講演情報

[P6-08]生活期片麻痺患者の立脚期即時変容と定着への課題 ―マーカレスモーションキャプチャを用いた定量的検証―

*比嘉 蒼月1、伊藤 実央2、安川 徹3,2、古澤 浩生2、山崎 弘嗣4、天草 弥生5 (1. シルバーケア敬愛 リハビリテーション部、2. 医療法人敬愛会リハビリテーション天草病院リハビリテーション部、3. 埼玉県立大学大学院保健医療福祉学研究科、4. 埼玉県立大学大学院保健医療福祉学部理学療法学科、5. 医療法人敬愛会リハビリテーション天草病院医局)
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キーワード:

生活期片麻痺、歩行、マーカレスモーションキャプチャ

【はじめに、目的】 生活期脳卒中片麻痺患者の屋内転倒予防は在宅生活維持に重要である。本症例は左立脚後期の股関節伸展低下を呈し、転倒リスクが増大していた。本目的は、麻痺側股関節周囲筋の促通を主とした介入が、立脚期の安定性向上に与える影響を定量的に検証することである。
【症例紹介、評価結果と問題点】 症例は生活期左片麻痺患者で、60代女性(Brunnstrom recovery stageⅣ、日常生活自立度A1、要介護2)である。ADLは多点杖と短下肢装具(SLB)を使用し屋内歩行は自立している。介入前、Trunk Impairment Scale(TIS)は16/23点で動的在バランス、協調動作の選択的項目で減点を認めた。左股関節伸展可動域は10°、徒手筋力テスト(MMT)は2であった。また、近位部の支持評価として支持物併用両膝立ち保持は中等度介助を要し、支持物なしの片脚立位は保持困難であった。また、マーカレスモーションキャプチャを用いて直線10m歩行を3回計測した(以下、平均値±標準偏差で表記)。介入前の左立脚後期股関節角度は屈曲0.9±2.3°、同周期体幹左回旋角度は6.3±1.8°であった。以上より、問題点は左股関節伸展低下と下部体幹の機能低下による立脚期の安定性不良であると評価した。
【介入内容と結果】 介入は20分間実施した。両膝立ちは膝の負担を考慮し評価に留めた。内容は①側臥位での左股関節伸展運動、②端座位でのお尻歩きによる下部体幹の回旋促通、③立位での右体幹伸展および骨盤前方推進運動を段階的に実施した。介入後、TISは18点に改善(動的在バランス、協調動作の下部体幹回旋項目に各1点)し、左股関節伸展はMMT2のままであったが筋出力の向上を認めた。介助下での両膝立ち保持、支持物併用左片脚立位においても一時的な手放しが可能となった。歩行分析では、左立脚後期股関節角度が伸展3.6±2.0°と即時改善を認めた一方、同周期の体幹左回旋角度は7.0±1.8°であった。
【考察】 下部体幹筋群の活性化および股関節への介入により、立脚後期の骨盤前方移動が促され、股関節伸展角度の即時改善に繋がったと考えられた。一方、体幹左回旋角度は増大しており、獲得した股関節運動に対する下部体幹の協調制御が不十分であった可能性が示唆された。TISにおいても体幹回旋の協調項目が残存しており、初期評価と一致する結果であった。今後は股関節改善に加え、歩行場面における体幹の動的制御を高める課題特異的アプローチが必要と考える。
【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は筆頭演者が所属する法人の倫理審査委員会にて承認を受けた。対象者には、書面および口頭にて発表の趣旨、個人情報保護について説明し、同意の署名を得た。

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