講演情報

[P9-09]訪問リハビリ利用高齢者における標準化評価の実施可能性
―評価困難例の特徴に着目して―

*浦澤 純一1 (1. 加茂病院 リハビリテーションセンター)
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キーワード:

訪問リハビリ、標準化評価、実施可能性

【はじめに】訪問リハビリでは利用者の生活課題や目標に応じた評価が求められる。近年、地域理学療法学分野ではコアアウトカムが提唱されているが、訪問リハビリ利用者では身体機能や生活環境の多様性から標準化評価の実施が困難な場合がある。そこで本研究では、訪問リハビリ利用高齢者における標準化評価の実施状況と評価困難例の特徴を検討した。
【方法】地域理学療法学会のコアアウトカムを参考に、握力、2ステップテスト、片脚立位時間、Barthel Index(以下BI)を評価した。各評価は安全に実施できた場合を評価可能と定義した。
【対象】2025年5月から2026年5月までに当院訪問リハビリを利用し、2か月以上継続利用した28名を対象とした。内訳は独歩15名、杖歩行6名、歩行器歩行4名、車椅子3名、平均年齢84.1±7.5歳、男性16名、女性12名であった。
【結果】握力およびBIは全28名で評価可能であった。一方、初回評価時に2ステップテストは8名(28.6%)、片脚立位は9名(32.1%)で評価可能であった。継続介入中に評価可能となった利用者を含めると、2ステップテストは13名(46.4%)、片脚立位は14名(50.0%)で評価可能となった。2ステップテスト評価可能例の平均BIは86.9点であり、実施困難例の68.2点と比較して高値であった。片脚立位においても同様に、評価可能例の平均BIは85.0点であり、実施困難例の68.1点より高値であった。また、評価可能例は独歩または杖歩行の利用者が大半を占めたのに対し、実施困難例には歩行器歩行例や車椅子利用例が多く含まれていた。経過中に評価可能となった症例では、独歩例の2ステップテストは1~3か月、片脚立位は全例2か月で評価可能となった。杖歩行例では、2ステップテストは3~6か月、片脚立位は1~5か月で評価可能となった。
【考察】握力およびBIは全例で評価可能であった一方、2ステップテストおよび片脚立位は継続介入後も約半数で実施困難であった。また、評価可能例は実施困難例と比較してBIが高く、これらの評価には一定以上の移動能力やADL能力が必要である可能性が示唆された。さらに、初回評価時に実施困難であった利用者の一部は介入継続により評価可能となっており、評価の実施可能性は経時的に変化しうるものと考えられた。そのため、訪問リハビリにおいては対象者の機能レベルに応じた評価指標の選択と継続的な再評価が重要である。
【倫理的配慮】本研究は所属施設の研究倫理審査委員会の承認を受けて実施した。

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