講演情報

[O14-05]地域在住高齢者における軽度認知障害に対する基本チェックリスト認知機能領域3項目の相対的寄与の検討

*菊地 雄貴1、中野 英樹2、合田 明生3、堀江 淳2、白岩 加代子2、安彦 鉄平2、葛迫 剛2、村田 伸2 (1. 森ノ宮医療大学 総合リハビリテーション学部 理学療法学科、2. 京都橘大学 健康科学部 理学療法学科、3. 北陸大学 医療保健学部 理学療法学科)
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キーワード:

軽度認知障害、基本チェックリスト認知機能領域、地域在住高齢者

【目的】
認知症予防においては、早期発見・早期介入が重要であり、地域における簡便かつ効率的なスクリーニング方法の確立が求められる。厚生労働省が作成した基本チェックリストには、認知機能低下による要介護リスクを把握するための認知機能領域が含まれている。しかし、認知機能領域を構成する3項目が、軽度認知障害(MCI)とどの程度関連するかを比較検討した報告は限られている。本研究では、地域在住高齢者におけるMCIと基本チェックリスト認知機能領域(KCL-CF)の回答状況との関連について、3項目の相対的寄与に着目して検討することを目的とした。
【方法】
対象は、健康調査に参加した地域在住高齢者845名とした。認知機能はMini-Mental State Examination(MMSE)を用いて評価し、27点以下をMCIの疑いあり(MCI群)、28点以上を正常(正常群)として分類した。なお、MMSEが23点以下の者は認知症の疑いがあると判断し、評価の信頼性を担保するため解析から除外した。KCL-CFは、周りの人から「いつも同じことを聞く」などの物忘れがあるといわれますか(KCL#18)、自分で電話番号を調べて、電話をかけることをしていますか(KCL#19)、今日が何月何日かわからない時がありますか(KCL#20)の3項目とし、それぞれの回答状況を解析に用いた。統計学的解析では、従属変数をMCIの有無、独立変数を性別、年齢、教育歴、KCL-CFの回答状況とした二項ロジスティック回帰分析(強制投入法)を実施した。性別、年齢、教育歴を投入したModel 0を参照モデルとし、Model 1にKCL#18、Model 2にKCL#19、Model 3にKCL#20、Model 4にKCL-CFの3項目、Model 5にKCL-CF合計点を加えた。統計学的解析にはRStudioを用い、有意水準は5%とした。
【結果】
すべてのモデルにおいて、MCIと性別、年齢、教育歴との有意な関連を認めた。KCL-CF各項目を個別に投入したモデルでは、KCL#19のみがMCIと有意に関連していた(オッズ比=2.216, p=0.002)。また、KCL#18、KCL#19、KCL#20を同時に投入したModel 4においても、KCL#19のみが有意な関連を示した(オッズ比=2.148, p=0.004)。
【考察】
KCL-CFの3項目のうち、KCL#19は地域在住高齢者におけるMCIと一貫して関連していた。KCL#19は、電話番号を調べて電話をかけるという日常生活上の行為を問う項目であり、単なる記憶の問題だけでなく、遂行機能やIADLを含む複合的な認知・生活機能を反映している可能性がある。
【結論】
地域におけるMCIリスクのスクリーニングにおいて、KCL-CFの中でもKCL#19に着目する意義が示唆された。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は、ヘルシンキ宣言に則り、京都橘大学研究倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号:18-26)。また、参加者には研究内容を口頭および書面で説明し、同意のうえで研究を実施した。

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