講演情報

[P9-10]特別養護老人ホーム入所者における疼痛の実態調査 〜アビー痛みスケールを用いた評価〜

*池田 梓1、浅川 康吉2 (1. だいだい訪問看護ステーション、2. 東京都立大学)
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キーワード:

潜在的疼痛、アビー痛みスケール、寝たきり高齢者

【はじめに】特別養護老人ホーム(以下、特養)において、言語的に訴えが困難な入所者には潜在的な疼痛があることについて先行研究で調査されているが、その多くは施設入所者全体を対象としたものであり、寝たきり高齢者に特化した疼痛の実態は十分に明らかになっていない。
【目的】
本研究は特養に入所をしている要介護高齢者のうち、生活の主体がベッド上や車椅子上である寝たきり高齢者を対象に、疼痛を客観的に評価することでその実態を明らかにすることである。
【方法】
対象者は特養入所者で要介護4以上、かつ障害高齢者の日常生活自立度(J-ABCランク)において寝たきりの範囲にあたるBおよびCの者19名とした。対象者の内訳は男性3名、女性16名、平均年齢86.2±7.7歳であった。評価は対象者の日常を最もよく知る介護福祉士が行い、「アビー痛みスケール日本語版」を用いて評価を行った。本スケールは、声を上げる、表情、ボディランゲージ変化、行動の変化、生理学的変化、身体的変化の6項目(各0〜3点、計18点満点)で構成される観察式の疼痛評価ツールである。
【結果】
対象者19名のうち、73.7%にあたる14名に軽度(2〜7点)の疼痛が認められた。中等度および重度の疼痛が認められる者はいなかった。
【考察】
先行研究では要介護高齢者の疼痛の割合が46.2%と報告されているのに対し、本研究における寝たきり高齢者では73.7%であった。この結果から寝たきり高齢者にはなんらかの疼痛が存在していることが示された。疼痛は軽度の範囲内であったが、この疼痛を軽減するために、理学療法士と日常のケアをしている介護福祉士が互いに協力し、現場で実践可能な具体的なケアの方法を模索していくことが今後の課題として挙げられた。
【結論】
寝たきり高齢者において、軽度ではあるが潜在的な疼痛が高頻度で存在することが示唆された。今後はどのような介入が疼痛の軽減に寄与できるかを検証していく必要がある。
【倫理的配慮、説明と同意】本研究は東京都立大学倫理委員会の承認(承認番号:25005)を得て実施した。対象者および代諾者に対し、書面および口頭にて研究の目的、方法、個人情報の保護、いつでも同意を撤回できる旨を十分に説明し、書面にて同意を得た。

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