講演情報

[O16-04]地域在住高齢者におけるウォーカビリティが社会参加に及ぼす影響:縦断的観察研究

*安藤 雅峻1,2、上出 直人1,2、坂本 美喜1,2、河村 晃依1,2、前場 洋佑1,2、深瀬 裕子1,2、柴 喜崇3 (1. 北里大学医療衛生学部、2. 北里大学大学院医療系研究科、3. 福島県立医科大学保健科学部)
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キーワード:

地域在住高齢者、社会参加、ウォーカビリティ

【はじめに、目的】
 地域在住高齢者において,社会参加は生活機能の維持に重要である.社会参加には環境要因も関連し,先行研究では近隣の歩きやすさ(ウォーカビリティ)が関連すると報告されている(Matsumoto, 2022).しかし,横断的な検証に留まり,縦断研究が不足している.本研究では,地域在住高齢者を対象に,ウォーカビリティが社会参加に及ぼす影響を縦断的に検討した.
【方法】
 都市部在住の65歳以上の自立高齢者を対象とした.調査期間は2023年9月から2026年3月までとし,調査期間中に2時点以上のデータを取得した参加者252名(平均年齢74.0±5.0歳,女性69.1%)を解析対象とした.社会参加は,地域行事,町内会・自治会,老人会,趣味の会,奉仕活動,伝承活動の有無を調査し,合計参加数を算出した.ウォーカビリティ指標には,日本全国の平均値でZスコア変換した郵便番号界ウォーカビリティ指標(JPWI)を用い,四分位に分類した.線形混合モデルにより,社会参加数に対する時間経過とJPWIの交互作用を検討した.調整変数は,年齢,性別,体格指数,病歴数,歩行速度,認知機能,抑うつ,社会的孤立,自動車運転状況,居住年数とした.
【結果】
 対象者におけるJPWIは1.2±0.5であり,全国平均を上回っていた.社会参加数は2.1±1.6種類であり,ベースラインにおけるJPWIの四分位間の差は認められなかった.社会参加数の経時的変化は,交絡要因を調整後も,最もウォーカビリティが高い第四四分位群と比較して,第二四分位群では社会参加数が年間0.29(95%CI:-0.56~-0.02)有意に低下し,第一四分位群でも年間0.23(95%CI:-0.48~0.01)低下する傾向を認めた.
【考察】
 調査対象地域は全国的にみて比較的ウォーカビリティが高い都市部であったが,本研究の結果,同一都市圏においてもウォーカビリティの違いが社会参加の変化に影響を与えることが示された.特にウォーカビリティが低い地域では,社会参加数が経時的に低下しやすい可能性が示された.高齢者の社会参加を支援するうえでは,個人が有する能力のほかに,物理的な近隣環境の評価も必要である.また,ウォーカビリティが低い地域における通いの場づくりにおいては,住民の集まりやすさ(アクセシビリティ)も考慮した計画的な場の設定が必要であると考えられた.
【結論】
 身体・精神心理・社会的要因を調整してもなお,ウォーカビリティは地域在住高齢者の社会参加に独立して影響する環境要因である可能性が示された.
【倫理的配慮、説明と同意】
 本研究は筆頭演者が所属する施設の研究倫理審査委員会にて承認を受けた(承認番号:2023-008).全対象者に対して研究の目的および内容を説明し,書面による同意を取得した.

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