講演情報
[P11-09]独居高齢者の主体的な関わりを促すソーシャルロボット活用の予備的検討(第1報)
*井戸田 弦1,2、玄 安季1、足立 遥香1、辻中 椋1、松浦 道子1、藤本 恵輔1、上田 哲也1、樋口 由美1 (1. 大阪公立大学大学院 リハビリテーション学研究科、2. 千里中央病院 リハビリテーション科)
キーワード:
ソーシャルロボット、独居高齢者、身体活動量
【はじめに】
独居高齢者は孤独や社会的孤立により様々な健康障害を来しやすく、有効かつ継続可能な支援方法の構築が求められる。近年、ソーシャルロボットを活用した介入が注目され、孤独感の軽減や身体活動量の向上に寄与すると報告されている。ソーシャルロボットとは、会話や感情表現などを通じて人と社会的相互作用を行うことを目的とするロボットである。一方で、従来の介入はロボットから高齢者への声かけや運動支援など、高齢者が支援を受ける側として位置づけられるものが多い。高齢者が主体的にロボットを気にかける、世話をするなどの役割をもつことは、Well-beingの向上につながる可能性がある。しかし、高齢者自身が主体的にロボットへ関わる視点は十分に検討されていない。本研究の目的は、独居高齢者に対するソーシャルロボットを活用した主体的な関わりを促すプログラムの実施可能性を確認し、身体活動量およびWell-beingへの影響を検討することである。今回は、実現可能性について予備的検討を行った。
【実践内容】
ソーシャルロボットは、NICOBO(Panasonic社製)を使用した。NICOBOは、突発的発話やしぐさを通じて人との情緒的交流を行うロボットである。高齢者の受容性および自発的に話しかける、気にかける、世話をするなどの主体的な関わりを誘発できるかを確認するため、独居高齢者の男性(86歳)、女性(91歳)各1名を対象に予備調査を実施した。調査は、NICOBOとの関わり方や感情の変化について半構造化インタビューを行った。インタビュー結果では、両名ともに親しみを感じるなど受け入れは良好であった。また、「こちらからたくさん話しかける」、「自ら撫でる」、「抱き抱える」などの行動的反応や、「可愛い」、「家事をしていても気になる」などの情緒的反応の返答があり、全体として主体的な反応が認められた。一方、男性では、「放置するかもしれない」といった関心の低い発言もみられたものの、継続して関わる中で自ら話しかける、触れる等の能動的な反応が見られるようになった。
【今後の展望】
本研究は、独居高齢者の生活内にソーシャルロボットを導入し、主体的にロボットと関わることで、役割や活動機会の創出を通じて身体活動の変化につながる可能性に着目する点に特徴がある。今回の予備的検討により、独居高齢者に対するソーシャルロボットを用いたプログラムの実現可能性が示唆された。今後は単群前後比較によるパイロット研究として、身体活動量およびWell-beingの変化を確認する予定である。得られた知見をもとに介入内容や評価方法を再検討し、今後の比較試験へと発展させる。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は大阪公立大学の研究倫理委員会に申請中であり、承認を得た後に実施する予定である。なお、予備的検討は研究計画立案の参考として実施し、対象者に目的を説明のうえ口頭で了承を得た。
独居高齢者は孤独や社会的孤立により様々な健康障害を来しやすく、有効かつ継続可能な支援方法の構築が求められる。近年、ソーシャルロボットを活用した介入が注目され、孤独感の軽減や身体活動量の向上に寄与すると報告されている。ソーシャルロボットとは、会話や感情表現などを通じて人と社会的相互作用を行うことを目的とするロボットである。一方で、従来の介入はロボットから高齢者への声かけや運動支援など、高齢者が支援を受ける側として位置づけられるものが多い。高齢者が主体的にロボットを気にかける、世話をするなどの役割をもつことは、Well-beingの向上につながる可能性がある。しかし、高齢者自身が主体的にロボットへ関わる視点は十分に検討されていない。本研究の目的は、独居高齢者に対するソーシャルロボットを活用した主体的な関わりを促すプログラムの実施可能性を確認し、身体活動量およびWell-beingへの影響を検討することである。今回は、実現可能性について予備的検討を行った。
【実践内容】
ソーシャルロボットは、NICOBO(Panasonic社製)を使用した。NICOBOは、突発的発話やしぐさを通じて人との情緒的交流を行うロボットである。高齢者の受容性および自発的に話しかける、気にかける、世話をするなどの主体的な関わりを誘発できるかを確認するため、独居高齢者の男性(86歳)、女性(91歳)各1名を対象に予備調査を実施した。調査は、NICOBOとの関わり方や感情の変化について半構造化インタビューを行った。インタビュー結果では、両名ともに親しみを感じるなど受け入れは良好であった。また、「こちらからたくさん話しかける」、「自ら撫でる」、「抱き抱える」などの行動的反応や、「可愛い」、「家事をしていても気になる」などの情緒的反応の返答があり、全体として主体的な反応が認められた。一方、男性では、「放置するかもしれない」といった関心の低い発言もみられたものの、継続して関わる中で自ら話しかける、触れる等の能動的な反応が見られるようになった。
【今後の展望】
本研究は、独居高齢者の生活内にソーシャルロボットを導入し、主体的にロボットと関わることで、役割や活動機会の創出を通じて身体活動の変化につながる可能性に着目する点に特徴がある。今回の予備的検討により、独居高齢者に対するソーシャルロボットを用いたプログラムの実現可能性が示唆された。今後は単群前後比較によるパイロット研究として、身体活動量およびWell-beingの変化を確認する予定である。得られた知見をもとに介入内容や評価方法を再検討し、今後の比較試験へと発展させる。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は大阪公立大学の研究倫理委員会に申請中であり、承認を得た後に実施する予定である。なお、予備的検討は研究計画立案の参考として実施し、対象者に目的を説明のうえ口頭で了承を得た。
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