講演情報
[P13-08]高齢者に対する日帰り旅行支援が参加者に与える有益性について
*植田 和弥1 (1. 株式会社ナッセ リハプラス)
キーワード:
日帰り旅行、デイサービス、主観的年齢
【はじめに】
要支援・要介護認定高齢者は「外出頻度の低下」や「歩行時間の減少」といった活動に対して消極的になる傾向があり、生きがいや幸福感の低下がみられやすい。これに対し、当社では高齢者を対象とした日帰り旅行支援を行っており、リハビリ専門職を含むスタッフが帯同し、高齢者の転倒防止や疾患による急変時のリスク管理を行い長時間の外出をサポートする。高齢者をサポートする旅行支援活動は、参加者が旅行を通じた成功体験によって自己効力感やQOLが向上する有益な事業と推察されているが、実際にその影響を調査した研究は少ない。本研究の目的は、高齢者を対象とした「日帰り旅行イベント」前後での精神面や生活範囲の変化を明らかにすることである。
【方法】
対象は当社のデイサービスに通所している高齢者18名(女性14名・男性4名・平均年齢83.8±4.1歳・要支援2~要介護4)とした。日帰り旅行に参加した9名を旅行参加群、それ以外のデイサービス利用者を旅行不参加群とした。デイサービス利用者の身体機能(握力・片脚立位時間・5m歩行速度・Timed Up and Go Test)を旅行実施前3か月以内に測定した。それぞれの測定結果が旅行参加群と比較した際に、先行研究を参考に最小可検変化量(MDC)以内である者を旅行不参加群の中から9名選出し対照群とした。なお旅行参加群・対照群は、ともに認知症の診断や明らかな精神疾患(うつ病など)を呈しておらず、自分の意志を面接やアンケートに反映できる者とした。生活範囲はLife Space Assessment(LSA)、主観的幸福感はPCGモーラルスケール、QOLはikigai-9を用いて評価した。主観的年齢は、身体的年齢・精神的年齢をそれぞれ聴取した。これらの評価を旅行実施前後1か月以内にそれぞれ行い、それらを対応のあるt検定で統計学的分析を行い、有意水準は5%未満とした。
【結果】
旅行参加群の主観的年齢(精神)のみ有意差がみられた(p<0.05)。旅行前の平均は69.3±6.8歳、旅行後は57.5±7.3歳であり、旅行後に若返りを認めた。その他の項目では、旅行参加群・対照群ともに有意差はみられなかった。
【考察】
アクティブな余暇活動(運動、趣味の集まりなど)や非日常的な体験が高齢者のウェルビーイングを向上させ、心理的な老いの感覚をリセットする(=主観的年齢が若返る)効果があると考えられている。今回の旅行支援について、単に「健康だから旅行に行ける」という側面だけでなく、「旅行という非日常の計画を立て、新しい環境で適応行動をとること」自体が、自己認識を若々しく保つサイクル(心理的な若返り)を生み出したことが予想される。
【結論】
高齢者が日帰り旅行に参加することで精神的な主観的年齢が若返ることが示唆された。
【倫理的配慮】
調査協力の任意性、調査の中で知り得た一切の情報の保護やその管理・破棄方法・調査結果の利用・公表方法について文書および口頭で説明を行い、調査対象者から書面にて同意を得た。
要支援・要介護認定高齢者は「外出頻度の低下」や「歩行時間の減少」といった活動に対して消極的になる傾向があり、生きがいや幸福感の低下がみられやすい。これに対し、当社では高齢者を対象とした日帰り旅行支援を行っており、リハビリ専門職を含むスタッフが帯同し、高齢者の転倒防止や疾患による急変時のリスク管理を行い長時間の外出をサポートする。高齢者をサポートする旅行支援活動は、参加者が旅行を通じた成功体験によって自己効力感やQOLが向上する有益な事業と推察されているが、実際にその影響を調査した研究は少ない。本研究の目的は、高齢者を対象とした「日帰り旅行イベント」前後での精神面や生活範囲の変化を明らかにすることである。
【方法】
対象は当社のデイサービスに通所している高齢者18名(女性14名・男性4名・平均年齢83.8±4.1歳・要支援2~要介護4)とした。日帰り旅行に参加した9名を旅行参加群、それ以外のデイサービス利用者を旅行不参加群とした。デイサービス利用者の身体機能(握力・片脚立位時間・5m歩行速度・Timed Up and Go Test)を旅行実施前3か月以内に測定した。それぞれの測定結果が旅行参加群と比較した際に、先行研究を参考に最小可検変化量(MDC)以内である者を旅行不参加群の中から9名選出し対照群とした。なお旅行参加群・対照群は、ともに認知症の診断や明らかな精神疾患(うつ病など)を呈しておらず、自分の意志を面接やアンケートに反映できる者とした。生活範囲はLife Space Assessment(LSA)、主観的幸福感はPCGモーラルスケール、QOLはikigai-9を用いて評価した。主観的年齢は、身体的年齢・精神的年齢をそれぞれ聴取した。これらの評価を旅行実施前後1か月以内にそれぞれ行い、それらを対応のあるt検定で統計学的分析を行い、有意水準は5%未満とした。
【結果】
旅行参加群の主観的年齢(精神)のみ有意差がみられた(p<0.05)。旅行前の平均は69.3±6.8歳、旅行後は57.5±7.3歳であり、旅行後に若返りを認めた。その他の項目では、旅行参加群・対照群ともに有意差はみられなかった。
【考察】
アクティブな余暇活動(運動、趣味の集まりなど)や非日常的な体験が高齢者のウェルビーイングを向上させ、心理的な老いの感覚をリセットする(=主観的年齢が若返る)効果があると考えられている。今回の旅行支援について、単に「健康だから旅行に行ける」という側面だけでなく、「旅行という非日常の計画を立て、新しい環境で適応行動をとること」自体が、自己認識を若々しく保つサイクル(心理的な若返り)を生み出したことが予想される。
【結論】
高齢者が日帰り旅行に参加することで精神的な主観的年齢が若返ることが示唆された。
【倫理的配慮】
調査協力の任意性、調査の中で知り得た一切の情報の保護やその管理・破棄方法・調査結果の利用・公表方法について文書および口頭で説明を行い、調査対象者から書面にて同意を得た。
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