講演情報
[P6-09]通所リハビリテーション利用者における1分間座位立位テストと主観的な週間歩行時間の関連性
*蔵本 匡平1、井田 晋一1、田中 美紀子1 (1. 西宮回生病院 リハビリテーション部)
キーワード:
1分間座位立位テスト、身体活動量、通所リハビリテーション
【はじめに、目的】
高齢者のフレイル遮断と健康増進には、運動耐容能と身体活動量の評価が重要である。運動耐容能の指標には6分間歩行テストがあるが、通所リハビリテーション(通所リハ)環境では空間的制約から実施困難な場合が多い。代替として省スペースな1分間座位立位テスト(1分STS)の有用性が示唆されているが、日常の身体活動量をどの程度反映するかは不明である。本研究は、1分STSが通所リハ利用者の主観的身体活動量を反映する評価指標となり得るかを検証し、推奨される身体活動量達成に必要なカットオフ値を明らかにすることを目的とした。
【方法】
当院通所リハを利用し、生活自立度の基準を満たした医学的リスクのない高齢者70名を対象とした。身体機能評価としてSPPB、5回STS、歩行速度、TUG、1分STSを測定した。身体活動量はIPAQ-SFを用い、直近1週間の総歩行時間(分/週)を算出した。統計解析は、各身体機能と週間歩行時間との相関関係を検証後、週間歩行時間を目的変数、1分STSを説明変数、基本属性(年齢、性別、BMI)を調整変数とした重回帰分析を行った。さらに、週間歩行時間150分を基準に2群化し、ROC曲線よりカットオフ値を算出した。
【結果】
対象は70名(平均年齢82.4±8.9歳)。週間歩行時間150分以上の活動群は40.0%であった。相関分析では、週間歩行時間は1分STSと最も強い正の相関を示し(rs = 0.425, p < 0.001)、他すべての身体機能指標とも有意に相関した(p < 0.01)。重回帰分析の結果、基本属性調整後も1分STSは週間歩行時間の独立した有意な予測因子であった(β = 19.376, p = 0.025)。活動群を判別するROC曲線分析では、AUCが0.552(95%信頼区間: 0.416 - 0.688)であり、単独での判別精度は限定的であった。
【考察】
1分STSが独立した予測因子となった理由は、本テストが下肢筋持久力と運動耐容能を反映し、動き続ける能力が日常の歩き続ける行動に直結しているためと考える。一方、ROC分析で十分な精度が得られなかった背景には、サンプルサイズの未達に加え、発揮可能な身体能力と実際の行動の解離、主観的評価のばらつきが影響した。今後は認知・心理的要因を含めた多角的な検討が必要である。
【結論】
1分STSは通所リハ利用者の日常的な活動性と独立して関連しており、身体能力の面から日常の活動性を推察する簡便な指標として臨床的に有用である可能性が示唆された。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は筆頭演者が所属する施設の研究倫理審査委員会にて承認を得て、オプトアウト方式で実施した。
高齢者のフレイル遮断と健康増進には、運動耐容能と身体活動量の評価が重要である。運動耐容能の指標には6分間歩行テストがあるが、通所リハビリテーション(通所リハ)環境では空間的制約から実施困難な場合が多い。代替として省スペースな1分間座位立位テスト(1分STS)の有用性が示唆されているが、日常の身体活動量をどの程度反映するかは不明である。本研究は、1分STSが通所リハ利用者の主観的身体活動量を反映する評価指標となり得るかを検証し、推奨される身体活動量達成に必要なカットオフ値を明らかにすることを目的とした。
【方法】
当院通所リハを利用し、生活自立度の基準を満たした医学的リスクのない高齢者70名を対象とした。身体機能評価としてSPPB、5回STS、歩行速度、TUG、1分STSを測定した。身体活動量はIPAQ-SFを用い、直近1週間の総歩行時間(分/週)を算出した。統計解析は、各身体機能と週間歩行時間との相関関係を検証後、週間歩行時間を目的変数、1分STSを説明変数、基本属性(年齢、性別、BMI)を調整変数とした重回帰分析を行った。さらに、週間歩行時間150分を基準に2群化し、ROC曲線よりカットオフ値を算出した。
【結果】
対象は70名(平均年齢82.4±8.9歳)。週間歩行時間150分以上の活動群は40.0%であった。相関分析では、週間歩行時間は1分STSと最も強い正の相関を示し(rs = 0.425, p < 0.001)、他すべての身体機能指標とも有意に相関した(p < 0.01)。重回帰分析の結果、基本属性調整後も1分STSは週間歩行時間の独立した有意な予測因子であった(β = 19.376, p = 0.025)。活動群を判別するROC曲線分析では、AUCが0.552(95%信頼区間: 0.416 - 0.688)であり、単独での判別精度は限定的であった。
【考察】
1分STSが独立した予測因子となった理由は、本テストが下肢筋持久力と運動耐容能を反映し、動き続ける能力が日常の歩き続ける行動に直結しているためと考える。一方、ROC分析で十分な精度が得られなかった背景には、サンプルサイズの未達に加え、発揮可能な身体能力と実際の行動の解離、主観的評価のばらつきが影響した。今後は認知・心理的要因を含めた多角的な検討が必要である。
【結論】
1分STSは通所リハ利用者の日常的な活動性と独立して関連しており、身体能力の面から日常の活動性を推察する簡便な指標として臨床的に有用である可能性が示唆された。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は筆頭演者が所属する施設の研究倫理審査委員会にて承認を得て、オプトアウト方式で実施した。
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