講演情報

[S2-03]訪問看護ステーションにおける訪問頻度の違いが長期的ADLに及ぼす影響:FIMを用いた後ろ向き縦断研究

*大山 永晃1,2、須藤 丈智2 (1. 群馬医療福祉大学 リハビリテーション学部 理学療法専攻、2. 訪問看護ステーション グリーン)
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キーワード:

訪問頻度、FIM、後ろ向き縦断研究

【はじめに、目的】
高齢者が在宅での生活を継続する上で、ADLの維持・向上を図る一助として、訪問看護ステーションの役割が期待されている。これまで先行研究において、6ヶ月程度の短期的なADL能力の経過などは報告されているものの、訪問頻度の違いや長期的なADL能力に及ぼす影響に関する研究は十分ではない。そこで本研究の目的は、訪問サービス開始から12ヶ月時点までを縦断的に解析し、訪問頻度別の対象者の特性やADLへの影響を検証することである。
【方法】
対象は当事業所にて、FIMの記録を開始した2017年10月から2026年1月までに訪問サービスを受けた者とし、進行性疾患等を除外した348名(78.2±12.2歳)を縦断的に解析した。毎週の平均訪問頻度に基づき、週1回群(203名)、週2回群(119名)、週3回以上群(26名)の3群に分類した。FIMは、開始時、6ヶ月時点、12ヶ月時点に測定した。統計解析として、開始時FIMの3群間比較に一元配置分散分析を用いた。また、開始時から6ヶ月時点まで継続した対象者の2時点(270名)、および12ヶ月時点まで継続した対象者の3時点(214名)の縦断的変化について、分割プロット分散分析を行った。
【結果】
対象者全体のサービス継続率は、6ヶ月時点で77.6%(270名)、12ヶ月時点で61.5%(214名)であった。群間別のサービス継続率は、12ヶ月時点で週1回群60.6%(123名)、週2回群68.1%(81名)、週3回以上群38.5%(10名)であった。開始時のFIM合計点は週1回群101.1±22.7点、週2回群98.0±22.9点、週3回以上群78.2±31.2点であり、3群間に有意差を認め(p<0.01)、週3回以上群は他の2群に比して有意に低値を示した(p<0.01)。分割プロット分散分析の結果、6ヶ月および12ヶ月時点のいずれの解析においても、3群間のFIMの差は有意であったが(6ヶ月時点 p<0.01、12ヶ月時点 p<0.01)、時間の経過による変化や各群の経過の違いに有意な差は認められなかった。
【考察】
今回の結果から、重度者に対して週3回以上の訪問サービスが配分されている実態が示された。また、6ヶ月および12ヶ月時点のいずれも時間の経過による変化や各群の経過の違いに有意差がなかったことは、在宅ADLを低下させずに維持できていることを示唆する。ただし、各群のサンプルサイズに偏りがある点や、今回の解析対象が12ヶ月間サービスを継続できた集団である点から、結果の一般化や解釈には慎重を要する。今後は他サービスの利用状況や同居家族の有無など、情報を網羅的に収集し、FIMの変化に関わる要因について多変量解析等を用いて検討していく予定である。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究はヘルシンキ宣言に基づき計画し、群馬医療福祉大学の研究倫理審査委員会の承認を得て行った(承認番号:RS25-31)。また、事業所内およびホームページへの文書掲示によるオプトアウトを用いて、対象者への自由意思による参加・同意撤回の機会を保障した。

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