講演情報
[P16-09]地域在住高齢者に対するハマトレ実践後の体力測定項目の変化
―評価指標として5回立ち上がりテストの検討―
*髙木 智博1、林野 翔太2 (1. 株式会社祥ファクトリ さかいリハ訪問看護ステーション・横浜 保土ヶ谷支所、2. 株式会社祥ファクトリ さかいリハ訪問看護ステーション・横浜)
キーワード:
ハマトレ、介護予防教室、5回立ち上がりテスト
【はじめに、目的】
高齢者のフレイル予防において介護予防教室の普及が進んでいる。一方でこれらの支援は、実施場所、参加者数、実施頻度が 多様であり、単発的な指導にとどまることも少なくない。そのため、地域活動における継続的支援の効果判定や理学療法士が活動支援に携わる際に用いる評価指標の選定が課題となっている。当団体では横浜市が高齢者の「歩き」に着目して開発した「ハマトレ」を用い、地域包括支援センター等と連携して体操指導および講話、体力測定を実施してきた。本研究の目的は、高齢者を対象としたハマトレ実践後の体力測定値の変化を検討し、評価指標として有効な項目を検討することである。
【方法】
対象は、令和7年度に横浜市内で活動する4グループのうち、介護予防教室に継続して参加された高齢者50名(平均年齢78.5歳)とした。行政のフレイル予防指針(運動・口腔・栄養・社会参加)に準拠した講話や体力測定、運動指導を地域住民による通いの場へ提供した。評価項目は握力、片脚立位保持、2ステップテスト、片脚立ち上がりテスト、5回立ち上がりテスト(5CS)とした。統計解析は、各グループの介入前後測定値、測定間隔および前後差については記述統計により確認した後、全統計データを統合し、体操指導前後の体力測定値を対応のあるt検定により比較した。なお、有意水準は5%とした。
【結果】
全対象者の統合データでは、5CSのみに統計学的に有意な短縮を認めた(p<0.0004)。一方で握力、片脚立位保持、2ステップテスト、片脚立ち上がりテストでは全体での統計的有意差は認められなかった。
【考察】
ハマトレは高齢者の「歩き」に着目して開発した体操であるが、今回の地域高齢者への指導後には5CSのみ有意に改善を認めた。5CS以外の項目に有効な変化が認めなかった背景には、評価指標の特性に関与した可能性がある。握力は指導した内容との対応が弱く、片脚立位や2ステップテストは個人差や当日の体調等の影響を受けやすい。また片脚立ち上がりテストは対象者に対して難易度が高く、変化を捉えにくかった可能性がある。以上より、ハマトレを中心とした体操指導では、5CSが変化を捉えやすい評価指標である可能性が示唆された。一方で、本研究は対照群を設けておらず、測定間隔も半年と1年のグループが混在していたため、測定間隔や測定慣れなどの影響が含まれている可能性がある。
【結論】
ハマトレを中心とした介護予防教室では5CSが身体機能の変化を捉えやすい評価指標である可能性が示唆された。今後は、測定条件を整理した上で、評価指標としての有効性を検討する必要がある。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究はヘルシンキ宣言の趣旨に則り、対象者に活動趣旨と個人情報の取り扱いを説明し同意を得た。データは匿名化し、写真は本人らの公開許諾を得ている。
高齢者のフレイル予防において介護予防教室の普及が進んでいる。一方でこれらの支援は、実施場所、参加者数、実施頻度が 多様であり、単発的な指導にとどまることも少なくない。そのため、地域活動における継続的支援の効果判定や理学療法士が活動支援に携わる際に用いる評価指標の選定が課題となっている。当団体では横浜市が高齢者の「歩き」に着目して開発した「ハマトレ」を用い、地域包括支援センター等と連携して体操指導および講話、体力測定を実施してきた。本研究の目的は、高齢者を対象としたハマトレ実践後の体力測定値の変化を検討し、評価指標として有効な項目を検討することである。
【方法】
対象は、令和7年度に横浜市内で活動する4グループのうち、介護予防教室に継続して参加された高齢者50名(平均年齢78.5歳)とした。行政のフレイル予防指針(運動・口腔・栄養・社会参加)に準拠した講話や体力測定、運動指導を地域住民による通いの場へ提供した。評価項目は握力、片脚立位保持、2ステップテスト、片脚立ち上がりテスト、5回立ち上がりテスト(5CS)とした。統計解析は、各グループの介入前後測定値、測定間隔および前後差については記述統計により確認した後、全統計データを統合し、体操指導前後の体力測定値を対応のあるt検定により比較した。なお、有意水準は5%とした。
【結果】
全対象者の統合データでは、5CSのみに統計学的に有意な短縮を認めた(p<0.0004)。一方で握力、片脚立位保持、2ステップテスト、片脚立ち上がりテストでは全体での統計的有意差は認められなかった。
【考察】
ハマトレは高齢者の「歩き」に着目して開発した体操であるが、今回の地域高齢者への指導後には5CSのみ有意に改善を認めた。5CS以外の項目に有効な変化が認めなかった背景には、評価指標の特性に関与した可能性がある。握力は指導した内容との対応が弱く、片脚立位や2ステップテストは個人差や当日の体調等の影響を受けやすい。また片脚立ち上がりテストは対象者に対して難易度が高く、変化を捉えにくかった可能性がある。以上より、ハマトレを中心とした体操指導では、5CSが変化を捉えやすい評価指標である可能性が示唆された。一方で、本研究は対照群を設けておらず、測定間隔も半年と1年のグループが混在していたため、測定間隔や測定慣れなどの影響が含まれている可能性がある。
【結論】
ハマトレを中心とした介護予防教室では5CSが身体機能の変化を捉えやすい評価指標である可能性が示唆された。今後は、測定条件を整理した上で、評価指標としての有効性を検討する必要がある。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究はヘルシンキ宣言の趣旨に則り、対象者に活動趣旨と個人情報の取り扱いを説明し同意を得た。データは匿名化し、写真は本人らの公開許諾を得ている。
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