講演情報
[P8-06]「通いの場」参加者の継続支援に向けた離脱リスク予測の検討
―心理的側面を含む開始時評価の有用性―
*小澤 真美子1,2、阿部 高家1,2、中村 紗恵1,2、久保田 圭祐3、濱口 豊太3、北畠 義典4、古澤 浩生2,5、天草 弥生1 (1. リハビリテーション天草病院 リハビリテーション部、2. 越谷市リハビリテーション連絡協議会、3. 埼玉県立大学 研究開発センター、4. 埼玉県立大学 保健医療福祉学部、5. リハビリテーション天草病院 事業推進部)
キーワード:
通いの場、継続支援、心理的側面
【はじめに】
越谷市の「通いの場」では、参加継続による身体機能・生活機能改善が報告されている。一方、運営においては、参加者の継続支援につなげるため、早期に離脱リスクを把握し、対応することが重要である。また、これまでの検討では、うつ傾向は離脱リスクを高め、心理的側面が参加継続に影響する可能性が考えられる。そこで本研究では、開始時情報(身体機能、生活機能および心理的側面を含む評価)から6か月以内の離脱リスクを予測できるかを検討するとともに、継続支援に有用な要因を明らかにすることを目的とした。
【方法】
後ろ向きコホート研究とした。対象は「通いの場」で実施した体力測定会に参加した高齢者1132名である。説明変数は年齢、性別、Timed Up and Go Test(TUG)、片脚立位時間、30秒椅子立ち上がりテスト(CS-30)、Life-Space Assessment(LSA)、基本チェックリスト(KCL)総合点、KCLうつ領域とした。6か月後評価の欠測状況から継続・離脱を判定した。解析にはロジスティック回帰分析を用いた。有意水準はp<0.05とした。主解析としてKCL総合点とうつ領域を含むモデル①を構築し、感度分析としてうつ領域を除外したモデル②、KCL総合点を除外したモデル③を作成した。モデル性能はROC解析によるAUCで評価した。
【結果】
6ヶ月後の継続者594名に対して離脱者538名であった。このうちデータ欠損のない551名(男性:87名、女性464名、平均年齢74.9±6.6歳)が回帰分析の対象とした。モデル①のAUCは0.583であり、最適閾値0.370、感度0.696、特異度0.466であった。感度分析では、モデル②のAUCは0.568、モデル③のAUCは0.564であり、モデル①が最も高値を示した。
【考察】
開始時情報による離脱予測能はAUC 0.58程度と限定的であり、身体機能や生活機能指標のみでは離脱を十分に説明できないことが示された。一方、KCL総合点とうつ領域を含むモデル①が最も良好であったことから、離脱には身体機能よりも心理的側面を含む生活機能評価が関与する可能性が示唆された。開始時にKCLを用いた生活機能全体の把握や、特にうつ傾向の評価が重要であると考えられる。一方で、モデルの識別能は十分とはいえず、今後はその他の要因を含めた予測モデルの構築が必要である。
【結論】
開始時評価による離脱予測能は限定的であったが、KCL総合点とうつ領域を含む評価が有用であった。「通いの場」の継続支援には、身体機能のみならず心理的側面を含む評価が重要である。
【倫理的配慮、説明と同意】
所属施設における倫理審査会で承認後に実施した(承認番号25101)。また、研究協力者には書面および口頭にて研究目的や方法について説明し、自由意志のもと、書面で同意を得た。
越谷市の「通いの場」では、参加継続による身体機能・生活機能改善が報告されている。一方、運営においては、参加者の継続支援につなげるため、早期に離脱リスクを把握し、対応することが重要である。また、これまでの検討では、うつ傾向は離脱リスクを高め、心理的側面が参加継続に影響する可能性が考えられる。そこで本研究では、開始時情報(身体機能、生活機能および心理的側面を含む評価)から6か月以内の離脱リスクを予測できるかを検討するとともに、継続支援に有用な要因を明らかにすることを目的とした。
【方法】
後ろ向きコホート研究とした。対象は「通いの場」で実施した体力測定会に参加した高齢者1132名である。説明変数は年齢、性別、Timed Up and Go Test(TUG)、片脚立位時間、30秒椅子立ち上がりテスト(CS-30)、Life-Space Assessment(LSA)、基本チェックリスト(KCL)総合点、KCLうつ領域とした。6か月後評価の欠測状況から継続・離脱を判定した。解析にはロジスティック回帰分析を用いた。有意水準はp<0.05とした。主解析としてKCL総合点とうつ領域を含むモデル①を構築し、感度分析としてうつ領域を除外したモデル②、KCL総合点を除外したモデル③を作成した。モデル性能はROC解析によるAUCで評価した。
【結果】
6ヶ月後の継続者594名に対して離脱者538名であった。このうちデータ欠損のない551名(男性:87名、女性464名、平均年齢74.9±6.6歳)が回帰分析の対象とした。モデル①のAUCは0.583であり、最適閾値0.370、感度0.696、特異度0.466であった。感度分析では、モデル②のAUCは0.568、モデル③のAUCは0.564であり、モデル①が最も高値を示した。
【考察】
開始時情報による離脱予測能はAUC 0.58程度と限定的であり、身体機能や生活機能指標のみでは離脱を十分に説明できないことが示された。一方、KCL総合点とうつ領域を含むモデル①が最も良好であったことから、離脱には身体機能よりも心理的側面を含む生活機能評価が関与する可能性が示唆された。開始時にKCLを用いた生活機能全体の把握や、特にうつ傾向の評価が重要であると考えられる。一方で、モデルの識別能は十分とはいえず、今後はその他の要因を含めた予測モデルの構築が必要である。
【結論】
開始時評価による離脱予測能は限定的であったが、KCL総合点とうつ領域を含む評価が有用であった。「通いの場」の継続支援には、身体機能のみならず心理的側面を含む評価が重要である。
【倫理的配慮、説明と同意】
所属施設における倫理審査会で承認後に実施した(承認番号25101)。また、研究協力者には書面および口頭にて研究目的や方法について説明し、自由意志のもと、書面で同意を得た。
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