講演情報

[P13-09]多職種連携による講座とピアサポートを融合させた家族介護教室の実践報告

*河住 さくら1、倉林 泰士郎1、岡部 結香子1、熊坂 歩美1、大西 由紀2、今川 寛海3 (1. 戸田中央リハビリテーション病院 地域リハビリテーションケアサポートセンター、2. 戸田中央リハビリテーション病院 医局、3. 戸田中央リハビリテーション病院 看護部)
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キーワード:

介護者、多職種連携、ピアサポート

【はじめに】在宅介護における家族の負担軽減は、地域包括ケアシステムにおいて重要な課題である。介護者の負担は身体的介助のみならず、精神的孤立や知識不足など多岐にわたるため、専門職による包括的な支援が求められる。当院では、理学療法士(以下PT)が中心となり、多職種が連携して運営する「ケアコミュニティサロン(家族介護教室)」を継続開催している。今回、多職種連携とピアサポートの側面を併せ持つ本活動の成果をアンケート結果から検討し報告する。
【実践内容または活動内容】本サロンは月1回土曜日に開催し、PT、作業療法士、医師、看護師が常駐する運営体制をとった。プログラムは、医師や看護師による脳血管疾患の基礎知識、PTによる起居・歩行介助の指導、作業療法士による認知症ケアの視点、言語聴覚士による難聴や高次脳機能障害の対応について、臨床心理士によるメンタルケア、オムツメーカーや介護福祉士による排泄ケア指導など、多様な専門職を講師に開催した。PTは全体のコーディネートに加え、介助実技の指導や、他者交流が促進されるようなファシリテーションを担った。また、単なる座学に留めず、福祉用具の試用や実技体験を通じた参加者同士の交流時間を意図的に設け、ピアサポートが促進されるようデザインした。
【成果や課題】2025年5月から2026年3月の参加者を対象としたアンケートの結果、以下の成果が得られた。満足度は極めて高く、「大変満足・満足」が回答の大部分を占めた。参加目的は「介護情報の取得」に加え「同じ立場の人との交流」が多く、自由記述では「車椅子の操作のコツがつかめた」「補聴器を試せて寄り添う気持ちになれた」といった技術的習得や、「同じ悩みを持つ人と話せて救われた」「毎月元気が出る」といった心理的変化が確認された。これは専門職による「解決策の一助」と、参加者間の「共感」が相乗効果を生んだ結果と考える。課題としては、新規参加者の継続的な確保と個別のニーズを担当者へフィードバックできるようなシステムづくりがあげられる。
【今後の展望または結論】専門職が連携して運営する家族介護教室は、介護技術の向上だけでなく、介護者の心理的居場所として機能することが示唆された。PTを中心として多職種で連携しながら、体験を通じた交流を促進することは、介護者の負担軽減にもつながり在宅での生活を継続できる一助ともなる。今後は、関係機関との協働をさらに深め、地域全体で介護者を支えるプラットフォームとしての確立を目指す。
【倫理的配慮、説明と同意】本報告は、個人が特定されないよう匿名化したアンケート結果のみを使用している。参加者には、得られたデータを学会発表等の学術活動に使用することについて書面または口頭にて説明し、同意を得た。

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