が移行促進に寄与する。
【倫理的配慮】
本報告に際して、対象の個人情報保護とプライバシーに配慮し、十分な説明を行った後に書面にて同意を得た。

コメント

コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン