講演情報
[O16-05]都市部と農村部の地域在住高齢者における転倒関連自己効力感低下の地域差
*露木 歩1,2、上出 直人1,2,3、深瀬 裕子1,4、森谷 栄子5、鈴木 紀子5、安藤 雅峻1,3、河村 晃依1,6 (1. 北里大学大学院 医療系研究科、2. 介護老人保健施設 のどか、3. 北里大学 医療衛生学部 リハビリテーション学科 理学療法学専攻、4. 北里大学 医療衛生学部 保健衛生学科、5. 北里大学 健康科学部 看護学科、6. 北里大学 医療衛生学部 リハビリテーション学科 作業療法学専攻)
キーワード:
地域在住高齢者、転倒関連自己効力感、地域差
【はじめに、目的】
転倒には身体機能だけでなく、転倒関連自己効力感などの心理的要因も関連する。日本の地域在住高齢者における転倒発生率は地域によるばらつきがあるため、転倒関連自己効力感においても地域差が生じる可能性がある。しかし、転倒関連自己効力感における地域差については十分に明らかにされていない。本研究では、都市部と農村部の地域在住高齢者を対象に比較を行い、転倒関連自己効力感低下の地域差の有無を検討した。
【方法】
本研究は自記式の調査票による横断的観察研究である。調査は両地域とも10月から11月に実施した。対象は、都市部(神奈川県相模原市)在住の地域高齢者501名(女性298名、男性203名、平均年齢77.8±6.4歳)と農村部(新潟県南魚沼市)在住の地域高齢者230名(女性171名、男性59名、平均年齢78.2±6.4歳)とした。対象の採用基準は65歳以上で要介護認定を受けていない者とした。転倒関連自己効力感の評価はShort Falls Efficacy Scale-International(Short FES-I)を用い、14点以上を転倒関連自己効力感低下と判断した。統計解析では、年齢と性別の影響を考慮するため、前期高齢男性、前期高齢女性、後期高齢男性、後期高齢女性の4群に層別化して分析した。各群における転倒関連自己効力感低下の割合の都市部と農村部における差をFisherの正確検定により分析した。さらに、従属変数を転倒関連自己効力感の低下の有無、独立変数を地域(都市部・農村部)、調整変数を年齢、転倒歴、基本チェックリストによるフレイルの有無、社会的孤立、居住形態(独居・同居)、疾患数としたロジスティック回帰分析を行った。なお、統計学的有意水準は5%とした。
【結果】
層別化した4群のうち、前期高齢女性においてのみ地域差を認め、都市部高齢者では農村部高齢者よりも有意に転倒関連自己効力感低下の割合が高かった(都市部:35.7%、農村部:13.2%、p=0.004)。また、前期高齢女性に対するロジスティック回帰分析の結果、調整変数で調整後も、都市部の高齢者は農村部の高齢者と比較して、転倒関連自己効力感低下のオッズが有意に高かった(OR=2.95、95%CI:1.06-8.21、p=0.038)。
【結論】
転倒関連自己効力感低下には地域差が存在し、都市部と農村部の前期高齢女性において顕著である可能性が示唆された。転倒関連自己効力感は個人の身体機能だけでなく、地域環境や社会的要因の影響も受ける可能性があり、地域特性を考慮した解釈が必要である。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は、調査票に説明文書を添付して配布し、アンケート調査票の返送をもって調査への同意とした。また、所属機関の研究倫理審査委員会の承認を得て研究を実施した(承認番号2021-026-3、2025-022)。
転倒には身体機能だけでなく、転倒関連自己効力感などの心理的要因も関連する。日本の地域在住高齢者における転倒発生率は地域によるばらつきがあるため、転倒関連自己効力感においても地域差が生じる可能性がある。しかし、転倒関連自己効力感における地域差については十分に明らかにされていない。本研究では、都市部と農村部の地域在住高齢者を対象に比較を行い、転倒関連自己効力感低下の地域差の有無を検討した。
【方法】
本研究は自記式の調査票による横断的観察研究である。調査は両地域とも10月から11月に実施した。対象は、都市部(神奈川県相模原市)在住の地域高齢者501名(女性298名、男性203名、平均年齢77.8±6.4歳)と農村部(新潟県南魚沼市)在住の地域高齢者230名(女性171名、男性59名、平均年齢78.2±6.4歳)とした。対象の採用基準は65歳以上で要介護認定を受けていない者とした。転倒関連自己効力感の評価はShort Falls Efficacy Scale-International(Short FES-I)を用い、14点以上を転倒関連自己効力感低下と判断した。統計解析では、年齢と性別の影響を考慮するため、前期高齢男性、前期高齢女性、後期高齢男性、後期高齢女性の4群に層別化して分析した。各群における転倒関連自己効力感低下の割合の都市部と農村部における差をFisherの正確検定により分析した。さらに、従属変数を転倒関連自己効力感の低下の有無、独立変数を地域(都市部・農村部)、調整変数を年齢、転倒歴、基本チェックリストによるフレイルの有無、社会的孤立、居住形態(独居・同居)、疾患数としたロジスティック回帰分析を行った。なお、統計学的有意水準は5%とした。
【結果】
層別化した4群のうち、前期高齢女性においてのみ地域差を認め、都市部高齢者では農村部高齢者よりも有意に転倒関連自己効力感低下の割合が高かった(都市部:35.7%、農村部:13.2%、p=0.004)。また、前期高齢女性に対するロジスティック回帰分析の結果、調整変数で調整後も、都市部の高齢者は農村部の高齢者と比較して、転倒関連自己効力感低下のオッズが有意に高かった(OR=2.95、95%CI:1.06-8.21、p=0.038)。
【結論】
転倒関連自己効力感低下には地域差が存在し、都市部と農村部の前期高齢女性において顕著である可能性が示唆された。転倒関連自己効力感は個人の身体機能だけでなく、地域環境や社会的要因の影響も受ける可能性があり、地域特性を考慮した解釈が必要である。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は、調査票に説明文書を添付して配布し、アンケート調査票の返送をもって調査への同意とした。また、所属機関の研究倫理審査委員会の承認を得て研究を実施した(承認番号2021-026-3、2025-022)。
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