講演情報
[O6-05]回復期リハビリテーション病棟退院後に、地域リハビリテーションへ移行する利用者の身体機能の特徴
*野崎 和昭1、永井 公規1,2 (1. 花はたリハビリテーション病院、2. 東京都立大学)
キーワード:
移行支援、地域リハビリテーション、自宅退院
【はじめに、目的】回復期リハビリテーション病棟(以下、回リハ病棟)退院直後は、生活混乱期と呼ばれ、転倒の増加や活動量の低下により、再入院となることが問題となり(HoffmanGJら、2019)、この時期におけるリハ介入や退院後の継続的な関わりが重要となる(FalveyJRら、2016)。しかし、実際に地域リハビリテーション(以下、地域リハ)に移行した利用者の身体機能の特徴についての報告は渉猟の限り認めない。本研究の目的は、地域リハに移行する回リハ病棟退院者の身体機能の特徴を明らかにし、移行の指標の一助とすることを目的とした。【方法】対象は、2024年4月1日から2025年3月31日までに、当院回リハ病棟から自宅退院した312例(脳血管障害109例、運動器疾患141例、廃用症候群62例)とした。地域リハに移行した利用者を実施群、移行しなかった利用者を未実施群に分けた。分析する要因は、年齢、退院時Functional Balance Scale(以下、FBS)、10m歩行、入院時から退院時の機能的自立度評価表の運動項目(以下、M-FIM)の変化量とした。統計解析は、地域リハを目的変数としたロジスティック回帰分析を有意水準5%で行った。【結果】312例の対象者は179例が実施群、133例が未実施群に分けられた。年齢は実施群が79.8±13.2歳、未実施群が73.2±10.4歳、退院時FBSは実施群が42.9±13.8点、未実施群が48.2±13.4点、M-FIMの変化量は実施群が34.5±14.4点、未実施群が29.8±12.9点であった。ロジスティック回帰分析の結果、年齢(OR=1.05、95%CI=1.02-10.7 p<0.01) 、退院時FBS (OR=0.95、95%CI=0.91-0.98 p<0.01)、M-FIMの変化 (OR=1.04、95%CI=1.01-1.06 p<0.01)が抽出された。【考察】地域リハに移行する回リハ病院退院者の特徴として、年齢、退院時FBS、M-FIMの変化量が抽出された。加齢により生じる骨格筋機能の低下は転倒の危険性が増加すると報告がある(TinttiMEら、2010)。退院時FBSについて、退院後は活動量が低下すると報告している(細井ら、2011)。それに伴いバランスが低下しADL維持が困難となることが予測されるため、回リハスタッフが地域リハの導入を判断した可能性が考えられる。FIM変化量は、患者のリハ意欲が向上する要因として回復の実感が重要と報告がある(小宅ら、2023)。本研究も、M-FIMが改善することでリハ意欲が向上し自宅退院後も地域リハに移行した要因と考える【結論】回リハ病棟退院後に地域リハへ移行した利用者の身体機能の特徴として、年齢・退院時FBS・M-FIMの変化量が移行に繋がる指標の一助になる可能性がある。【倫理的配慮、説明と同意】ヘルシンキ宣言に基づき、個人情報の取り扱いには十分に配慮した。
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