講演情報

[S2-02]訪問リハビリテーション修了に至るプロセスと支援の特徴
-診療録を用いた後方視的研究(SCAT分析)-

*岩田 優月1、舘山 紘希1、小宮山 隼也1、古山 つや子1、小泉 楓1、杉本 諭2 (1. 武蔵台病院 リハビリテーション課、2. 東京国際大学 医療健康学科)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

訪問リハビリテーション、修了支援、移行支援

【目的】
地域包括ケアシステムの推進に伴い、訪問リハビリテーション(以下、訪問リハ)には在宅生活支援に加え、通所系サービスへの移行支援が求められている。しかし、移行プロセスや支援内容の体系的な知見は十分ではない。本研究では目標達成による終了、通所系サービスへの移行を修了と定義し、修了者のプロセスと支援の特徴を明らかにすることを目的とした。
【方法】
2025年4月から2026年3月までに当院訪問リハを修了した29名を対象とした。診療録から修了理由、修了後の利用サービス、支援内容を収集し、自由記載をテクストデータとして抽出した。分析にはSCAT(Steps for Coding and Theorization)を用い、各症例の修了プロセスをストーリーラインとして構築した。さらに症例間で比較・統合し、修了プロセスの共通点、修了支援の特徴及び修了類型を抽出した。
【結果】
SCAT分析の結果、訪問リハ修了者は「目標達成支援型」(以下、目標達成型)6名、「セルフマネジメント支援型」(以下、マネジメント型)7名、「通所系サービスへの移行支援型」(以下、移行支援型)16名に分類された。目標達成型では、日常生活動作(以下、ADL)は概ね自立しており、手段的日常生活動作の獲得を目標とする症例が多く、身体機能改善及び動作練習による目標動作の獲得により修了に至っていた。マネジメント型では、慢性的な疼痛や活動量低下によりADLに支障がある症例が多く、自主トレーニングなどのセルフマネジメント獲得により疼痛軽減及びADLの改善が得られ、修了に至っていた。移行支援型では退院直後などで介助が必要な症例が多く、動作獲得及び介助量軽減を達成後に在宅生活の継続を見据え、身体機能の維持・向上や社会参加機会の確保、家族のレスパイトを目的に通所系サービスへの移行に至っていた。
【考察】
修了プロセスは3類型に分類され、必要な修了支援の特徴が異なっていた。目標達成型では具体的な生活目標の設定と生活場面に即した実践的な支援が重要であった。マネジメント型では修了を見据えて自主トレーニング表の配布を行うことや、ポジティブフィードバックなどにより行動変容を促す関わり方が重要であった。移行支援型ではADLの獲得及び介助量軽減を行うことに加え、修了後の在宅生活の継続や地域生活への移行を見据えたサービス調整を行うことが重要であった。訪問リハには身体機能改善のみではなく、在宅生活を安定させた後の地域生活への移行支援が有用である可能性が示唆された。
【結論】
訪問リハの修了プロセスは3つに分類された。利用者の特徴に応じた修了支援の方向性を整理することは、訪問リハに従事する療法士の臨床判断の一助となる可能性があると考える。
【倫理的配慮】
本研究は筆頭演者が所属する施設の研究倫理委員会にて承認を受けた(承認番号2026002)。

コメント

コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン