講演情報

[O5-05]要支援・要介護高齢者における転倒恐怖感と身体活動の関係:多施設共同研究

*木田 亮輔1,2、木村 鷹介2、清水 夏生2、伊原 直2,3、内山 圭太2,4、木下 篤2、藤原 和志2、松浦 遼2,5、柳澤 雄大2,6、山本 泰忠2,7 (1. リハビリ推進センター株式会社 板橋リハビリ訪問看護ステーション、2. HEalth Promotional Physical therapy for Stroke survivors(HEPPS)、3. 福岡リハビリテーション病院 リハビリテーション部、4. 金沢赤十字病院 リハビリテーション科、5. さくら会病院 リハビリテーション科、6. 初台リハビリテーション病院 回復期支援部、7. 宝塚リハビリテーション病院 療法部)
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キーワード:

身体活動、転倒恐怖感、生活期リハビリテーション

【はじめに、目的】
高齢者における転倒恐怖感(FoF)は、ADLやQOLの低下を引き起こす。また、転倒恐怖感を有する高齢者では身体活動量が低いことが報告されている。しかし、要支援・要介護高齢者を対象に、身体活動を強度別活動時間や座位行動パターンとして詳細に評価し、転倒恐怖感との関連を検討した報告は限定的である。本研究では、要支援・要介護高齢者における転倒恐怖感の有無と身体活動との関係を探索的に調査することを目的とした。
【方法】
対象者は、6施設において2024年6月から2026年2月までに新規で生活期リハビリテーション(リハ)を開始した要支援・要介護高齢者143名(76.9±7.6歳、男性66名)とし、基本情報、転倒恐怖感の有無、リハ開始時の身体活動量を評価した。転倒恐怖感は日常生活動作において転倒に対する恐怖感を感じるかを「あり」「なし」の2件法で評価した。身体活動量は活動量計(Active style Pro,OMRON社製)を用いて測定し、座位行動時間(SB:1.5METs以下)、軽強度身体活動時間(LIPA:1.6–2.9METs)、中高強度身体活動時間(MVPA:3.0METs以上)、30分以上の座位Bout回数および集計値を算出した。対象者をFoF有り群とFoF無し群に分類し、各身体活動指標の群間比較を行った。さらに、要支援者と要介護者に層別化した解析を行った。統計解析にはカイ二乗検定及びMann-WhitneyのU検定を使用し、統計学的有意水準は5%とした。
【結果】
解析対象者143名のうち、FoF有り群は77名(54%)であった。全体解析において、FoF有り群のMVPAの中央値(四分位範囲)は4.0(2.4-9.3)分であり、FoF無し群の10.2(3.5-27.3)分と比較し有意に短かった(p=0.005)。層別解析において、要支援高齢者(74名)ではFoF有り群(42名)のMVPAは4.0(2.2-13.1)分と短く(p=0.002)、座位Bout回数は7.2(4.8-8.5)回と多かった(p=0.024)。要介護高齢者では全ての身体活動指標において有意な差を認めなかった。
【考察】
比較的活動能力が保たれている要支援高齢者では、転倒恐怖感はMVPAの少なさや座位行動パターンに関連する可能性が示唆された。一方、要介護高齢者では転倒恐怖感の有無による身体活動指標の差を認めなかった。要介護高齢者では全体的に身体活動量が低く、転倒恐怖感による影響が顕在化しにくかった可能性が考えられた。
【結論】
転倒恐怖感を有する要支援高齢者では、MVPAが短く、座位Bout回数が多かった。一方、要介護高齢者では身体活動指標との明確な関連を認めず、転倒恐怖感と身体活動との関連は要介護度によって異なる可能性が示唆された。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究はヘルシンキ宣言に沿った研究であり、初台リハビリテーション病院倫理審査委員会の承認(承認番号:初2024-7)後、各施設の倫理員会の承認を得て実施した。対象者には研究の目的および内容を口頭および書面で説明し、同意を得た。

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